窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ミヤコドリ・秋の渡り

2020-07-28 18:29:14 | シギ・チドリ

ミヤコドリが今季も姿を見せてくれました。10羽。毎年、少しずつ増えてくれ

ているのが嬉しい。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ ミヤコドリ・秋の渡り ★

以前は隣の風蓮湖の干潟に30羽、40羽の大きな群れが集まり、野付湾の干潟に

1羽、2羽が姿を見せる程度でした。それがこの5年、数が増えてきました。

7月に入ると毎年いつやって来るか、愉しみになっています。干潮になると広大

干潟の沖合の方でエサ取りをしています。背中の方が黒いせいで岸から探し

ても全く見つけることができません。

しかし、満潮になり潮が満ちてくると押し出されるように岸辺の砂丘に引き上げ

てきます。もちろんその時刻に合わせ、干潟に出かけるわけです。

増えてきたのには、浅い干潟に砂盛りしてアサリが定着する場所が作られてい

せいです。アサリのサイズも大きく、ミヤコドリが食べるにはよき食事処に

ってきているのです。

ミヤコドリがアサリを砂地から引きだすと殻を固く閉じて、食べられないように

がんばります。それを苦も無く貝殻を叩き、突き破ります。サーベルのような嘴

閉殻筋を切断、わずか数秒で食べてしまいます。

アサリの殻が累々とする砂の干潟はミヤコドリにとりますます人気が出そうです。

根室地方に寄ってくれるミヤコドリはカムチャッカ半島で繫殖したものがやって

くると推察されていました。が、2019年9月に東京湾の三番瀬と三重県津市の

安濃川河口の2か所で、カムチャッカ半島で標識された個体が見つかり、日本に

渡来するミヤコドリの繁殖地や渡りのルートが少し明らかになってきています。

野付半島はミヤコドリの中継地でありますが、千島列島を経由してきているで

あろうミヤコドリに親近感を覚えます。