窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ハシブトガラス、子育て真っ最中

2020-07-10 16:52:35 | カラスの生態

野付半島の7月初旬は、子育て最盛期。小鳥もシギもオジロワシ、タンチョウ、

カワアイサ、アオサギ。目立つのはハシブトガラス。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ ハシブトガラス、子育て真っ最中 ★

6月はじめに抱卵していたハシブトガラス。7月に入り、子供たちは巣立ちして

木立の中で親鳥がエサを持ってくれるのを待ちわびています。

大食漢の子供たちを賄うために親鳥は、縄張り内で食べ物探しに必死です。

そして子供たちが外敵に狙われないように、いつも注意を払います。外敵になる

ような生き物が子供の近くに現れると、両親は偵察に来て、様子を見ます。

人であろうと犬であろうとオジロワシであろうと自分より大きな生き物でも

関係なくやってきます。

観察していると初めにやって来るのはメスが多い気がします。近くにやってきて

外敵だと決めるとカアーカアーと声を上げます。早めに警戒の声を出しておく

ことでオスと子供に認識させるのです。私の場合は、10メートル先くらいに降り、

注意を自分に向けさせます。

知らんぷりをして退かないと、さらに合図を送るのです。すると遠くにいたオス

がやってきます。彼は遠くからこちらの動向を監視してたのです。

ここから夫婦の連携が始まります。メスより一回り大きいオスはメスの前に来て

こちらに向きを変えます。

威嚇姿勢を取ります。こちらが反応しないと近くにある物を拾い、折ったり振り

回します。これはけっこうビビらせるには役立つようです。怒ってるなと感じ

ます。反応が鈍いと力強くなります。バチバチ感が伝わってきます。

威嚇から攻撃行動になる身構え方をしてきます。ひしひしと神経質になってくる

のが伝わってきます。飛び上がり真上に来て、真上から威圧してきます。メスも

近くでうろうろします。

早く察知して、その場を離れてあげないと彼らの行動はさらにヒートアップして

きます。ヒナは遠くにいるのに、と思いつつその場を離れるのがベスト。

こっちの様子が分かると彼らの攻撃は止まります。子供たちの方へ飛んでいきます。

とっても単純です。つまり離れればいいのです。


繫殖を終え、渡り、始まる

2020-07-09 15:12:54 | シギ・チドリ

さあ、繁殖を終えたシギチドリたちが姿を見せる季節に入りました。野付半島

繫殖しているオオジシギやアカアシシギも雛を連れて干潟に出てくる時期です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ 繁殖を終え、渡り、始まる ★

毎年、もう帰ってきたとびっくりさせられます。逆に、春の渡りから2か月も

経ったのかと、実感するのです。

寂しかった干潟に活気がみなぎります。アオサギとカラスくらいしか、いなか

ったので、「クリリリリ」鳴いて、干潟から飛び立つメダイチドリの群れには、

心が踊ります。

ここに立ち寄るメダイチドリは、カムチャッカ半島からアリューシャン列島の

一部で繫殖しています。世界的に見れば局地で繁殖するチドリです。

千島列島を北上すればいいわけで、長い翼を持ちチドリとしては大した距離では

ないかもしれません。それにしても、短期で繁殖して、とっとと南下してくるの

にはびっくりです。

それだけ繁殖地の気候が厳しい条件中で効率よく、短期でヒナを育てることに

長けた種なのでしょう。


ノゴマの季節

2020-07-07 18:51:12 | 山野の鳥

野付半島の草原はエゾカンゾウをはじめとして、シシウドの仲間、ヒオウギ

アヤメ、フウロソウ、ハマナスなどの花が一斉に咲いています。それぞれの

葉っぱも生き生きし、草原全体が勢いに満ちています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ ノゴマの季節 ★

ノゴマと言えば「日の丸どり」。こちらの人は笑顔で答えます。愛されている

野鳥です。聞き耳を立てると、街の中でさえ囀っている意外に身近な鳥です。

喉の赤が囀っているときにとても目立ちます。これが日の丸どりの語源です。

渡ってきて1カ月以上になります。彼らはいま子育てに全力を挙げています。

草原のコマドリと言われるほど、流麗で、耳に心地よい声は、草原の中では

ごくごく自然でノビタキやエゾセンニュウ、オオジュリンのように目立ちません。

モーツァルトの旋律みたいに流れるように自然で、華やかで、口では表せない

旋律です。何かに集中しようとしても決して邪魔にならない囀りです。

すでにその囀りは聞けなくなりました。花を求め、草原の中をうろついていると

エゾノコリンゴの小さな林の側で急に警戒する声を上げる鳥がいました。どうも

巣に接近したようです。

迷惑な侵入者です。声の主を探してみると目の前に現れました。嘴にいっぱい虫

を挟んだノゴマです。喉が赤い、いや橙色がかかった赤かな。発色の度合いから

若きオスでしょうか。

なにを持っているか、近寄って来たところを撮りました。拡大してみると、フナ

ムシ、小さなムカデ、ハエです。水辺に近いせいでフナムシがたくさんいるの

です。

ムカデらしき昆虫などを見れば、ノゴマが地面を歩き回り、虫を捕ってること

よく分かります。

シマセンニュウが草むらの中びいる昆虫を捕っているように、ノゴマが地面に

棲む昆虫を中心に捕っているのがよく分かります。

そのせいでこの時期のノゴマは探しにくいのです。道路から探すにはいるかい

ないかわからない鳥です。囀るときは草の上に出てきますが、生活は草の下の

方です。尾を立ってている姿は凛々しいですね。がっちりした嘴が生活力の強

を想像させてくれます。

それにしても花の時期のノゴマは似合うな。


スズガモが居残っています。

2020-07-06 15:34:39 | カモ類

6月に春別川や当幌川、茶志骨川の河口上流にスズガモが集まり、休んでいる

光景を観察します。4、5羽ではなく30羽から100羽以上のスズガモが干潮で

水が引いた岸辺や浅瀬で休んでいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ スズガモが居残っています ★

合わせると野付湾内に500羽以上のオスメスが混じったスズガモの群れが居残っ

います。

4月から5月はじめに本州の方から移動してくるスズガモの群れは遠くからの

観察で正確には分かりませんが、2万から3万羽がいます。

大きな群れになり湾外から湾内に飛んできて、アサリの小さな貝を丸呑みして

ます。野付湾の豊富なアサリが北極の沿岸に向かう彼らの体力を育みます。

日本に渡来する海ガモ類では最も多くやって来るスズガモ。日本近海の浅瀬は

貝類が豊富でとりやすい環境が多いということです。全国的に干潟が少なくな

っているので野付湾は貴重な中継地です。

移動してきたほとんどの個体は北極圏に面した地域に渡るのですが、毎年一部

個体たちが居残っています。何故なのか考えるようになりました。

以前、北極海で繁殖するコクガンが3羽ほど居残り、夏季に野付半島の干潟や

湿地帯で過ごしたことがります。若き個体でした。負傷した様子はなかったの

で、冗談で繫殖しないから渡らなくてもいいか、的に居残ったんではと思った

ことがありました。

繁殖地は湖や沼、湿地です。野付半島の周辺には似たような環境がたくさんあ

ります。

もしかすると居残り連中の一部はここで繁殖しているのかもしれません。

実際、ゴマフアザラシは北に帰らず、野付湾で繁殖し、年中棲息しています。


海霧の合間、久々の晴れ

2020-07-03 18:08:17 | 根室の風景

オホーツク海は冷たい寒気団が張り出しています。北極から降りてくる寒気が

なぜか根室地方にやってきます。北の方の稚内は避けるようにやってきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ★ 海霧の合間、久々の晴れ★

おかげで夏季は海霧のシーズンになります。6月から8月にかけ海上で発生する

海霧が陸地に向かいなだれ込んできます。以前、サンマ船に乗りこみ海上で海霧

がやって来るのを観察したことがあります。

高さ30~50メートルほどの海霧の帯が陸地に向かい移動してくるのです。

上空は快晴です。船はその帯に突っ込んでいきました。入った途端にホワイト

アウトです。

寒気と海面温度の差によってできる海霧はこの地域独特のものだと知りました。

ずっと根室地方には海霧が集まるのか、考えています。千島列島も海霧が多い。

樺太はそれほどではない。網走や北見は夏季は快晴が多く、暖かい。海水浴さえ

できるほどです。

グーグルアースで上空から地形を見ると千島列島から知床連山はプレートから

押し上げられた高山の先が出て、島になって連なっているところです。

この島々にオホーツクの寒気が当たり、根室地方に降りてくるのでは。流氷が

知床半島と国後島、択捉島で堰き止められ、根室海峡や国後海峡からなだれ込

でくるように寒気もなだれ込んでくるのでは。と思うようになりました。

知床連山のコルから流れ出てくる雲を見ながら、うなずくのです。