店から支給されるのは、
洗濯屋で綺麗にプレスされた白の上下でした。
上着は袖が少し短めで胸ポケット付き、ズボンも少し短めでした。
そして、白の前掛けを短めに巻いていました。
靴下を履いている人はいません、全員足袋でした。
足袋に鼻緒付きのサンダルが殆どで、高下駄が二人いました。
高下駄は、厨房の中が水浸しの場合は、有効なのでしょうが、
この店の床のコンクリートは、乾いていますので必要ではありません。
高下駄は、
カラコロカラコロうるさい音を立て、自己主張していました。
下着は1年中、白の半そでのTシャツとパンツだけでした。
毎日仕事が終わって洗うのは、シャツ、パンツと足袋だけです。
それも給湯器の熱で朝には乾いています。
ですから、仕事着の下着は、替えと2つあれば十分でした。
夏も冬も、同じいで立ちでいました。
今考えると、
他の人達の洗濯物を見た事がありません、
どうしていたんでしょう?
「洗濯物は、毎日同じだ」とオヤジが笑っていました。
新橋駅の近くに「貞操帯」を飾っている鍵屋が在りました。
綺麗なレンガの建物だったと思います。
探してみましたが、見つかりません。
あの鍵屋さんは、無くなったのでしょうか?
「出前の時、
寿司のシマちゃんに不思議な物を教えてもらい、
学校で習った十字軍の話を思い出しました。」
銀座日劇