ひねくれ亭日常

散歩と徘徊が日常の独り言

立川談志と笑点 矛盾の音頭

2021-01-29 12:12:00 | 落語

談志にはコアと言うよりも信者と言った方がぴったりのファンが多い。

一番のファンは弟子なんだろうけどその彼らが頻繁に言ったのが

「芸は最高、人柄は最低」

これは円生にも当てはまる。

円生も好かれる人柄ではなかった。

談志は矛盾多き人だろう。

兼ねがね”笑点は俺の作品”と言っていたがその笑点音頭という曲の歌詞にも見える。

3番「理屈を言っても売れっ子ない」

当人が一番理屈っぽかった。

6番「とっただけ使え いずれは死ぬよ ウジウジ貯めても 残りっこない」

当人はケチで有名で金はかなり残した。

まあこの辺りが好きなんだけどねえ、所詮人間なんて矛盾の中で生きて死ぬのさ。

 


関西人は笑点が嫌い??

2021-01-24 18:15:57 | 落語

以前一緒に仕事をしていたライターはコッテコテの関西人。

どんな場合も絶対に関西弁しか話さない。

その彼が言うには

「笑点の何処がおもろいねん。あんなもん大阪の人間は誰も見ぃひんよ」

そうなんだ、関西人は笑点を見ないんだ、へぇ~。

と感心したのだがその事を別のコッテコテに話すと

「そんな事あれへん!みんな笑点見てるでぇ」

どっちやねん!

しかし彼らの東京に対する対抗意識の強さにはあきれる。

何もそこまで敵意持たんでもと思う。

その反面関西弁を封印する人もいて例えば逸見政孝さん、勿論職業上仕方が無いのだが。

以前取材で会った人は

「たなかでぇす~」

「関西の御出身ですね」

「え、わかりますぅ~?」

いや額に関の字が浮き出てるから。

 

 


鈴本演芸場、休席を発表前座のコロナ感染が4名に3月下席再開予定

2021-01-19 11:28:29 | 落語


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/hochi/entertainment/hochi-20210118-OHT1T50211

いやあよくここまで出なかったと思うけど、逆に。

寄席の楽屋は狭いし人の出入りは多いしそして何より窓もなく奥まっているから換気は出来ないからねえ。

そんな環境でほぼ一日立ち働くのが前座さんだから一番リスクは高い訳だ。

昨年のは伯山襲名の動画見てもみんなよくしゃべるしごった返していたけどあれでよくクラスターにならななかったと思う。

今は楽屋で済んでいるがこれが客席となると大事になるよねえ。

 


柳家小さんと縁がある?

2021-01-02 11:22:18 | 落語

田舎者なので演芸を生で見る機会は殆ど無かった。

24歳の時に初めて東京へ来たが真っ先に向かったのは新宿末廣亭。

もうワクワクしながら初めての寄席を堪能した。

その時のプログラムは大切に取ってある。

初めて生の小さんを見たが‟ああ、テレビと同じだ”と感心したものだ。

時々寄席に行くと何故か小さんにあたる確率が高く縁を感じたものだ。

子供を連れて末廣亭へ行った時は当時の小正楽さんの時に小さんの顔を切っていた。

横の娘(当時小学校低学年)に

「いいか、直ぐに手を挙げて貰いに行くんだよ」

と言い聞かせて小正楽さんが

「はい、ではこれどなたか…」

言い終わらぬうちにダッシュした娘がめでたく頂いた。

小正楽さんは池袋演芸場でも作品を頂いた事がある。

夏休みで子供達を連れていったが場内は何とか‟つ離れ”した程度でガラガラ。

そんな中現れ、何時ものように身をひねらせながら紙を切る小正楽さん。

「では最後に」

と紙を手に取ると流れてきたお囃子はミッキーマウスマーチ。

ああ、子供の姿を見て楽屋で決めていてくれたんだなあと直ぐに解った。

そしてうちの子に手招きして出来上がったミッキーマウスをくれたのである。

小さんとミッキー、大事に飾ってある。

ちなみに小さんには取材をした事があって末廣亭の裏にあった喫茶店で話を聞いている。

舞台もインタビューも変わらぬ姿勢、流石は小さん。

いやもっと驚きの事実もあった。

 

 


柳家小さんと立川談志

2021-01-01 11:33:03 | 落語

20年以上前の事

談志が地方公演で居眠りをしていた人を追い出した事がある。

追い出された人が訴訟を起こし広く世間に知れ渡るニュースとなった。

この後、寄席ではこれがよくくすぐりとして使われている。

「ええ、ここは憩いの場ですから、まあお疲れの方もいらっしゃるでしょう。遠慮なくお休みくだすって結構ですよ。私は追い出したりそんな野暮な事はしやせんから」

事件を知っている客は大笑いだ。

談志はよく客についての文句を言う咄家でもあった。

出来が悪いと平気で

「客が悪りぃ」

昔の音源で幾つもそれが確認できる。

新宿末広でトリを取った時にはその反応の悪さにこういっている。

「あいつら前のこん平でゲラゲラ笑ってやがるんだ」

まあ高座は客と共にあり作品(談志曰く)は一人で作るもんじゃないのは解るが不出来を客のせいにするのは如何なものか。

紀伊国屋ホールの落語界で小さんがトリを取った時の事だ。

小さんは騒がしく語るタイプではなくどちらかというと抑え気味に話すからホールはシーンとしていた。

少し聞き取りにくいくらいだった。

演目は”ろくろっ首”

静かな中にイビキが聞こえてきた。

これが寄席ならさほど気にならないだろうがホールは響くのである。

暫くイビキの中で話は進んだが恐らく小さんにも聞こえていただろう。

勿論小さんは淡々と”ろくろっ首”を演じていた。

元々笑わそうとする芸を嫌う小さんだからお構いなしだったのかもしれない。