父方の本家筋はそれなりの家柄らしかった。
しかし実家は傍流の傍流でどこの馬の骨と大差ない。
我家の墓に祖父母と父しか入っていないから墓じまいをさっさと母と姉がしてくれた。
元々寺が大嫌いな母はすっきりとして
「私は献体した後に海にでも散骨してもらう」
と早々と決めていたがお迎えが来ないから待機状況だ。
色々散骨場所を探していたら犬も一緒に樹木葬が出来る京都の墓所とか故郷の海とか色々候補が見つかったらしい。
「海ねえ、どうせ流れるんだからトイレに流せば?同じだよ~」
「何を言うか!!そんなのは嫌だ」
と意思表示、大丈夫だよ当人には解らないからさあ。
親不孝な息子である。