若い頃、年長者のカメラマンはこう言った。
「いいか、仕事は何でもやらなきゃあ駄目なんだ」
まあ先輩の言う事だし一応は聞くがやはり何か違和感はぬぐえない。
やりたくもない、面白くもない撮影をする為にカメラマンになったのか?
そうじゃないだろう?
表現者として撮影したい、誰かに見せたい、伝えたいという欲望は捨てるのか?
そんな仕事をする為にわざわざ大学を中退してまでこの道に飛び込んだのか?
答えは明白だ。
少しも面白みの無い撮影はしない。興味の沸かない撮影はしない。
単純なインタビューカットでも自分は面白いと思っている。
対象者が経済人であろうが、科学者であろうが、、政治家であろうが、芸能人であろうが、自分の知らない世界についての話は聞いていてそれなりに面白いのである。
だからこなせる。
営業写真関係は全くジャンルが違うのでお断りしている。
専門分野が違い過ぎるから致し方ない。
カメラさえ手にすれば良いという訳では無い。
撮影しないものは撮影しないのだ。
それで良い。
仕事が無ければ考える時間。
考えて考えて、次の手を打つ。
そこからしか将来は開けないだろうなあ。
先輩カメラマンはこういう自慢をしていた。
「俺は仕事以外の写真は撮らない、絶対にな。家族の写真も絶対に撮らないんだ!!」
それがプロってもんだと言いたいのだろう。まあ人それぞれ。
私は家族写真山ほど撮るよ。
だって家族なんだから当然!