その昔、高級酒の代名詞と言えばジョニ黒だった。
長谷川町子さんは余程このジョニ黒がお気に入りだった様でサザエさんやいじわるばあさんには度々登場する。
本人が海外旅行が好きだったからそのお土産としてよく買っていたに違いない。
確かに当時のジョニ黒は高い。一本1万円以上したはずだ。
大卒初任給が2~3万円の時代である。
庶民には高根の花を通り越した存在なのだ、ジョニ黒は。
何とか頑張って手が届くのはジョニ赤、ホワイトホース、カティサークあたりか。
それでもかなり高かった。気軽に飲めたのはサントリーレッドやトリスで安いが悪酔いする酷い酒だ。
一般人が何とか海外旅行へ出られるようになったのは40年近く前だけどその時に免税店でオールドパーやシーバスリーガルに目の色を変えて日本人が群がった。
日本で買うと3万円近い酒が1万円で買えるから限定数3本を殆どの人が買い求めたのだ。
洋酒神話の生きていた時代である。
所が今やジョニ赤は安酒の範疇にある。円高が進み海外旅行も特別の事ではなくなりお土産としてのウィスキーの価値も価格も暴落する。
復活はハイボールで居酒屋の飲み物となった。
子供の頃に何となく感じた落ち着いた大人の酒のイメージは今の状況では感じられない。
夜、薄明かり、グラスの琥珀色、カランという音
憧れでもあったなあ。
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