こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

日光・中禅寺スカイラインで雲海を見る、2010年10月

2015-01-08 | 日光・足尾

湖面から蒸発する水分を含む空気は、冷やされると霧になる。広範囲に発生した霧が停滞すると、その霧は雲海として見えるようになる。中禅寺湖は山で囲まれているので、気象条件が整えば、雲海が湖上に発生しても不思議ではない。しかし、ここで雲海が発生することは、珍しいと聞いている。

この日(23日)の朝、快晴で無風状態であった。そして、日光中禅寺湖スカイラインで、中禅寺湖の上に現れた雲海に、私達は出会った。


スカイライン第1駐車場にて

中禅寺湖が雲海で覆われている。中央は男体山(2460 m)である。右奥は女峰山などだ。雲海には、朝日による山の影が映っている(8時10分頃)。スカイラインは雲海での島の下を通っている。この場所では、私達は濃霧の中を通過した。

 

 

第1駐車場では、多くの人々が雲海の景観を撮っていた。中には、金精峠で雲海での日の出を撮ってから、この駐車場に移動してきた人がいた。3年間ほど、このような機会を待っていたとの人にも出会った。

日陰に入っている山の稜線では、紅葉が朝日を浴びて輝いている(8時20分頃)。

 

 

雲海は奥日光方向まで広がっていた(8時15分頃)。奥の山波において、(左から)錫ヶ岳 (2388 m)、白錫尾根(白桧岳(2394 m)、白根山(日光白根山、奥白根山、関東以北の最高峰)(2578 m)、前白根山(2373 m) である。

 

 

雲海が消え始めて、スカイラインが見えてきた。

 

  

私達は、雲海を全く予想していなかった。この日は、歌ヶ浜 (駐車) → 狸窪(むじなくぼ) → 半月峠 → 半月山展望台 → 第二駐車場 → 歌ヶ浜 (駐車)のコースを歩くつもりだった。しかし、歌ヶ浜の駐車場がすでに満車状態であった。そのため、予定を変更せざるをえなかった。結果として、私達は中禅寺湖の上での珍しい雲海に出会った。



さて、今日の朝刊には、「秋ぽっかり」とのタイトルで、23日に真上から撮った八丁出島の航空写真が掲載されていた(朝日新聞、24日、13版)。ここでは、半月展望台で撮った八丁出島の写真をアップする(望遠レンズ使用)。

 

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P.S.

午前7時過ぎに第1いろは坂(登り用)に入った。意外なことに、車の流れはスムーズであった。帰りは、二荒橋交差点から迂回経路を走行した。この交差点での渋滞解消の社会実験によるためであった。歌ヶ浜駐車場から第2いろは坂(下り)の入り口まで、約20分を要した(渋滞)。

半月山展望台(20人位まで)では、好みの位置で写真を撮りたい人々が陣取っていたりにて混雑していた。三脚を構え場所を譲らない人もいた。

 

こつなぎの写真ノートから加筆転載(2015年3月、再現像画像のアップロード)。


秩父紅などの福寿草、秩父市吉田・龍勢会館にて、2012年3月

2015-01-08 | 

福寿草(フクジュソウ、キンポウゲ科多年草)には多くの変種がある。園芸種を入れると百種類以上のものが知られているらしい。

江戸初期から正月の飾り花として栽培され、江戸末期には新年を祝う花として人気があった(花の大歳時記、角川書店)。

暖炉たく部屋暖かに福寿草(正岡子規)

 

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落ち葉の中で咲く福寿草の花を見るのも一興である。

道の駅「龍勢会館」(秩父市吉田、県道37号)の裏山では、「秩父紅」と呼ばれる秩父地方の固有種が植栽されている。


秩父紅の植栽地(一部)、龍勢会館にて、2012年3月3日

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秩父紅の花


ところで、福寿草では新葉が伸びきらぬうちに茎頭で大きな花が開く。

この姿はデフォルメを感じさせる。しかし、花の形と色には魅力が満ちている。

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花のクローズアップ

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花が開いてあまり時間が経っていないもの

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秩父紅の他に、在来種なども植栽されている。

黄金色の花

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「福寿草家族のごとくかたまれり」(福田蓼汀)

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撫子ような形の花びらを開いている福寿草もあった。

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これらの福寿草をゆっくりと眺めてから、私達は石間沢口の自生地に向かった。

福寿草は、元日草、報春花、長寿菊、福神草、福つく草などとも呼ばれる。花が黄金色であるためであろう。

秩父紅には、固有の別名があるだろうか。

 

 


自生地の福寿草、秩父市吉田・石間沢口、2012年3月

2015-01-08 | 

福寿草(フクジュソウ)をキンポウゲ科の多年草である。庭で育ててみたいが、自生地あるいは植栽地で、数多くの花を見ることも面白い。昨日(3月3日)、私達は秩父市吉田・石間沢口の自生地に向かった。秩父観光協会吉田支部のホームページで、自生地の福寿草が咲き始めたことを知ったからだ。


自生地は私有地内にある。民家の庭を通って、その地に行く(3月3日午後)。

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入り口の奥にある庭では、福寿草が午後の日差しで元気に輝いていた。

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「自生地にて」

庭に置いてある協力募金箱に協力の意を示し、私達は自生地へと急いだ。自生地は山の北側斜面(麓から、中腹、そして尾根までにおいて、1,000平方メートル)にある。

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山麓の様子、奥のものは自生地の案内板

通路にはロープが張られている。この年は寒さで福寿草の開花が遅れているとのことであった。福寿草が生えている様子を矢印で示す。

 

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山麓での自生地の先にも、福寿草が自生しているとの案内に誘われて、私達はかなり勾配の山道を登った。山道には、立ち入らないようとのロープが張ってある。道はよく整備されているが、靴などについては、山道を歩くつもりで準備をするほうがよいだろう。

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既に、自生地が日陰になっているためか、それとも開花が遅れているためであろうか。大部分の花は閉じていた。福寿草の花は、日差しを受けると開くが、日差しがなくなると閉じる性質を持っている。ところで、福寿草の花びらは萼よりも大きい。花が閉じていると、花びらの裏側と萼の色や形などがよく分かる。萼は花びらを守るマウントのように見える。

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落ち葉を払いのけて、顔を出した福寿草

花が開き切っているものにはない雰囲気、いきいきとした野生感が素晴らしい。

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山腹にて、福寿草は落葉樹林内の日照があるところにに群生していた。

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ロープにさげられていた手書きの呼びかけ、そして福寿草の蕾

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道から離れたところにある群れを、望遠レンズで撮った(焦点距離、200 mm(35 mm換算、320 mm))。

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ところで、石間沢口ではの福寿草は花弁が大きい在来種であるといわれている(吉田支部ホームページから)。

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福寿草群生地の入り口付近の山麓には節分草が群生していた。節分草は石灰岩地質を好む。

秩父地方は石灰岩の宝庫である。

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