ある日、子貢というお弟子さんが、孔子に質問した。
「私が一生涯ずーっと続けて実行しなくてはならない『仁』の心を、一言で教えて下さいと…。」
孔子はすぐさま「ああ、それは『怨』という事だ」と答えられた。
もし貴方が、リーダーや先輩や夫から、貴方の弱点を毎日のようにチェックされ、貴方はダメな人だとばかり言われていたら、ストレス過多になってだんだん参ってしまう。
誰だって欠点や弱点をばかりチェックされたら、やる気を失くして自信が持てなくなるだろう。
子供にいつでも「どうして、そう勉強しないの。塾に行ってもぜんぜんダメなのね」と言っていたら、子供はふて腐れてしまう。
世の中には、考えられないほど勉強嫌いの子供がいる。
そんな時、お母さんが焦る気持ちも分かるが、なるべく悪口は言わない方がいい。
自分が言われて嬉しい言葉を相手にも与え、自分が言われて嫌な事は他人にも言わない。これが怨の心だ。
孔子は続けてこう言っている。
「己れの欲せざる所は、人に施す事なかれ」と。
自分が聞いて嫌な気持ちになる様な言葉は、なるべく人に言わない方がいい。
上司から、お前はダメな奴だと言われ続けていると、いつの間にか自分でも「俺はダメだなあ」と思うようになる。
人間は自分はダメだとコンプレックスを持ったら、万事がうまく行かなくなる。
上司から「君には良い所がある」「君なら大丈夫だ」といつも励まされていたら、不得手な事でも喜んでやってみたくなる。