爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

敬う心を育てる

2022-01-23 23:52:24 | 日記
某学園に勤めた十八年。

今日でも何を有り難かったと思うのかと言うと、私の様な浅学な教師でも、どの生徒も礼を尽くし、敬ってくれたという事実である。

教師生活をして、あれ程優秀な生徒から、慕われ敬して頂くと、その尊敬に適当する自分になろうとして、自分もよく学問をしたし、修行もさせて頂けた。

もし生徒からバカにされ、無礼に扱われたら、今日の私はない。

生徒に礼を尽くされたのは、何も私だけではない。

どの先生に対しても、生徒は礼儀正しかった。

だからどの先生にも、情熱があった。

「之を斎うるに礼を以てす」で、学園はいつも明るく、楽しかった。

大変悲しい事だが、今日では生徒が先生に礼を尽くすどころか、校内暴力という風潮に煽られて、中学生や高校生が先生に暴力を振るい、生徒が先生を殺す事件まで起こった。

先生の指導が適当かどうかを、チェックする学校もある。

先生と生徒の集団をまとめるのに、「敬」の礼儀がいかに大切であるかを、すっかり忘れてしまった。

「之を斎うるに礼を以てす」は、為政篇にある孔子の貴重な言葉である。

「之」とは国でもいいし、家庭でもよい。

おおよそ、少しでも人が集まって、仲良く和して生活するには「礼儀」というものを、しっかりと教えておかなくてはならない。

平和で明るい生活を育てたいなら、まずは礼というものを大切にする様に…。

これが孔子の重要な人間学である。

そして、礼儀の心は人を尊敬する処から、育てられる。

敬と礼の心をうまく育てる事が出来れば、人間らしさが復活するだろう。