地震のあった卒業式の次の日は公立高校の合格発表だった。
僕は、友達のけんちゃんと自転車で合格発表を見に行った。
けんちゃんは落ちていたら泡をはいて倒れるかもなんて言っていた。
この頃の僕は変で、全く緊張してなかった。
倍率も限りなく一倍に近く、落ちる人は珍しかった。発表は掲示板に、受験番号ではなく、名前が書いてあり、それを紙か何かが覆っていたと思う。
紙がはがされると、すぐ、けんちゃんの名前を見つけた。
その前に僕の名前があるはずだったが、代わりに僕の前で受験した関本くんの名前があった。
何が起こっているのか、わからなくなった。
家に電話をすると、親は信じてくれなかった。
学校へ向かうと、みんなが避けているように思えた。
廊下ですれ違った先生達まで、目を合わせないのには閉口した。
教室に行くと、みんな静かになった。
担任がやって来て、落ちた三人の名前が呼ばれ、進路指導室へ行くように言われた。
僕は、筆箱を教室に忘れたのでとりに戻ろうとしたが、笑い声と拍手が起こっていて、筆箱は諦めることにした。
私立高校を受験してなかった僕は、生まれて初めて、先の見えない人生に焦りを感じた。
次回へ続く…
僕は、友達のけんちゃんと自転車で合格発表を見に行った。
けんちゃんは落ちていたら泡をはいて倒れるかもなんて言っていた。
この頃の僕は変で、全く緊張してなかった。
倍率も限りなく一倍に近く、落ちる人は珍しかった。発表は掲示板に、受験番号ではなく、名前が書いてあり、それを紙か何かが覆っていたと思う。
紙がはがされると、すぐ、けんちゃんの名前を見つけた。
その前に僕の名前があるはずだったが、代わりに僕の前で受験した関本くんの名前があった。
何が起こっているのか、わからなくなった。
家に電話をすると、親は信じてくれなかった。
学校へ向かうと、みんなが避けているように思えた。
廊下ですれ違った先生達まで、目を合わせないのには閉口した。
教室に行くと、みんな静かになった。
担任がやって来て、落ちた三人の名前が呼ばれ、進路指導室へ行くように言われた。
僕は、筆箱を教室に忘れたのでとりに戻ろうとしたが、笑い声と拍手が起こっていて、筆箱は諦めることにした。
私立高校を受験してなかった僕は、生まれて初めて、先の見えない人生に焦りを感じた。
次回へ続く…