昔の生徒

今朝、うとうとしていると、夢に、知っている顔が登場した。
いくら思い出そうとしても、それが、友達なのか、卒業生なのか、芸能人なのかわからない。
諦めて、ご飯を食べていると、突然、彼が誰であるかがわかった。
十五年前の生徒だ。彼が卒業して、十五年彼を見かけたことはない。
ほとんどの生徒とは一期一会で、その後、どういう人生を歩んでいるのかわからないことが多い。
彼も30歳になっているはずだ。名前、性格、当時の様子がよみがえってきた。周りの生徒もよみがえる。
昔、教えた生徒に会ってみたい気持ちはある。
でも、会いたくない気持ちが強い。
話し込んだ生徒ほど、会いたくない。
GWに結局、実家に帰らず、親が元気かどうかもわからない。
電話して、元気かどうか尋ねる勇気がないのだ。
何故、こんな性格になったのかわからない。
同窓会も嫌いで、一度しか行ったことがない。
親戚付き合いは一番苦手で、無口になってしまう。
たまに、友達を見かけて、老けてしまっていると、たまらなく悲しくなってしまう。
人生の短さを感じてしまう。
生徒もそうなのかもしれない。昔のままの生徒であって欲しいのだ。
顔が変わり、大人になっていると、人生の儚さを感じてしまうのかもしれない。
すべての理由がそうでないにせよ、建物も風景も人も永遠であればよいのに。

彼が夢に出てきて、そんなことを考えた日だった。