学校や地域で取り組む防災教育を顕彰する「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」の受賞校・団体が決まり、中学校の部で印南中が最優秀賞のぼうさい大賞に選ばれた。同校はこれまで優秀賞や奨励賞などで9回入賞しているが10回目となる入賞で念願のぼうさい大賞を受賞した。表彰式は新型コロナウイルス対策で取り止め、後日、特設ウェブサイトで受賞校(団体)の活動内容が紹介される。
今回は小学生、中学生、高校生、大学生、特別支援学校・団体の5部門に全国から144校(団体)が応募。今年は新型コロナウイルスの感染症対策の取り組みも考慮した特別企画として行い、選考委員会(河田恵昭委員長=人と防災未来センター長)が選考し、最優秀賞の「ぼうさい大賞」5校(うち1校がグランプリ)、優秀賞5、奨励賞9、「だいじょうぶ賞」など特別賞に39の合わせて58校(団体)が選ばれた。
印南中では近い将来高い確率で発生すると言われる南海地震に備え、平成17年度から印南湾における津波の挙動をテーマに、3年生有志でつくる津波研究班が学習の取り組みを始め、4年前からは3年生全員での取り組みとなり、小学校で児童に楽しみながら学ぶ「たのしく学ぼうぼうさいおすそわけ講座」を開くなど活動を広げている。
今年は「避難所生活」をテーマに取り組み、3年生36人が10月に近い将来高い確率で起こるとされる南海トラフ巨大地震、発生する津波への理解を深め、避難する際の対応について考えるとともに宿泊を伴う避難所運営を体験することで避難所での問題点や改善点を考えようと印南避難センターに宿泊しての防災キャンプを実施。昼間と夜間の2回、高台にある印南避難センターへ避難する実践訓練したほか、同センターで避難所のルールを決める「本部」、移住スペースや洗濯物干し場などレイアウトを考える「貼り紙・レイアウト班」、食事を準備する「調理班」などにに分かれて避難所運営に取り組んだ。災害時の避難所をより実践的に行うため断水を想定して一人1・5リットル(ペットボトル水)で食事作りに使う水から飲料用までをまかない、新型コロナウイルス対策として男子はセンター前の芝生に一人用テントを設営し宿泊した。
同校はこれまで優秀賞2回、奨励賞4回、特別賞の「継続こそ力賞」2回、「津波ぼうさい賞」1回を受賞、今回10回目の入賞で念願の最高賞となるぼうさい大賞受賞に、取り組み当初から生徒の指導にあたっている同校講師の阪本尚生さん(65)は「今までの取り組みが評価されたのだと思う。感慨深いものがある」と喜び、3年生担任の笹野覚、芝光世両教諭は「コロナ禍の厳しい状況の中、生徒は真面目によく取り組んだ。体験を通して様々な課題も見えた。今後、それを町に提言するなどして改善していければと思う」と話している。
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