認知症本人も参画した協議体会議で大使創設承認
認知症支援施策で全国トップランナーの御坊市が、新たに市長任命の「あがらの総活躍希望大使」を創設する。認知症本人がいきいきと暮らしている姿を発信することで地域に元気や希望を届け、誰もが活躍できるまちづくりをめざす。来年2月に第1号の大使を任命し、当面は6地区ごとに1人の任命を目標にしている。国が「認知症本人大使・希望大使」として5人を任命し、都道府県に推奨。静岡県と香川県が任命しているが、市町村単位では御坊市が全国初だという。
昨年、政府がとりまとめた認知症施策推進大綱で認知症本人が認知症になっても希望を持って前向きに暮らす姿を積極的に発信する「認知症本人大使・希望大使」を創設。厚生労働省が5人の大使を任命し、国が行う認知症の普及啓発活動等に参加。都道府県単位での任命を推奨し、静岡、香川両県が任命済み。都道府県単位となると活動範囲が広く、本人の負担も大きいと予想されるため、御坊市が全国に先駆けて市町村単位で任命することにし、17日に開いた医師や介護事業所、認知症本人らで構成する認知症施策推進協議体会議で承認を得た。
御坊市は認知症本人の視点に立った「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を全国で初めて制定するなど「総活躍のまちづくり」を推進しており、大使の名称を「あがらの総活躍希望大使」と決めた。選考方法は介護事業所等に推薦を依頼し、介護福祉課で候補者を調整したあと、同協議体の承認を経て市長が任命する。第1号として来年2月に1人または複数人をを任命する予定。
市内では認知症本人がNHK厚生文化事業団の「認知症とともに生きるまち大賞」表彰状を筆耕したり、小学校での「ごぼう総活躍のまち講座」でハーモニカ演奏を披露するなど得意分野を生かした活動を行っており、介護福祉課は「認知症になっても希望を持って日々暮らしている姿を発信し、見ていただくことで地域に勇気や希望を届けられたら」と話す。アドバイザーの専門家も「認知症の人も周りの人も一緒に楽しく活動できる場面を増やしてほしい」と期待を込めた。
今年度末に基本計画策定
条例具現化、先入観払拭へ
同協議体会議では、市が全国に先駆けて今年度末に策定する認知症施策推進基本計画素案を説明した。今後、認知症本人や関係者にヒアリングし、来年2月ごろに同協議体に最終案を提示する。
総活躍のまち条例を具現化するアクションプランをまとめたもので(1)認知症や認知症の人への先入観の払拭(2)本人を起点とした地域協働による「よりよい暮らし」の実現(3)さまざまなバリアフリー解消-など7項目を柱に掲げている。
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