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日高川町 国内トップの大和歯車新工場竣工 航空機ギアの一貫製造可能に 〈2020年12月3日〉

2020年12月03日 08時30分00秒 | 記事

 日本一の航空機ギア生産を誇る日高川町平川の大和歯車製作(株)=津井克巳・代表取締役社長、本社・東大阪市=が、約16億5000万円を投じて同地の和歌山工場に建設を進めていた第3工場が完成し、4日午前11時から竣工式が行われる。新工場の完成で航空機ギア生産に必要な熱処理と銅メッキが可能となり、これまで外注に頼っていた工程も自社工場で可能となり、航空機ギアが一貫製造で生産される。

 工作機械などの精密歯車の設計と製造を行う同社は、平成4年に日高川町平川の企業団地に和歌山工場を進出。3万5635平方メートルの敷地に、延床面積5900平方メートルの第1工場を設けて操業を開始した。平成27年には、航空機などの第3分野に本格参入を図って事業拡大を進めようと、第1工場東側に約17億円を投じて第2工場を新設。一部2階建ての工場に最先端の歯車研削盤やNC旋盤などを導入し、製品の焼き入れ研究施設を併設して航空機や工作機械向けの小型歯車を中心に生産しており、日本一の航空機ギア工場となった。
 同社では、今後の成長が見込まれる航空機事業の顧客ニーズに対応できる製造体制の強化に向け、高精度の各種歯車設計や製作、関連部品の製作と組み立てなどを行う新たな機械設備を導入し、生産能力の増強を図ろうと第3工場の建設を計画。昨年春に県、町と協定を締結し、昨年10月に着工した。新工場は、第1工場と第2工場の駐車場付近に延べ床面積2644平方メートルの工場を増設。これまでは外注に頼っていた航空機ギア製造の特殊工程となる熱処理と銅メッキの工程を可能にする設備を整え、完全な和歌山工場産のギアが製造される。
 新規雇用は3年間で正社員20人を見込んでおり、松廣正樹・和歌山工場長は「新工場の建設が順調に進んで竣工を迎えられた。新工場の素晴らしさを生かしてさらに航空機ギアの生産を前進させたい」と話した。
竣工式には津井社長ら同社関係者、町から久留米啓史町長、県から中村一人・日高振興局長らと施工業者約60人が出席してテープカットや見学会で完成を祝う。


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