国指定無形民俗文化財登録をめざす御坊祭(写真は昨年の本祭)
御坊市教育委員会が平成年度から実施している御坊祭民俗文化財調査事業は、今年度で終わり、来年夏ごろに調査報告書を刊行する。調査項目が多いことなどから事業期間を当初の2カ年から3カ年に延長。「御坊祭は地域の財産」と位置づけ、文化庁や県教育委員会指導のもと、全国から各分野の専門家人が集まり、総合的かつ詳細な学術調査を行っており、報告書をもとに近い将来の国指定無形民俗文化財登録をめざす。
御坊祭(小竹八幡神社秋季例祭)は、国記録選択芸能で県無形民俗文化財の戯瓢踊、県無形民俗文化財の御坊下組の雀踊をはじめ、四つ太鼓、獅子舞、奴踊などが行われる日高地方最大の秋祭り。
市教委は文化庁事業を活用して平成年度から年度にかけて御坊祭及びその奉納踊映像記録作成事業などを行い、映像資料を記録整理し、御坊祭ガイドブックを刊行。これらの調査で多彩な奉納芸能や小竹八幡神社の氏子組織、祭礼様式などが都市型祭礼の様相を示す典型例であることなどが明らかになった。
映像資料の記録整理は終わったが、御坊祭の歴史を含めた詳細な文化財調査が不十分だったことから文化庁や県教委の指導のもと、戯瓢踊の記録作成や御坊祭の歴史や芸能、行事など総合学術調査を行うため、平成年度に地元や全国から民俗学、郷土史、音楽学、歴史学、工芸・刺しゅうの専門家人が集まり、御坊祭民俗文化財調査委員会(委員長・吉川壽洋県文化財保護審議委員会委員長)を設置した。
委員や市教委職員が、各組や個人で所有する祭礼関係の古文書調査や資料収集▽屋台、四つ太鼓の実測図面作成、構造の特徴▽奴や先奴、乗り子、戯瓢踊、鬼の衣装の形状や素材の特徴、変遷▽祭礼踊りの伝播、狂言囃子物と戯瓢踊、元禄期の歌舞伎踊と奴踊▽獅子舞の囃子、道中囃子▽周辺の祭りでの出し物ごとの分布などの調査を続けた。
平成年、令和元年の御坊祭、周辺の森祭、塩屋祭、土生祭、吉原祭、印南祭なども視察。追加調査で今年の祭りも視察予定だったが、新型コロナで余興が中止されたため、各組を個別に回り、祭礼道具の写真撮影等を行っているほか、報告書の執筆、編集作業も進めている。
報告書は序章、第1章~7章、資料編を予定。祭礼の特徴や変遷、組織、行事、芸能と音楽、祭礼道具、染織、御坊周辺の祭礼文化等をまとめ、300部刊行予定。事業費は3年間で約800万円。報告書は来年夏ごろに刊行し、それをもとに国指定無形民俗文化財登録をめざす。
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