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美浜町が管内初、地域調和で太陽光発電条例制定へ 〈2024年11月22日〉

2024年11月22日 08時30分00秒 | 記事


議会全協で条例案の概要説明


 全国的に住民トラブルなど問題が発生している太陽光発電事業に関し、美浜町は同事業と地域との調和、自然環境の維持を図ることを目的とした独自の条例案を12月定例議会に提案し、来年4月施行を目指している。町への届け出、説明会の開催、隣接者の同意書を義務付けるほか、事業禁止区域や抑制区域を定め、条例に反した場合等は指導や勧告、命令を行えるようにする。県下では8市町が条例を制定しており、日高地方は美浜町が初めて。

 20日に開いた議会全員協議会で、12月定例議会に提案する「太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例案」の概要を説明。全国的に山林や急傾斜地を開発した太陽光発電施設が増加したことで防災上の問題が生じたり、住民が居住する周辺に設置されることでトラブルが発生する事例が増えていることから「地域との調和、自然環境の維持」を図ることを目的に独自の条例をつくる。
 条例の適用範囲は町内に設置されるまたは設置されている太陽光発電設備で、土地の上に設置されるものは発電規模の大小に関わらず、すべて対象(建物や照明、案内板等に設置されているものは除く)。事業禁止区域には土砂災害特別警戒区域、砂防指定地、保安林を設定。抑制区域には土砂災害警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域、県立自然公園区域、国登録・県指定・町指定文化財が所在する区域、農用地区域(第1種農地等)などを設定する。
 許可制ではなく、届け出制の条例で、事業者は町と事前協議を行うこと▼地域住民等に対し、説明会を開催すること。説明会を行う20日前までに周知すること▼事業区域の敷地境界に隣接する土地所有者等から同意書を得ること▼工事着手の60日前までに同意書を添えて町に届けること▼事業終了後の措置(設備の撤去、廃棄物の適正処理、費用の確保)を行うこと――などを義務付ける。
 町職員の立ち入り検査や事業の適正な実施のための指導、助言を行える条文を盛り込むほか、指導に正当な理由なく従わないときや必要な届け出・報告等を行わないときなどは事業の停止、設備の除去、違反を是正するための措置について命令を行うことができるとする。命令に従わないときは氏名、住所等を公表できるようにし、その内容は国、県に報告する。
 抑制区域は事業者に協力を求めるお願いベースだったり、勧告や命令には法的効力がないなど万全なものではないが、条例で一定程度規制の網をかけることで無秩序な事業を抑止、抑制できると期待している。議員から条例施行後、施行前の事業にも適用できるかとの質問に執行部は「事業が動いているものに遡及させるのは困難」と答えた。
 町内で再エネ特措法に基づく認定件数は9月末現在で163件(50キロワット未満162、同以上1)、未完成未供用認定件数2件。町内での最終認定日は令和2年2月。


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