イ・ジュンギ‘パズルゲームを楽しむように絶えず悩んで撮影した’
tvN新・水木ドラマ『悪の花』で2年ぶりにカムバック
先日俳優イ・ジュンギの所属会社ナムアクターズのキム・ジョンド代表にあったことがある。
ナムアクターズは数多くのトップ俳優を抱える国内でも代表的なエンターテインメント会社だ。
「所属俳優の中で最もアーティスティックな面が強い俳優は誰か」という記者の質問に
キム代表は一瞬の迷いもなくイ・ジュンギを挙げた。多方面に気が多い‘Born To Be Artist’ということだ。
2004年 映画『ホテルビーナス』でデビューした彼は 翌年2005年イ・ジュニク監督の『王の男』の‘コンギル’役で
一気にスターダムに上がった。女性より美しい男という修飾語で映画界に突風を巻き起こし その年最もホットな俳優になった。
その後『犬とオオカミの時間』『一枝梅』『アラン使道伝』『朝鮮ガンマン』『夜を歩く士』『月の恋人~歩歩驚情・麗』
『クリミナル・マインド』『無法弁護士』等に出演するなど歴史劇と時代劇、現代劇を自由自在に消化して存在感を知らせた。
彼が久しぶりにカムバックした。tvNドラマ『無法弁護士』(2018)以来2年ぶりだ。
彼が選んだtvNの新・水木ドラマ『悪の花』は愛までも演じる男ペク・ヒソン(イ・ジュンギ)と
彼の実態を疑い始めた妻チャ・ジウォン(ムン・チェウォン)、顔を背けたい真実の前に向かい合った二人の高密度感性追跡劇だ。
“14年間愛してきた夫が連続殺人鬼だと疑ったら?”という破格的な投げかけで始まる物語はベールに包まれた人物、
予測できない事件の展開、手に汗握る追跡劇を盛り込んでいる。
何より信頼と疑心の間で刻一刻と変化する人物の感情と選択の分かれ道を予告、
切ない恋愛とミステリーサスペンスを行き来するストーリーで視聴者をいっそう没入させる。
劇中イ・ジュンギは家庭的な夫であり、愛情たっぷりの父親だが 誰にも知られたくない過去を持つ男‘ペク・ヒソン’に扮する。
ドラマ『自白』『空港へ行く道』でジャンルを問わない名品演出を立証したキム・チョルギュ監督と
しっかりした筆力で予測できないストーリーを描き出すユ・ジョンヒ作家の出会いが加わって相乗効果を発揮する。
いわゆる作家・監督・俳優の三角形をしっかり満たす高い完成度を期待させる。
演出を担ったキム・チョルギュPDは「『悪の花』はミステリーとサスペンスの見た目をした恋愛ドラマ」だと明瞭に作品を紹介した。
続けて「ミステリーと恋愛という相反するジャンルが実にピンと張りつめ対抗しながらも妙に調和を作り出す物語だ。
衝撃的な事件と緊張感あふれる状況が相次いで起こり 主人公たちは事件の真実を息ぜわしく追いかける。
だが一歩下がって物語を眺めると結局人物が愛を回復して完成していく叙事構造を帯びる」と説明した。
先日行われた『悪の花』のオンライン制作発表会でイ・ジュンギに出会った。
久しぶりの復帰だ。
「作品で言ったら2年ぶりだ。たくさんドキドキしたしプレッシャーもある。この作品は初めて台本をもらった時から簡単ではないと思った。
俳優として難しい挑戦を迎える時 どういう姿勢で作品に臨み、パズルのような物語をどうやって合わせて完成させて行けるのかを考えた。
最初からいままで絶えず悩んで撮影している。同時にこういうパズルゲームを楽しんでもいる。
視聴者の皆さんにも一つの人間群像のパズルとして愛、信頼、裏切りの多様な物語を楽しんでいただけたらよい」
この作品を選んだ理由は?
「新しい試みが良かった。それだけに簡単なシーンがない。ある家庭の仮想としての姿と夫婦の愛、同時に殺人鬼としての姿も見せ、
残酷な過去を経てきて今を守ろうとする激しさ、真実を隠そうとする人間の執拗さなど極端な面をどう演じたらよく表現できるのか
挑戦のように感じられた。私がこういう役をやり遂げられる器の俳優なのかということについても悩んだ。
だがムン・チェウォンさんが魅力的な‘ペク・ヒソン’のキャラクターに挑戦してみるだけのことはあると勇気をくれたし、
何よりも監督と話を交わしてますますパズル合わせのようなこの配役を楽しむことになった」
ムン・チェウォンとは2回目の共演だ(二人は2017年にtvNドラマ『クリミナル・マインド』で共演したことがある。そして今回のドラマで夫婦役で再会した) 。
「『クリミナル・マインド』の時は私とチェウォンさんのどちらもプロファイラーという職業の中でチームメンバーとして出会った。
当時 能力があって美しい俳優と事件だけ解決するには消耗的だという気がしたし、その時間が他の見方をすれば惜しいと思った。
1歳でも若い時にチェウォンさんと恋愛をしてみたかったが 今回夢が叶って嬉しい」
これについてムン・チェウォンはイ・ジュンギと再会した所感について 学生時代に彼のファンだったと告白した。
彼女は「高校生の時 韓国映画がブームだった。学校が終わると映画を見て俳優の夢を育てたが
その時映画『王の男』が封切られて韓国映画のレベルを引き上げた。その映画を見てイ・ジュンギさんのファンになった」と打ち明けた。
それと共に「3年前に作品で共演した時も人のことはわからないと思ったが、初めて演じる夫婦役をイ・ジュンギさんと演じることになった。
惜しまず呼吸を合わせている」と答えた。
難しい点はないか?
「私の姿が放送でどう描かれるのか想像できない。だから新鮮だと思う。他の俳優の姿もやはり台本と異なるようでドキドキする。
俳優なら作品ごとに自分のコピーなどに対する恐れがある。どうしてもいろんな作品に出れば
でも、そんなことを忘れて新しいキャラクターに没頭するために努力している。現場に溶け込めるよう丹念に準備している。
とても冷静に見ずに楽しんで下さったらよい(笑)」
『悪の花』観点ポイント
1.変身の花-イ・ジュンギ×ムン・チェウォン×チャン・ヒジン×ソ・ヒョヌの新しい演技の力
『悪の花』を率いる俳優はこれまでとは異なる演技の力を咲かせる。まずイ・ジュンギとムン・チェウォンが愛らしい娘を持つ夫婦に変身して目を引く。
14年の間愛し合ってきたペク・ヒソンとチャ・ジウォンを通じて これまで見せたことのない恋愛演技を予告する。
また妻と娘に向けた愛情たっぷりな微笑みと その中に隠した鋭い刃で冷温の温度差を見せるイ・ジュンギ、
鋭い勘を持った強力係の刑事と 家族の前では武装解除したあどけない妻を行き来するムン・チェウォンの反転魅力もやはり注目ポイントだ。
続いて残酷な真実に一人で耐えてきた女性ト・ヘス役を演じるチャン・ヒジンはか弱いビジュアルの中
これまで見せたことのない危うい雰囲気でイメージ変身に出る。ソ・ヒョヌは特ダネを追うが内面に人間的な葛藤がある記者キム・ムジンに扮して
誰かと鋭い対立を引き起こして緊張感を形成し 時にはずうずうじさで愉快な部分を炸裂させる緩急自在に操る人物として活躍する。
2.追跡の花-心臓がキリキリ!予測できない独創的な展開
仲むつまじい家庭と犯罪現場、犯人を追う強力係の刑事と容疑者として疑われる夫。この皮肉な対比だけでも心臓をキリキリさせる。
また劇中チャ・ジウォンをはじめとする強力係の刑事が暴く多様な事件を通じて いっそう劇を豊かにさせるのはもちろん
息ぜわしくて迫力あふれる面白みを増す。その中で特ダネを掴もうとするキム・ムジンをはじめ猜疑心を呼び起こす人物の登場、
ミステリアスな手がかりを通じて事件はよりいっそう予測できない状態に伸びていく予定だ。
これだけでなく劇が展開すればするほどインパクトのある人物が次々登場して緊張感を最大化、
少しの油断もできない独創的な追跡劇が繰り広げられる。
3.恋愛の花-ハラハラするサスペンスの中の切なさ
演出を担ったキム・チョルギュ監督とイ・ジュンギ、ムン・チェウォンがみな口を揃えて‘恋愛’をキーポイントに挙げる。
これに最も互いを信じて最も愛した二つの夫婦の間の信頼と真実、その中で咲いた疑いと嘘に関する物語である『悪の花』は
愛の本質についてもう少し近づいて密度の高い感性で視聴者をどっぶりハマらせる予定だ。
一瞬も緊張をゆるめることのできない夫婦ペク・ヒソンとチャ・ジウォンの真実追跡劇の中
切ない恋愛とハラハラするサスペンスがどんな方向に流れることになるのか好奇心がこみ上げている。