門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

ハラビロカマキリの捕食〜2017.08.12〜

2017年10月11日 | 生物

 我が家の基本は「生きているものは観察が終わればその日のうちに元の場所に放すこと」でして、いただき物のカブトムシを例外として生物(ナマモノ)を飼うことはなかったのですが、今年になってとうとうその大原則が覆されてしまいました。理由は単純、餌に何をやればいいのか子ども達が理解し(てしまっ)たから。それまでは虫好きな息子その2が図鑑で虫の育て方を調べては「無理だ〜」と諦めていたのです。

 ある日のこと、採集した虫の種類よりカゴの方が少なく、仕方がないので草食(何種類かの蝶、バッタ)と昆虫食(トンボ、カマキリ)に分けて入れた子ども達。そうしたら家に帰りつくまでのわずかな間にトンボは食べられていました。

「「「捕まえた虫を食べさせればいいんだ!」」」

 この日を境にカマキリは増える、その分捕まえる虫も増える、まことに忙しい毎日を送っております。最盛期には1日20匹以上餌が必要だったため、帰宅後の空いた時間はほぼ虫取りに費やされていました。餌は自分たちで調達しろと言ってあるので勝手に採りにいかせたいところですが、夢中になるあまり人様の畑やお庭に立ち入ると困るのである程度は見張らなければなりません・・・正直かなり面倒くさいです。

「「「カマキリってかっこいい!!」」」

 うん、くらげびともそう思います。けれど。虫のバラバラ死体が玄関に散乱するのは許せません、女性陣に怒られます。なのでカマキリを飼うための追加条件。「息子その2が中心になって、飼育場所付近に散らばった虫の残骸は集めて土に返すこと」。言わなきゃやらないものの、今のところ条件は守られています。

↑飼い始めて間もない頃(2017.08.12)の捕食の様子。トンボVSカマキリは子ども達にとって一大イベントらしく、写真に撮ってと何回も言われました。


化石クリーニング〜瑞浪層群の化石〜

2017年10月10日 | 古生物学・地学

  写真は息子その1が砂岩状の母岩から化石を取り出そうとしているところです。以前別産地のコノドント※1(と息子が信じていた)化石をリューター※で粉々にしてからというもの、息子の手法は一貫して「石を割る」→「カッターで削り出す」→「ピックや爪楊枝で細かいところをきれいにする」→「2倍に薄めた木工用ボンドで表面を保護する※」です。瑞浪層群戸狩層が砂岩だからこそできる方法です。カッター削り出し以降はくらげびとより上手なので安心してみていられるものの、、、石を割るところだけは何回見ても心臓に悪いです。いきなりハンマーで母岩をたたき割ろうとする、タガネの位置が目当ての化石に近すぎる、と、とにかく荒い!目当ての化石はなんとか無事なものの、ひどい時には他の化石はほぼ全滅です。

「目当ての化石は大丈夫なんだから、いいじゃん。」

「ダメ!死骸すべてが化石になるわけじゃないのは知ってるよね?一説によると動物の骨で確率10億分の1。今日本に生きてる人間全員の骨のうち、化石になれるのはたった0.1人分の骨しかないんだよ←(本の受け売り※)!もっと化石を大事にしなさい。」

「ふーん。。。」

あ、ダメだ、伝わってない。「壊した中にもっといい化石が入っていたかもしれないよ」とか、即物的な言い方じゃないとダメ?技術や知識だけでなく、倫理観というか、心構えというか、そっちも育って欲しいんだけどな。。。

 

 

 

 カンブリア〜三畳紀の海で生きていた生物。conodontはラテン語で「円錐状の歯」という意味で、1㎜ほどの「歯」の部分のみ見つかることがほとんどのため微化石として扱われる。

 削り出し用や磨き用など先端パーツを取り替えられる電動工具の一種。

 「塗布物の変色や変性でかえって化石が傷むこともありますし、(瑞浪産の)化石自体そう脆いものでもないので、ボンドなどでの補強は通常いりません。」とご指導いただいているが、学校へ課題として提出展示することもあり、保護しておかないとかなりの割合で破損するため、息子にとっては気に入った標本には必須の措置。

 左巻健男編著「面白くて眠れなくなる地学」27. December 2012 (株)PHPエディターズ・グループ発行


群馬サファリパーク〜2017.08.10〜

2017年10月09日 | 博物館

 息子その3のリクエストにより群馬サファリパークへ行きました。餌やり体験バスに乗る!とねだられ、時間調整のために料金箱に入場料をチャリリーンと入れてバードパークに入ります。バードパークなのにリスザルとかアカカンガルー、レッサーパンダなんかがいます。カピバラもいます。たまたま餌やりの時間で、親切な飼育員さんの許可をもらって笹をカピバラの近くへ置いてみると、もりもり食べてくれます。

「もともとおとなしい子たちだけど食べている時ならますます逃げないから撫でてもいいですよ〜」

と言っていただき、さっそく触ってみると、見た目どおりゴワゴワした毛並みです。息子その2はもう少しつるっとした手触りを想像していたようで「パサパサしてる!」と驚きの表情。この反応、新鮮でいいなあ。

 フライングショーにも微妙に早い時間帯だったのですが、ルリコンゴウインコの訓練に参加できたので、ショーさながらのパフォーマンスを楽しめ、かえって良かったです。(インコと握手までしちゃいました。爪はやっぱり鋭いです。)

 そうこうしているうちに餌やり体験バスの時間です。草と鶏肉の2種類の餌が人数分用意されています。子どもたちは説明そっちのけで餌やりに夢中。。。ちゃんと聞こうよ。でも『スマトラゾウが国内で飼育展示されているのはここだけ』というのは耳に入っていたらしく、スマトラゾウのエリアでは車窓に釘付けでした。全部バスで回るのかと思っていたらウォーキングサファリゾーンというのがあり、トイレ休憩を兼ねて一部歩き回れるようになっています。ここでも鹿せんべいや肉を買わされてしまい、餌やりが増えた子どもたちはホクホク顔。まあ、そのために来てるからいいんですけどね。サファリはもういいと言っていた息子その1もそれなりに楽しんでいる様子です。

    ↑皆様窓にかぶりつき!スマトラゾウが撮れないです。

 で、何が一番印象に残った?

「ルリコンゴウインコと餌やりバスに寄ってきた怪我したライオン。覇権争いに敗れたから餌になかなかありつけなくて、バスに近付いてくるのかな〜と。お腹いっぱいなら木陰で休んでるよね。他のオスみたいに。」

「カピバラ。毛が意外と硬いよね。ホウキみたいだよね。」

「フラミンゴ!ピンク!」

・・・年齢に応じてそれぞれ楽しんだようです。ほとんどバードゾーンの感想ですけどね。スマトラゾウ、もっといい写真が撮りたかったなあ。そして毎度のことながら全エリアは制覇できなかったです。観光案内などにある見学の見込時間って、くらげびと一家に限っては、ほんとうに短すぎます。皆様どうやって回られているのでしょうか。。。

                   

 

参考:群馬サファリパーク


ソバナ〜2017.08.10 群馬県渋川市伊香保町伊香保〜

2017年10月08日 | グルメ

 朝散歩していたらソバナを見つけました。蕎麦菜あるいは岨菜と表記するようで、キキョウ科ツリガネニンジン属、学名はAdenophora remotiflora です。花の姿も好みなのですが、この植物は食用になるそうです。ギボシのような食感かしらん?と思うもののギボシもくらげびとは食べたことがないのでした。機会があったらぜひ食してみたいです。

 


群馬県立自然史博物館〜2017.08.09〜

2017年10月05日 | 博物館

 息子その1の希望で群馬県立自然史博物館へ。ここにはトリケラトプスの産状化石や群馬産のスピノサウルス類の歯があるのです。

        

 無料のガイドツアーがあったのでさっそくお願いしました。まずは回廊からです。現代からスタートしてどんどん時間を遡っていきます。ホールに出るとまずは鉄隕石からストロマトライトを経て古生代の展示で、バージェス動物群のジオラマの前では脊椎動物の祖先探しを。自然系の博物館に何度もお邪魔しているせいか一番幼い息子その3でもピカイアは認識しており、すぐに見つけられてご機嫌です(もっとも、直接の脊椎動物の祖先候補は澄江動物群の中に別にあるらしいですが。。。)。お待ちかねの恐竜コーナーではカマラサウルスの後脚に肉食恐竜に襲われた痕?が残っていたり、ティランノサウルスの復元模型(ここのは上の歯はむき出しでした)があったり。ティランノサウルスの鳴き声も聞けたそうなのですが、回っている時には気付かず、残念なことをしました。トリケラトプスの産状化石にはもっと近づけると思っていたらしく、「見えない〜!!」と息子その3が騒いでおります。群馬産化石のコーナーでは息子その1、質問したそうでしたがそのまま終了。。。訊きたいなら訊けよ!と口出ししたくなるのをぐっとこらえ、ひたすら子どもにおつきあいです。子どもたちの興味は恐竜、昆虫や植物、動物に魚、などバラバラなのですが、それぞれがお気に入りのコーナーを見つけて入り浸っておりました。剥製とか骨とか、直接触れるものが多くて大喜びです。

 慌ただしく子どもたちを追いかけていた中でくらげびとが個人的に印象に残ったのはオオツノジカの角とその鑑定書レプリカ(江戸時代)でした。鑑定書は発見された上黒岩産のオオツノジカについて絵図に計測値などが書き込まれたもので、「鹿の角らしくはあるが詳細わからず。後世の研究を待つ」旨の記載があるそうな。オオツノジカの角に当時携わった方の思いが込められ、また、それが200年もたって博物館で展示されているというのが、うまく言えませんが、自然に対する敬意が現れているような気がして感動してしまいました。

 

参考:群馬県立自然史博物館