日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

1月の奈良スクーリング その2 附属高甲子園初出場など 奈良大の未来は明るい

2015-02-22 21:54:20 | 大学通信 スクーリング
前回の続きです。スクーリング二日目の放課後は、ちょっとお知り合いになった数人の女性の方々(現役世代の方も含む)と帰りに近鉄奈良の喫茶店でお茶を飲んだりしてきました。私のように2年であわてて卒業するような人はおらず、優雅でうらやましいとつくづく思った次第です。

私はその後、大神神社の摂社である率川(いさがわ)神社に向かいました。毎年6月17日に行われる世にも美しい三枝祭(さいくさのまつり)が行われる神社です。私も去年知ったのですが、ササユリの花をかざして巫女さんたちが舞いを舞ったり、美しい女性たちの行列が行われたりする優雅なお祭りのようです。なぜ大神神社の・・・?という所も私の興味を引いています。春日大社よりも古い神社であり、奈良市で一番古い神社と言われています・・・少し勉強不足なので今日は軽く流します。

率川神社に着いたころには外は暗くなって、雨もそぼ降る状況でした。率川神社の境内はとてもこじんまりとしていて、明かりの灯っている建物がありましたが、内部に入れるような構造ではありませんでした。工事中だとか?



三枝祭がどんなお祭りかは例えば以下のリンクなどを参照してください。
http://www5.kcn.ne.jp/~book-h/mm058.html

大きな通りに面してはいますが、境内は誰もいなくて静かで、いい雰囲気を感じました。
6月17日のお祭りをいつか見に来たいものです。

スクーリング最終日、三日目の朝は、すべての荷物を持ってホテルをチェックアウトして、という形になります。しかし、せっかくだからまだ行ったことのない春日大社に行きたい!と強い意志をもって、早朝に起きて早めにチェックアウト、近鉄奈良駅のコインロッカーに荷物を預けて、7時22分発春日大社本殿行きのバスに乗りました。歩けば大変ですが、バスなら7分で着きます。

朝早いですが、お参りに来ている人やジョギングの人などそこそこ見かけました。敷地が広大ですね。寒いですがすがすがしい気分。あまり予備知識なく来てしまったので、何となく流れに乗って、参拝するらしい所までたどりつきました。



春日大社も、伊勢神宮の式年遷宮と同様に、約20年ごとに建て替える「式年造替」を行っているそうで、今年と来年でそれにあたっているようです。工事中で入れない所もあるようです。
赤い柱の連続が印象的でした。

そうそう、巫女さんとすれ違って、互いにおはようございますとあいさつしました。この春日大社の巫女さんは、紫色の藤の花(もちろん造花)の髪飾りを頭の前の方につけていらっしゃるんですね。紫が華やかで心に残りました。



何しろ、これから大学に行くので、ゆっくりもできないと多少気がせいて、せかせかと出て来てしまいました。
帰りは歩いて近鉄奈良まで行ってみることにしました。30分かかりました。
途中、シカさんにたくさん遭遇。道を横切るシカさん。



参道を下って来ると左手に見える広い野原で、ぴょーんぴょーんと軽快に 跳ねながら駆け回るシカさんも見られました。



戻って来てから近鉄奈良駅近くのドトールで冷えた体を温めながら軽く喫茶。その後大学へ向かいました。

今回のスクーリングでは、各自の研究テーマをポスターにまとめて発表することになっていました。どの人も、ちゃんと時間までに仕上げました。発表は、各自がポスターの前に立って、訪れた人に説明したり質問を受けたりということをします。
私は、結構珍しいものを取り上げたので、面白がっていただいたり、貴重なご示唆などをいただいたりしました。

通学部の学生さんがいつも何人もついてサポートしてくださるのですが、お話をうかがうと、それぞれ、いろいろな博物館などに派遣されて、発掘の仕事に関わったりしているのだそうです。奈良大学って、そういう点ではすごく恵まれている大学ですね。関東にいると、大学の存在がほとんどわかりません。

奈良大学って国立?と聞かれたこともありますが、私も、最初、国立??と思いましたから。国立で通信なんかやってないよな??とか考えながら、やっと認識したくらいです。関東から見ると、考古学をやるには穴場ですねえ~~?
これから生徒をどんどん送り込んじゃおうかな??とか、思いましたから、この通信教育部の宣伝効果は大きいと思います。

折しも、奈良大学付属高校が春のセンバツ甲子園に初出場決定したというニュースはとってもうれしかったです。今年は大学創立90周年という年にもあたっていて、大学にとってはよいことが重なっているようです。私は自分の高校も大学も女子だけだったし、高校野球とか大学野球とか箱根駅伝とか全く蚊帳の外だったので、新しい母校(ですよね)の系列校の甲子園出場は妙にうれしいです。

そんなこんなで、1月のスクーリングについては、このくらいにさせていただきます。

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1月の奈良スクーリング その1 考古学はいいね。

2015-02-11 16:53:56 | 大学通信 スクーリング
PCが次第に重くなってきて時間のロスが大きく、ブログの更新も億劫なこの頃です(本当にそのせいだけか?)。大学通信教育のスクーリング、2月の巻が迫って来ているので、その前に1月の巻から写真とともに奈良でのことをご紹介します。

8月以来、3回目のスクーリングは、1月10~12日の三連休ということで仕事を休みにしなくても出席することができました。ただし定時制高校勤務だと帰宅が遅いため、翌日ほぼ始発の電車~新幹線に乗るのが結構きついです。睡眠時間がほとんど取れないまま一日を過ごす感じです。

今回のスクーリングは、「文化財学演習 1」といって必修科目です。各自で研究テーマを設定して、ポスターを作成し、発表するというのが主な内容です。

教室に入るとぎっしり、80人前後でしょうか。それでも今までよりは少なめです。若い人は少ないですが、とにかく勉学意欲に燃える方々でいっぱいでした。

初日は講義で、考古学の歴史や研究方法などを聴講しました。
この大学に編入学し、考古学に目覚めてしまった私です。18歳から最初に学んだ大学では、どっぷりと文献史学に浸かっており、考古学はその大学では講座がありませんでした。

思うに、関東、特に東京にいては、考古学の面白さを身近に感じる機会が少ないです。奈良など近畿地方では古墳が当たり前のように身近に存在しますが、関東にはあまりありませんし、東京などではなおさらです。東日本では縄文文化の遺跡が多く、弥生時代、古墳時代の遺跡は西日本に比べてごく少ないです。
そういうハンデをやっと自覚しながら、この歳になって考古学の分野に乗り出してきたところです。
身近に垂涎ものの遺跡がたくさんある西日本にお住まいの方がうらやましいです。

講師のT先生は、都出比呂志先生の弟子とのことで、さかのぼると、ペトリー ― 浜田耕作 ― 梅原末治 ― 小林行雄 ― 都出比呂志 ― T先生 という系譜になり、T先生の授業を受けた私達はさらにその下につらなることになります、という話で教室がわきました。T先生はまあ、どなたを指すのかわかりそうなものですが、検索などで見つかっても恐縮なのでここでは伏せておきます。

T先生もさきたま古墳群を見ながら高校時代は通学されていたそうで、そのため古墳の発掘をやりたいと思うようになったそうです。やはり、育つ・生活する環境が影響するものです。

今年度は考古学の分野の先生何人かにナマでお話をお聞きする機会を得ましたが、考古学は発掘もするのである程度体力があってアウトドア派でなければやっていけないのでしょう。年配の方でもかくしゃくとして活動的な雰囲気があります。人間的魅力も強いような感じがします。

私の前の大学時代の史学科は純・文献史学の先生方ばかり、という感じでしたので、インドア派な雰囲気を醸す先生が多かったです。私の恩師も「家でゴロゴロしていても考えられる」とおっしゃっていたことを過去に紹介しました。たぶん文献史学の先生の方が緻密な論文を書かれるとは思います。

私も体力はあまりない方なのですが、それでも可能な範囲で考古学に首を突っ込みたいなと遅ればせながら思い始めているところです。理想は文献史学と考古学の総合です。

午後に、古墳の調査の実例をスライドを見ながらうかがいました。
熊本大、駒沢大、奈良大の調査の様子でした。熊本大の学生は、夏休みの1ヵ月くらいを、古墳の近くの公民館などに寝泊まりし、自炊するなど共同生活を送るのだそうです。共同生活のようなものが苦手な人は向いていないですねと先生はおっしゃっていました。
そうですねえ。私もこの歳になってからでは発掘をじかにやろうとまではあまり思いませんが、しかし、大学時代に1ヵ月も発掘に携われるなんて、楽しそうだし、よい思い出になりますね。うらやましいなと思いました。

放課後は、一つ科目修得試験を受けました。「言語伝承論」という科目で、自筆ノート持ち込み可でした。その解答作りで難儀した話は少し前に書きました。1ヵ月経ったおととい、結果が返って来ました。なんと94点。今までこんないい点を取ったことはありません。

他の本学の通信教育部生の方のブログを時々見かけますが、レポートの講評や、評価のABC、試験結果の点数についてかなり詳細に載せていらっしゃったりします。私はちょっと恥ずかしいというか、参考にもならないと思って、その方面はあまり詳しく書いていません。

だいたい、試験結果は80点ということが多く、そうでなかったのは「シルクロード学」が70点、「考古学概論」が85点、というのがあります。「言語伝承論」は、冬休みにがんばって解答案を作ったので、苦労が報われたなあと思います。ちょっとうれしかったので書いてみました。これで、現時点で28単位修得。

そうして初日は暮れ、今回の宿は、猿沢の池の向こう側。初めてです。猿沢の池の夕暮れの写真です。金星の光が、池の水面に映り込んでいると思うのですが・・・?静かで美しい夕闇でした。



そして、さらに歩いて行くと、暗闇の中でうごめくなにか・・・野良犬じゃあるまいし?・・・とよく見ると、シカでした。暗い所で遭遇することは今までなかったので、ちょっと驚きました。

夕食は、ホテルの近くで見かけたうどん屋さん。「奈良うどん」と書いてあり、奈良うどんとはどんなものなんだろう?と不思議に思い、「foreign welcome」 と書いてあったので(実際そういうスペル)、変な日本人の一人旅でもウェルカムかなと思って入ってみました。奈良は、店じまいが早いので、入れるお店も多くはないのです。お店の名前は「ふく徳」といいました。

最初は私一人だけ。あとから一人地元の方がいらっしゃいました。店主の方は丸く福々しいお顔。以前三輪で泊まったゲストハウスのご主人を思い出しました。奈良の男性の自殺率は全国で最低だし(以前も書きました)、奈良の男性は、奥さんとも円満に、幸せな満たされた人生を送っているのではないかと、なんとなく福々しい明るいお顔を見ると思うのです。

「奈良うどん」と書いてあるのでどういう特徴があるのかうかがうと、わざわざ近くまで来てご説明くださいました。以前は別な所でお店をやっていて、普通のうどんの麺には塩が入っているが、そこでは無塩のうどんを使用していた。そのため、ゆでるのも30分ほど時間がかかるものだった。それを奈良うどんと言っていた。今はその麺を作る人がいなくなってしまったので、塩の入った麺を使っているが、その時のうどんは本当においしいもので、奈良うどんという名称を残したいので奈良うどんと言っている、というような趣旨だったと思います。具材などに特徴があるわけではなく、いただいたうどんは、あっさりした澄んだスープで、関西風の、格別に突出した特徴はない、おいしいうどんでした。

夏のスクーリングよりは、冬の方が寒いとはいえ疲労は少ないかな・・・などと余裕を残しながら初日の夜は眠りにつきました。

翌朝、早めにホテルを出ると、真っ先に路上で遭遇したのもシカさんでした。



「進入禁止」もものともせず悠然と入って行くシカさん

まだ行ったことのない春日大社へ、朝行こうと考えて、比較的春日大社方面に近い宿を今回は取ったのです。しかし、8時前くらいに出たのではちょっと無理でした。
そのため、東大寺南大門くらいまで行って来ようかと歩き出しました。
シカさんの群れがあちこちにできていました。昼間、観光客がたくさんいる時のシカは、エサくれくれと激しく突進してきますが、早朝のシカは、ほとんど人間にも無関心で、眠たいのかどうなのか、じっと、彫像のように動かないで立っているのが多いです。



朝の光の中のシカさんの群れを撮っている人もいました。私は今回、そんなにいいカメラは持って行きませんでしたので(今回の写真は全部スマホ)、通りすがりにちょっと撮ったくらいで。

南大門に到達して、金剛力士像とも久々に対面し、そのくらいで引き返すことにしました。





下は、南大門から大仏殿を望む図。南大門の柱は、改めて見ると太いですね。

奈良はやはり盆地ですし、東京より寒いです。それでも寒さに負けず、景色の新鮮さに、楽しみながら近鉄奈良駅まで歩きました。

スクーリング二日目は、卒業論文の書き方についての説明から始まりました。

私は、今年度3年次に編入して、最短で来年度卒業を目指しています。卒論もそろそろ書かなければなりません。今回、授業でご一緒した数人の方々は、3年以上かけて卒業される予定のようで、私はがつがつレポートも書いて単位をできるだけ取るようにしていますけれども、その方々はそういう感じではなく、退職されていたりお仕事を持ったりしながら、スクーリングのために前泊したり後泊したり、つまり3泊4日ほど滞在したりして、観光もそれなりに楽しんでいらっしゃるようです。しかも、スクーリングに来る回数も多め。優雅でうらやましいです。そんな感じの人達がたくさん集まっています。

私は時間もお金もないので、2泊3日で早朝にやって来て、朝と夕にせかせかと悪あがきのような観光をして、疲れ切って帰って来るようなのがお決まりのパターンです。

卒論の書き方についてお話をうかがった中で、感銘を受けたのは、求めているのは新説の提案ではなく、現地、博物館にどれだけ行ったか、参考文献をどれだけ集めたかである、ということ、できるだけ現地に行って来てください。ということでした。そこで自分で撮った写真が卒論に付けられていることなどが評価される(というか必要)とのこと。

文献史学でやってきた私には、現地に行って来てください、という言葉がとても新鮮で、ああ考古学はいいなあ!と雷に打たれたようにその時思いました。

年齢的にも基礎代謝が落ちてきていて、太りやすい年頃なもので、毎日歩く距離なども気をつけて、できるだけ歩くようにしたり、最近は休日も結構外出したりしています。考古学はその点、現地を訪ねることによって、いい運動にもなりますから、ちょうどいいのではないか?と思うこの頃です。

さて、授業では、大学図書館で資料探しの方法も教えてもらいました。なかなか立派な図書館でした。特に、考古学の発掘調査報告書の蔵書がたくさんあるコーナーは、さすがだなと思いました。若い学生さんは、ここで存分に勉強できていいですね。私も、学生でいる間は、できるだけ訪れて利用したいと思います。

一旦切ります。また続けてアップすると思います。

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