日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

国会図書館へ

2013-07-24 22:18:03 | 日記
夏休みなどに、学校を離れて、図書館などで自分のテーマを設定して勉強(研修)してよいという制度が教員にはあるので、今日は、それによって、国会図書館に行って調べ物をしてきました。
国会図書館は、18歳以上でないと入館できません。大学生ならOKですね。

国会図書館へは、大学の卒業論文を書く時に、文献を探しに行きました。卒業後、その論文を、大学の学科の雑誌に載せるから、というので、書き直した時にも少し調べに行きました。それ以来だったのかどうか・・・?公務員時代にも調べる仕事をしていた時があるので、行ったかもしれません。
いずれにせよ、ここ10年は行っていませんでした。その間に、国会図書館の利用方法も大きく変わっていました。まず登録利用者カードを作らないと、資料を閲覧することができません。今日は、それを作るところからスタートしました。

国会図書館では、本を借りることができません。普通の図書館にあるような本なら、近所の図書館に行って借りればいいので、私の場合、国会図書館へは、主に、普通の図書館に置いていないような雑誌に収められている論文を探しに行きます。

今、私はある分野に興味があり、その方面の文献を読んでいます。教員になってからも、部活で体がくたくたになって、勉強は授業の準備で精一杯で、読書もほとんどできずに5年間が過ぎました。今は、運動部の顧問ではないし、さまざまな負担が減ったので、くたくたになったり、眠くなったりということもなく、本をばりばり読んでいます。本の種類にもよりますが、だいたい2日に1冊は読んでいると思います。いろいろ新しいことを知って、毎日ワクワクしています。

史学科の学生として卒論を書く時は、「史学雑誌」の5月号で毎年、「回顧と展望」といって、前の年に出た論文の中から顕著な内容のものを取り上げてくれているので、その「回顧と展望」の数年分を見て、自分のやりたい分野の先行研究がどうなっているかを調べます。その中から自分の研究に役に立ちそうな論文を探して読んだりします。今日も、そのようなやり方で、論文を探してきました。

私の卒業論文(を書き直して雑誌に載せたもの)も、実は、この「回顧と展望」に取り上げてもらっていたのです。大学の先輩も、私の論文をご自分の著書で引用してくださったりしました。あまり熱心に勉強しなかったわりに、自分としては面白いものが書けたと思っています。
私は天文が好きだったので、古代の日食記事を調べて書いたのですが、細かい話は今日はやめておきます。

日本史の勉強は、大学卒業とともに、終わり。のつもりだったのですが、なんだか今頃になって、またやっているのが不思議です。でも、好きなんだから、それでいいんだろうなと思います。日本史の中でも、やっぱり自分は古代史なんだなと改めて思います。

私が大学でご指導いただいた青木和夫先生も、主に文献史学の先生でしたし、私も、文字の使われている時代以降しか興味がなかったのですが、この頃、文字のあまり使われていなかった時代のことにもチャレンジしてみたくなりました。
古墳時代嫌い、とか、日本の神様嫌い、とか言っていたのに、今ではそのあたりを勉強したいという、自分の変わりように驚いています。
何を勉強しているかは一言では言えませんが、例えば、一つ面白いと思っているのは、出雲付近に、弥生時代の終わりごろ、四隅突出型墳丘墓という、ヒトデのような、コタツのような形をしたお墓が出現したということ、などです。新課程の教科書では、これが太字に変わりました(重要度が増したのでしょうね)。

地元の図書館も活用しています。そうしたら、図書館に関する面白いサイトに出会いました。
「東京図書館制覇!」といいます。
http://tokyo-toshokan.net/
東京23区の区立図書館を全部訪問され、その情報がとてもよく整理されています。遅くまで開館している図書館リスト、駅から近い図書館リストなどがあります。また、区立図書館の利用は、区内在住在勤といった条件が必要だったりしますが、そうでなくても借りられる区もあって、それを簡単に調べることのできるページもあります。私も、そういうわけで、今二つの区の図書館を利用しています。
皆さんも、本を買うより、賢く借りる、という生活はいかがでしょう?

国会図書館は、文字通り、国会の隣にあります。今日は、自由民主党の本部の前を通って行きましたが、長い杖のような棒を持ったおまわりさんがたくさん立っていて、ものものしい雰囲気でした。国会の周辺はいつもそうですが、特に選挙直後ですしね。
公務員で経済分析の仕事をしていた時に、霞が関周辺の官庁に、データをもらいに来ていたことがあります。
国会図書館の食堂などもそうですが、官庁の売店とか食堂って、結構安くてお得だったりするんですよね。いつか、機会を作って、こちら方面にお出かけしてみてください。国会図書館も、平日でしたがたくさんの目的意識を持った人達でいっぱいで、日本もこういう(向学心のある)人達がたくさんいるならば、大丈夫かな?なんて思っちゃったりしました。
勉強しましょう!楽しく、意欲的に。

国会図書館を出た所から見える国会です。


「世界の工場」

2013-07-06 23:34:13 | 授業
全国的に期末考査も終わった頃でしょうか?
今日は日本史の話じゃなくてごめんなさい。今年は世界史も地理もやっているものですから。

世界史で、ヨーロッパの勢力が南アフリカを植民地化していった話題の中で、コイサンという先住民は、コイコイという牧畜民族とサンという採集・狩猟民をあわせた呼称で、ヨーロッパ人は、前者はホッテントット、後者はブッシュマンと呼んで軽蔑していたと教科書に書いてあったので、『ハイジ』にホッテントットの話が出てくるの知らない?と聞いてみましたが、生徒は知りませんでした。
『ハイジ』の中では、ペーターにハイジがアルファベットを教える時に、覚えなければ、ホッテントットのとこへ行け!と歌でおどかすのですが、今の人は知らないのかなあ?とぼやいていたら、生徒が、
「時代が変わったんだよ」
とある男子生徒。ハイジはもう古いんでしょうかね。

ついでに、ブッシュマンという映画があって、コーラの瓶が空から降って来て・・・という話をしても、生徒はわからないようでした。それはまあそうでしょうね。調べてみると、もう30年前の映画のようですし。

さらに、産業革命に成功したイギリスについて「世界の工場」と世界史の教科書に書いてありますが、1年生の地理の教科書を見ていたら、現代の中国について「世界の工場」と、どちらもゴシックで書いてあるのに気付きました。それで、「世界の工場」といったら、昔はイギリス、今は中国なんだねえ、とちょっと話したら、
「時代は変わるんだよ」
とまた同じ生徒が。
イギリスが「世界の工場」と言われてきたのは知っていましたが、今では中国なんですね。というのが、今年、日本史と世界史と地理を同時に担当して気が付いたことでした。確かに、今はイギリスでないのは明らかです。
「時代は変わるんだよ」と突っ込みを入れた生徒も鋭いです。
世界の工場は、これから先、どこの国が担っていくのでしょうか。中国の時代は、いつまで続くのでしょうか?
今日は、感想めいた内容になってしまいました。

さて、七夕ですね。梅雨明けもしたし、今年は織媛彦星はうまくデートできるでしょうか?