日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

道長の極楽往生への願い

2013-01-28 02:51:04 | 平安時代
勉強がんばってますね?私も高校時代は夜更かしして深夜放送を聞きながら勉強するのが好きでした。しかし、それはそれとして、朝寝坊していいということではなく、太陽が出ている間はちゃんと起きて活動・勉強しましょう。

今日もZ会『テーマ史』の「豆ちしき」を参考に。

現世で栄耀栄華を極めた藤原道長は、死後の世界でも極楽往生を願いました。『往生要集』を愛読した彼は、法成寺に念仏の場として阿弥陀堂を建立しました。そして1027(万寿4)年、62歳で臨終を迎えた道長は、金色九体の阿弥陀仏の手と結ばれた五色の糸を握りしめ、数多の僧侶が唱える荘重な念仏に包まれながら往生しました。これ以後、上流貴族の間では、荘厳な阿弥陀堂を建立することが流行するようになったとのことです。

2年生の授業の時にも話しました。平安貴族の食事は栄養も偏っていたので、道長も、糖尿病であったらしいということ。それで、あまり長生きもできませんでした。道長のビデオも、時間数の関係で見せられないクラスもあったように思いますが、見た人達は、道長が、晩年には死ぬのが恐くなって、『御堂関白記』に、「念仏十四万辺」などと書いてあるというのを覚えていると思います。一日は86,400秒だから1秒に1回でも十四万回は無理、という話もしました。

道長が死んでから阿弥陀堂建立が流行するようになったとのこと。道長の息子の頼通が平等院鳳凰堂を完成させたのは1053年、末法元年(1052年)の翌年でした。道長が死んで26年、だいぶ経ってからのことですね。1051年には奥州で前九年合戦が起きています。
都の貴族たちも末法思想や現世の戦や疫病などに不安を感じていたために、阿弥陀仏信仰にすがったのでしょう。
この浄土教信仰が地方に広がって阿弥陀堂が地方で見られるようになるのが院政期ですね。

中世の定期市

2013-01-26 03:56:09 | 鎌倉時代
センター試験の結果にショックを受けていた人も、再び立ち上がって、目標に向かってコンスタントに学習に励んでいることと期待しています。

一問一答をやっているとセンター試験に間に合わないからやめておいたほうがいいと言いましたが、センター試験も終わり、これからの私大の入試は、教科書からくまなく出たり、大きな流れを追うような問題が出たりということは少なくなります。本校では国立などの記述問題に取り組む生徒はほとんどいないので大多数の私大の話になりますが。
これからは、日々、少しでも知識を増やしていくことが大切になります。一問一答を使ってもいいでしょう。教科書に載っている知識以上のものを頭に入れていけるようにしてください。

今日は、Z会の攻める日本史シリーズ『テーマ史』の解説に数多く載っている「ちょっと差のつく豆ちしき」を参考にして、少しでも歴史の事項を記憶に残す手助けにしたいと思います。

鎌倉時代になると市が定期的に立つようになりますね。鎌倉時代は、月に3回の三斎市が開かれていたと教科書にはあります。応仁の乱の後から、六斎市になるという社会の変化は理解できているでしょうか?

鎌倉時代の三斎市は、開催日は10日ごとで、例えば4日、14日、14日の場合は四日市と呼ばれました。三重県に四日市市があるように、地名にその名残が残っている所が各地にあります。他には、

五日市(東京都・広島県)   六日市(島根県)   八日市(滋賀県)   八日市場(千葉県)
など。

鎌倉時代の市の様子といえば、「一遍上人絵伝」が有名ですが、ここに描かれている市は、備前国福岡の市場です。福岡という言葉に惑わされないように。福岡県ではなくて備前は現在の岡山県です。「一遍上人絵伝」は、武士の生活を知る際にも興味深いものです。図説などでじっくりと、細かく書き込まれた鎌倉時代の人々の生活を眺めてください。

まだまだこれから伸びる!前を向いて進もう。

2013-01-21 20:54:29 | 受験
今日は、センターリサーチのために早くから生徒たちが集まって来ました。自己採点をしていなくて、学校に来てやっていた人が意外といました。
だいぶ緊張したようですし、終わった後も、脱力して何もする気がなくなってしまった人も多かったのかな?

私も、自分が受験生の時には、登校してから学校で自己採点をしました。当時はインターネットなどありませんでしたし、そんなに情報は早く入手できなかったですからね。
私は5教科5科目受験し、最初に採点した国語で、漢文がいもづる式に間違えて、一つ間違えるたびにガーン、ガーンと心臓に風穴があくような感じがしました。かなりのショックを味わいました。
今日、自己採点をしながら、さえない表情の人もかなり見かけました。こんなはずでは・・・とショックを受けた人も多かったかもしれません。
私も経験しましたから、わかります。

私は、英語と日本史は9割以上とれたのですが、数学と理科が全国平均くらいしかとれず、第一志望の国立大学の合格判定ではD判定が出てしまいました。

「これでもし合格したら、太陽が西から昇る。」

と、友人などに言っていたものです。
しかし!それでも結果としては、奇跡の大逆転を果たし、合格できてしまいました。
太陽は西から昇りませんでした(笑)。

国立は二次試験があって、そのウェイトが大きい大学も多いのです。それによって、逆転可能な場合があります。受かるのは太陽が西から昇るくらい奇跡的なことと思って、あまりそこだけに合格することに執着はしていなかったのですが、二次試験直後に、十分逆転できる点差だったと気が付き、もっともっと本気でがんばっておけばよかったと思いました。幸い合格していたのでよかったですが。

失敗した人もいれば、まあまあ納得の点をとった人もいましたね。わが学年の生徒は、2年生~最近まで怠けすぎていたため、にわかに受験勉強を始めて、模試でも満足な点をとったことのない人がほとんどでした。ですから、センター試験でこれまでの自己ベストの点をとった人がたくさんいるはずです。

うちの学年の生徒なら、きっと本番に合わせて調子を上げてきてくれると思っていました。実際に、全体的にはよくがんばったと思いますよ!

ただ、自分の志望校をセンター利用で、というとなかなか難しい結果だった人が多かったでしょう。
センター利用での合格というのは、もともと難しいようです。
昔は国公立志望の生徒だけのものだったこのセンター試験(共通一次試験)です。私大の試験はまだまだこれからが本番です。センターで思ったより点がとれなかったからといって、希望を失わないでください。一般受験で第一志望の大学を目指せばいいんです。
あきらめてはいけません!

国立大学と違って私大には二次試験というものはないですが、私大には同じ大学学部でも何度か受験するチャンスが用意されています。3月まで粘るつもりで、本当に行きたい大学をあきらめないで、勉強を続けましょう。

今回のセンターで、今までの模試よりもよい点がとれたように、皆さんはまだまだ伸び続けている途中なんです。日々、知識をプラスし続けていけば、いつか、思わぬ高みに到達しています。

私も、センター(共通一次)で失敗して落ち込んだ経験はあり、そういう経験を踏まえて言うのですが、そういったダメージは深刻にひきずらないで、また目標に向かってコンスタントに走り続けてほしいと思います。

私のセンター(共通一次)試験後の気持ちは、ああこれで5教科やらなくていいんだ、数学と化学とはおさらばだ、と、かなり荷が軽くなったのを覚えています。科目が少なくなった国立志望の人は、得意科目に一層馬力をつぎ込んで勉強してきますよ。そういう人達に負けず、より一層勉強に没頭し、受験科目に磨きをかけてください。

最後になりましたが、今日、日本史受験者の点をざっと把握しましたが、私がこの学校に来てからの5年間で、質量ともに一番よく、健闘したと思います。

これから先は、センター試験の学習方法とは少し変えて、知識を着実に増やしていくようにしましょう。MARCH以上では、教科書に載っている知識以上のことも問われます。基本の知識の上にできる限り上積みしていきましょう。
そういうわけで、明日の1,2限、来てください。

皆さんも、奇跡を起こそう!応援しています。

センター試験1日目終了 お疲れさまでした。

2013-01-19 23:50:37 | 受験
明日も試験がある人もいますが、今日でおしまいの人は特に、なにはともあれ緊張が解けているところでしょうか。お疲れさまでした。

私も、自分が担任している生徒達が受験しているというのは初めての経験で、朝10時40分からの試験時間の頃には落ち着かなくて、今日は結局部活は休みにしたため家にいて、クラスの生徒や日本史受験の生徒を一人一人思い浮かべながら受験の成功を祈ったりしながら、いても立ってもいられないような感じで家の中を掃除したりなにやらしておりました。

試験が終わった直後のちょうど正午頃には、空がきれいだなと思ってカメラを持ち出して、飛行機雲が撮れました。50mmF1.4の単焦点レンズで撮ったものを拡大してみました。2013年のセンター試験の日の空を残しておこうと思ったのでした。今日はよいお天気でしたね。空を見ている暇はなかったでしょうか?



拡大画像



それはともかく、センター試験の出来はどうでしたか?
各予備校の講評や受験した人のつぶやきその他を見ていていろいろ先入観を抱きましたが、夜になって日本史Bの問題をネットで見ることができましたので、私なりの感想等を。

全体的には、簡単(単純)なものも多く、あまり、なるほどとうなるような問題はありませんでした。予備校を含めたネット上の人々の印象では、難化しているとか、よく工夫された問題だというふうに書かれていますが、図を使った問題でも、これだけ大きなスぺースを割いて設問して、答えは拍子抜けするような簡単なもので、答えはこれでいいの?と思うようなものもありました。
昨年が簡単だったので、今年は難しくなって当然ですが、結局、ひっかけが多かったように思います。時間を十分に使って、文章をじっくり読めばひっかからないという。

まず、1問目のテーマ史は予想が大当たりで、「北海道・沖縄史」が出ました。おとといの記事で書いたとおりです当たっても当たらなくても、簡単な問題が多かったのでできたとは思いますが。これが出ると予想した根拠としてはおととい書いた他に、山川教科書の「歴史の追究」のテーマで、まだ出ていない「日本列島の地域の差異」にからむものが出ると考えたからです。

火曜の特別授業に出席した人は、「出た!」と心の中で笑ったのではないでしょうか。特に問5は、過去問でよく似た選択肢のあるものを練習していました。沖縄県で第1回衆議院議員選挙が行われたのは1912年でかなり遅いんだよねえ、その年号を答えさせる問題を含む大学の過去問を予習してきてもらったのですが、覚える必要があるかねえ、と火曜の授業でも話題にしていたところでした。

おとといのブログでも、日米行政協定やMSA協定について内容の確認をと触れておきましたが実際出ましたね。問題番号は6と36。

昨日、私のクラスの男子に、検非違使は何天皇の時?と尋ねましたがそこも出ましたね。12番。選択肢2で桓武天皇が検非違使と書いてありましたがそこが違うと気が付けば大丈夫でした。平安初期も出そうだと私は予想しており、補習に出た人やうちの男子などに渡したプリントにはそこが含まれていました。

14番については、「鎌倉時代」の旧仏教についての設問だとしたら、白河天皇の法勝寺についての選択肢が正解になるのはおかしいなと思いましたが。設問がよくわからない感じの問題でした。

江戸時代は、授業でやったばかりでしたから簡単に感じたのではないでしょうか。小判の金の含有率は、センター試験にも出てますよという話はしていましたが、2年の日本史Bの授業が幕末から始まったので、その頃の万延小判とつなげて理解できていたかが気になりました。大丈夫でしたか?
問題番号23では、関東取締出役は年号1805年を覚えておくと便利です。今後の私大入試のためにも。

27番も、夏休み・冬休みの補習でも説明しましたし最終的なプリントでも渡したのですが、これは本当に何度も出ています。私大でも出るのではないでしょうか?綿糸の生産高が輸入高を上回った年(1890)、器械製糸が座繰製糸を上回った年(1894)、綿糸の輸出が輸入を上回った年(1897)。
覚えてしまった方が楽です。047-189X。 047はディズニーランドのある浦安の市外局番。Xの所に0か4か7が入ります。これが理解できていて正解した人はできたよと教えてください。

34番は仏印かマレー半島かで、イギリスの植民地というところでわかったらよかったのですが。どうでしょうか?

35番をはじめとして、多くの問題は、教科書をよく読んでいて、各用語が、どのあたりの時代のものかイメージできれば、つまり、時代感覚があれば、正答できると思います。

結論として、去年より戸惑う問題が多かったかもしれませんが、よく読めば、そこそこ正解できたのではないかという印象です。

今年も、まあ予想は当たったなあ、というところです。補習・特別授業に出た人は報われたかなとほっとしています。ブログも読んでいた人は少しは得をしたかな?あ、PKO協力法も出ていましたね。

長くなってしまいました。
多くの人は、明日の試験はなくて、今度はそれぞれの私大入試に向けて対策をしていくことになりますね。英語・国語も含めて、よかった人、悪かった人、それぞれに、気持ちを切り替えて、またがんばっていきましょう。
月曜日1,2限はセンターリサーチ、3,4限は授業に出てもらいますので、きっちり時間通りに早めに登校してください。
火曜日の1,2限は、今度は私大対策の特別授業をやります。また、朝起きは三文の得、の心で、私もがんばりますので皆さんもがんばって出席してください。

自信を持って、精一杯がんばって来い!

2013-01-18 21:51:08 | 受験
いよいよ明日がセンター試験本番です。

私も、例年とは違う特別な気持ちで過ごす前夜です。
しかし、ホームルームでも言いましたが、あまり緊張しないで、リラックスして「平常心」で試験に臨んでください。
部活動でも経験していると思いますが、緊張してガチガチでは、力を発揮することができませんよね。リラックスして、いつもどおりにやれれば、結果もついてきます。

あまりに緊張・興奮して、テンパってしまわないように。あまり、出だしでハイになってエネルギーを使いすぎると、明日は意外と長丁場の試験です。リスニングが終わるのは18時過ぎです。最後の方で集中力も切れてしまうおそれがあります。
あまり周囲の友人達とはしゃぎすぎたりしないように。

それから、センター試験のような択一問題の場合、ケアレスミスが多くなりがちなので、時間が余ったら、最後までよくよく見直してください。わかっているのに、勘違いしてしまった―例えば、「誤っているもの」を答えなければいけないのに、「正しいもの」を探してしまったり、問題文を正確に読み取らなかったり、といったミスを、三つ四つとしてしまったら、10点は損するわけですから。
「わかっていたのにマークミスした。」
という嘆きの声を後で聞きたくありません。

日本の試験とそれによって選抜される社会は、いかに間違いが少ないか、注意力があって、間違いが少ない人が勝ち残る、という仕組みなんだなという気がします。つまらない間違い探しの問題も多いわけで、そういう問題ができたから何になるの?という疑問・ぼやきは、とりあえず置いておいて、落ち着いて、文章を正確に読み取る力、を、持っていること自体悪いことではないので、そういう問題に付き合って、しっかり落ち着いて文章を読んで、丁寧に解答してください。

日本史などは、解答時間に余裕があると思います。問題文をすべて読まなくても、下線部だけを読んでわかってしまう問題もありますが、一通り解答が終わったら、じっくり、問題文を隅から隅まで読み、正しく設問に答えているか、最後の1秒まで見直しを続けてください。
私も先日、漢字検定準1級で久々に試験を経験しましたが、見直しをしたらぼろぼろ間違いを見つけました。4つも5つもありました。このように、見直しをして、つまらない取りこぼしがないように最善を尽くしてください。

もう、この時間に携帯電話を使ったり、ネットを覗いたりしなくていいですよ。このブログもアップが遅くなりごめんなさい。今日は、もう勉強しなくてもいいくらいですが、今日中に日本史のポイントを古代から近現代までざーっと高速でおさらいしておいてほしいし、明日も、さらに超高速で、30分くらいで古代から近現代までざーっと、特に自分が間違えやすい、忘れやすいポイントに絞って確認してほしい。そのための要点整理集やノートを持参してください。

最後に、須永博士さんの言葉を一つ紹介します。

「人に負けてもいい  しかしやるべきことをやらない自分の弱さには 絶対負けたくない」

何点以上取らなければ、とは言いません。自分の自己ベストを出してください。やるだけのことはやった、と言えるよう、万全の準備をして、落ち着いて、自信を持って、「平常心」で本番に臨んでください。

がんばれ!私もこれまでで一番手応えを感じているわが学年の皆さん。
落ち着いて問題文を読めば、正しく正解できますよ。最後の最後まで、あきらめないで、粘れ!
精一杯がんばった、と胸を張って、月曜日登校してきてください。
健闘を祈る!