古民家再生・古民家活用・・・古民家生活・・・流行ものに乗っかって営業している業者さん・・・
空き家になっている古民家を古い建物と同じように解体してゴミにしてしまう業者さん・・・
なんとなく見栄えだけ良くして、構造は気にしないと言う業者さんなど・・・
古民家に対する認識の低い方々がたくさんいるようです・・・
現代の建物はコンクリートの基礎に土台や柱を固定して・・・
壁には筋交いといわれる斜めの木材を取り付けるか、合板で壁を補強して地震に強い建物にしています。
古民家は自然石の上に直接太い柱を載せて、足固めや貫板などで柱同士を固定しているだけで・・・
壁は竹や細い板で組んだ下地に土や漆喰で仕上げていきます・・・
いわゆる、建築基準法と言う法律が出来た後の建物か、それ以前の建物かで区別はしますが・・
基本的に構造の考え方が違う建物です・・・それを一部だけは現代の方法で手直ししても・・・
地震の時、一部だけに力が集中して建物を傷めてしまうか、倒壊する事にもつながってしまいます。
沈下したり、傾いてしまった古民家は「曳屋」さんが建物を持ち上げて傾きを直したあと・・・
基礎や地盤を手直しするのですが、補修方法の判断を間違えると、再沈下にもつながります・・・
同じように傾いた建物を引き戻す工事も「曳屋」さんが施工して・・・
その後、大工さんが構造を安定させる為に、筋交いや合板で構造を固めていきます・・・
工法としては、現代的な「体力壁」と言う造りになります・・・
柔構造と言われる古民家ですが、一度沈下したり、傾いた建物は、木のその癖が付いていて・・・
元に戻しても、また傾いたり、ねじれたりしていきます・・・
伝統工法で直さないと駄目だ・・・
柔構造で手直ししないと建物に良くない・・・などと言われそうですが・・・
一般住宅で、重要文化財でも国宝でも無いのでしたら、まずは住む方の安全を一番に考えて・・・
これから何十年も住みついでもらえる造りにしないといけません・・・それを優先するので現代的な手直しになります。
自分もまだまだ勉強不足ですが・・・縁あって出会えた、すばらしい職人さんと・・・
すばらしく前向きな考え方の先輩方や仲間達に助けて頂き・・・
何が正しい考え方なのかを、伝えていけたらと思います。