暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

悠久の時間

2020年10月06日 | 古民家
 深い緑の隙間から・・・サラサラとこぼれる日差しは強く・・・
重なる枝葉は夏の様相を見せている・・・。
力尽きたように色を変え、落ち葉は北風に流されて・・・
枝葉がさみしい冬の始まり・・・。
霜を受け止めた枝が・・・凛と光り、かすれた空気に照らされて・・・
物悲しくも、わずかな陽だまりが温かい・・・。
生まれたての緑は力強く・・・これから生まれる命を祝福する風を運んでくれているのかも知れない・・・。

人が成長する様に・・・変わらず変化を楽しめる木々の姿に、森の雄大さ・・・。
落ち葉が幾重にも重なる山は、積もり積もって大きくはならないなのだろうか・・・?
そんな質問をする子がいて・・・
多様性が見せてくれる自然の不思議は・・・そんな所にもあると伝えれば・・・
落ち葉が無くては生きられない暮しもあるのだと・・・少しは気付いてくれたのかも知れない・・・。

人工物を見ていると・・・最初は驚きや珍しさで目を奪われても・・・
1日見てはいられないようで・・・
自然の景色は時間を忘れ・・・1週間でも見ていられるそうです・・・。
(あくまでも個人的な感想です。)
それは流れ行く時間の中で・・・二度と見れない景色となって変化して行くから・・・。
それでも人工物の古民家の佇まいは・・・何時までも飽きる事無く・・・
安らぎを与えてくれる、悠久の時間が流れているような気がします。

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100通り

2020年10月05日 | 古民家
 ピカピカと、輝く目をして布団の中で・・・夢見るお母さんの物語は頬を赤く染めて・・・
同じ物語を聞いても・・・100人の子供に、100通りの世界がある・・・。
大人になって、小説を読んでも・・・自分の中に育った主人公は大きな目をしているのか・・・?
以外に背丈は低かったりして・・・。
運よく映画にされようものなら・・・その配役にがっかりして、理想の登場人物をこさえたりしてしまう・・・。
何時の頃も・・・想像や妄想は夢見ごこちの豊かな時間のよう思う・・・。

構造の解析や・・・コンピューターなど無い時代に・・・
大型の木造建築が数多く建立され・・・
儚くも、多くが火災で焼失してしまいました・・・。
精密な図面や資料が乏しく・・・当時の面影を追うにも、想像の範囲を越えませんが・・・
壮大な夢や・・・そこに携わった人達の熱い思いは確かにあったように思えます・・・。

経験と勘・・・今まで先人が残して来た建物を参考に、途方もない建物が建てられていた跡もあるようで・・・
想像して・・・素材の声を聞く、数字や文書には出来ない架空の世界で・・・夢を実現してきました・・・。
古民家の住まいに残る技術は・・・そんな当時の先端技術を参考に組まれた個所もあり・・・
先人が夢見て挑戦した跡も残されています・・・。
100棟の古民家には100種類の技が残され100通りの職人の世界があります・・・。
仰ぎ見れば・・・関わった人達の息遣いが聞こえる、そんな時間を大切にしたいと思います。
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拠り所

2020年10月04日 | 古民家
 噺でも出て来る「ご隠居さん」・・・
村には必ずいた「名主さん」・・・
重鎮に、世話役やご意見番・・・どの町にも、一目置かれる存在のご年配がいる事で・・・
なんとなく秩序があり、問題が起きてもなんとなく解決してきた気がします・・・。

自治会や子供会が立ち行かなくなり・・・消滅するのも珍しく無くなり・・・
ゴミ置き場が使える使えない・・・数百年続いた行事が中止になる・・・
誰が住んでいるのかも解らない・・・。
頑固で変わったご老体が少なくなるだけで・・・こんなにも地域がバラバラになるとは・・・考えもつかず・・・。
大きな声で、当たり前の言葉を素直に言える人も少なくなり・・・
それがコンプライアンスというならば・・・人が集まる地域の絆は、もっと薄れてしまうように思います・・・。

人と同じように、町のシンボルがあって・・・
お城がその場所の誇りだったように・・・街並みがその町の存在そのものだったように・・・。
昔からそこに建ち続ける古民家も・・・心の拠り所だったのかも知れません・・・。
古いからと簡単に解体してしまうのでは無く・・・どうにか残し、住み繋ぎ・・・
次の世代に残す意味を・・・多くの人に知ってほしいと思います。



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あたま

2020年10月03日 | 古民家
 大きく広がる、まんまる麦わら帽子が・・・頭の上でキラキラと・・・
真夏の太陽が、流れる景色に映り込み・・・季節を彩る1枚になっている・・・。

町中で、麦わら帽子を着飾る人を見ることも無く・・・
虫網片手に、トンボを追いかける・・・ちょこんと頭に麦わら帽子の子供も、ずいぶんと見かけなくなり・・・。
着物にカンカン帽をさりげなく粋に・・・日傘を片手に可愛らしく、フラリとスレ違う場面も経験なく・・・。
夏らしいと思える姿は、どこかに薄れて消えてしまいました・・・。

頭の上程無防備なモノは無く・・・
ふいに襲って来ても対処に困り果て・・・ヘルメットや帽子で隠すものの・・・
カツリと触れただけでも意外なダメージは大きくて・・・
軟な場所で、大切な体の一部なのに・・・注意力散漫になるとなれば・・・
いろいろ手段を講じずにはいられず・・・
古民家の屋根が大きく・・・軒は深く、覆いかぶさる立派な屋根は・・・
家族を守り・・・暮らしを守る、鉄壁の守備固めのようで・・・
だからこそ、日本の住まいの屋根はとても特徴的で、存在感があるのだろうと思います。


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たいむましん

2020年10月02日 | 古民家
 お家の中のプライベート空間は、誰にも見られたくない秘密の場所・・・。
目に見えない部分は・・・日の目を見ないから・・・
みすぼらしくてちょっとくらい雑然としていても良いと思う人も多くて・・・
手を抜く訳では無く・・・高級な素材ばかりで造る住まいも・・・仕上げと下地の造りなど、その素材は変えています・・・。
素材や仕事に差を付けて、予算であったり手間などの効率を計りますが・・・
見えな所・・・解体しないと絶対に見る事の無い場所にまで・・・
大きな手間と、信じられないほど工夫された素材の加工と納まりで造り・・・
100年後・・・200年後の時代に向けて技を残す・・・。
そんな時代の職人さんがいました・・・。

世の中にたくさんあって、よく見かけ・・・どこにいても目に付くなら・・・
手に入れたいと思う人も少なく、特別な感覚はありません・・・。
もう二度と手に入らない、稀にしかお目にかかれない代物・・・
当然、誰もが望み・・・懐に置いておきたい・・・そんな風に思います・・・。

古民家の住まい・・・造り上げる技もさることながら・・・
長い時間、自然に育てられた貴重な木材は・・・滅多に手に入れられず・・・
そうそう同じ住まいを造る事は、叶いません・・・。
一度失ってしまえば、二度と元には戻らないのは・・・作り物だけで無く・・・
人が築き上げた伝統や文化も同じ・・・
100年も前の技が・・・目の前に現れ、それを次の世代に残す・・・。
古民家には・・・伝統の技も人の想いも伝え、失った人の教えを蘇えさせる・・・
まるで、タイムマシンのようにも思えます。


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