暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

よこしま

2021年10月21日 | 古民家
 天井裏と床下の物語・・・
節穴から覗いて・・・片手を耳に添えて・・・
よこしまな時間だとしか思えなくても・・・ソロソロ伺う心の内は裏腹に、浮かれ気分になっている・・・
小説やドラマで見聞きして来た題材は・・・この所、鳴りを潜めている・・・。

床下に潜ることもままならない住まい・・・
天井裏に潜れるほど隙間のない住まい・・・。
屋根の上をスイスイと・・・逃げ回れる甍の波も見えなくて・・・
物書きを整える方々のアイデアも・・・町の景色に合わせて変化して・・・
想像を膨らませる行動も・・・住まいの変化に合わせて消えていきます・・・。
指先を口に含んで・・・パツリと障子に穴を開けてのぞき込む・・・
そんな和のしつらえも・・・ますます薄くなって来ました・・・。

小さな手に、砂をまぶして・・・大きなおしりを砂でまとい・・・
お話するでもない小さな子供たちが、心の底から笑顔でふくれていても・・・
大きな大人の笑顔には・・・楽しくなくても、後ろめたくても緩んだ顔を見せてしまう・・・。
人の興味を引き出して・・・人の心を揺さぶる物語が育つ、古い住まいの造り方は・・・
小説を盛り上げる為の造りでは無いけれど・・・
そんな他愛もない話を生み出す楽しい住まいに・・・口元を緩めないではいられません。






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紅葉

2021年10月20日 | 古民家
 森の木々が色めき立つのは・・・カメレオンみたいに、廻りと一緒になりたい訳でも無くて・・・
蛇のように・・・脱皮している訳でも無く・・・
風邪をひいて・・・お熱があるのでもありません・・・。
色づいて、ひと時のお休みが迎えに来ると・・・落ち葉は山を覆い・・・
この先、生まれる木々達の大切なご飯となれるように、ハフハフと積もっていきます・・・。

北風が迫る時も・・・緑の葉に包まる木々達は、森が蓄える水の調整役を受けて・・・
手を広げるように枝葉を伸ばし・・・フラフラと降り積もる雪を受け止めます・・・。
動物たちの暮らしに寄り添い・・・水を育て川を守り、大きな海の始まりを助けている森たちは・・・
人のわがままにも答えて・・・少しの恵みを頂きながら暮らしは続いてきましたが・・・
自然に治せる時間を越えてしまえば・・・アッという間に、そのバランスは崩れてしまいます・・・。

穏やかな顔を見せる山も川も海も・・・
一度暴れると・・・自分自身も傷つけてしまうほど我を忘れ、何もかもを飲み込んでしまいます・・・。
自然の悪戯もあれば・・・人の暮らしの負担がそうさせてるのかも知れません・・・。
はるか上流の橋の上から、いたずら坊主がオシッコをして・・・
ずいぶん下の川では・・・おばあさんが洗濯をしている・・・。
自然の浄化作用は・・・そんな簡単にきれいになる訳ではなくても・・・
山や川は・・・時間を掛けて人の暮らしに寄り添ってくれています・・・。
お互いに守り合える関係で・・・泣き笑いする四季と暮らせたらと、思います。


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広く浅く

2021年10月19日 | 古民家
 木と土と石で造られてきた住まい・・・
そこには竹や和紙・・・イ草などの植物も使われていますが・・・
自然に育ち・・・近場で手に入る素材で組み上げる、時間が育てて来た知恵の集合体で・・・
乾かしたり・・・削ったり・・・混ぜて見たり、そのままで使うだけではない工夫の連続が暮らしの豊かさになって行きました・・・。

古民家の造りは・・・先人の知恵が詰まった住まい造りで、これからの暮らしに大切な教えは残されているのに・・・
今更時代をさかのぼる時間を、必要としない人も多くて・・・
変化を、喜んで求める人は少ないようです・・・。

薪を燃やしての竈で・・・土鍋や羽釜を使って炊くご飯がおいしいのを、みんな知っていても・・・
自分でこしらえる喜びよりも・・・提供される満足感を大切にしているようです・・・。
モノ造りは・・・設計から材料選び・・・加工から組立まで・・・
イチから育てる満足感・・・達成感があるから楽しいのかな、と思っていても・・・
過剰すぎる快適な住空間や・・・お手軽なキャンプを見ていると・・・
広く浅く・・・いろんな出来事を体験出来る暮らしを求めているんだと思えてきます・・・。
生きる為に暮らしを考えて来た頃とは、まったく考え方が違う流れを知って・・・
この先の住まい方を考えないといけないような気がします。



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学びの場

2021年10月18日 | 古民家
 ズラリと並んだガラス窓をすり抜ける・・・暖かい日差しの先に・・・
ピカピカの長い廊下は床板の・・・歪んだ不揃いの懐かしいさを取り戻す時間・・・
頼りなく悲しそうな顔を見せながら・・・小さな手で包んでくれるような温もりを与えてくれる・・・
ガタピシとコツのいる窓の開けたても・・・理屈っぽく嫌味を言いながら、ニヤけ顔で風を入れている・・・

どれだけの数が残るかは知らないけれど・・・木造校舎の面影は・・・
モノクロの写真の中に影を潜めてしまって・・・新しい木造の施設をあちらこちらで見かけるようになっても・・・
居心地のよくない場所で雑巾がけをしているようで・・・
黒光りする床板に・・・日焼けした壁の痛みを、まるで自分の学校生活の足跡みたいに残すには・・・
卒業していった、たくさんの足跡が残っていないといけないような気がしてしまう・・・

夏は扇風機がコロコロ廻り・・・冬はストーブがポッポとほてり・・・
大きく開いた窓からの景色や・・・グラウンドで踊る、砂埃に紙くず・・・
誰もいない教室の朝日と夕日と・・・高い天井に寝転ぶ体育館の冷たい床板・・・
たかが学校生活十数年ほどの時間だけど・・・つぶされてしまうほどの濃い記憶が残るんだと思う・・・。
そこには・・・心に残る学びの場としての佇まいが大切だと思います。

 

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面倒

2021年10月17日 | 古民家
 古くて新しい出会いはそこかしこに転がっていて・・・
見つけられるか・・・出会えるかは運なのか・・・それともそんな意識で毎日の時間を過ごしているのか・・・
ずっとウロウロしながら廻りを見すぎれば・・・厄介者扱いされてしまうのかも・・・
遠い記憶を思い出したくない人もいて・・・思い出に頼って過ごす人もいて・・・
未来に夢を馳せた時をうらやましく思って・・・お調子者だった頃を懐かしく感じるのは・・・
今が、とんでもなく残念だと意識してしまっているからなのか・・・。

キャンプで火を見るのは・・・心安らぐと思う人が多いけど・・・
マッチ1本で、ワラワラと燃え盛る炎に育てられた頑張りがあるからと思うと・・・
お手軽道具を片手に、赤ら顔で暗闇に溶け込んでも・・・
あまり感慨深くもならない気がする・・・。

何もかも生み出す苦労はあるモノで・・・食べ物を育てる苦労・・・
詩を生み出す苦労・・・魚を釣り上げる苦労・・・
車を組み立てる苦労・・・木を伐りだす苦労・・・
簡単に大量に事が進めば・・・たくさんの人の手に渡って、お手軽な暮らしは出来るのかも知れないけれど・・・
そこそこの暮らしが、たぶん幸せなんだろうと思うのは・・・手にするまでの面倒なしぐさが・・・
ずいぶん後になって・・・懐かしく思えるからなんだと思う。

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