やがて背の高いヨシなどが生えていない場所に出る
「やっと湿原らしくなったね」
「ヨシを何とかしないと、乾燥化して湿原がダメに
なるんじゃない」
「だけど、ここは国の天然記念物に指定された湿原だから
切ったりして処分できないんじゃない。」などと会話
しながら歩く。
面白いもので、背の高い植物が無くなると、ウメバチソウも
エゾリンドウも丈が短くなっている。
「生存競争が厳しいよね」と花友は言う
そう言えばどこで見たか忘れたが、水芭蕉の場合、泥炭には
酸素が乏しいので、いったん地下に伸びた根が、細分化して
地表にユーターンして登り、地表から酸素を取り入れている
という。
全く植物の環境への適応のすさまじさに驚くばかりだ。
ツルコケモモの実
ツルコケモモの実群生、最初はミズゴケの色に紛れて判らなかったが
眼がなれてくると、あっちにもこっちにもツルコケモモの実があった
参考までにツルコケモモの花の写真を掲載します
このツルコケモモの写真は、2010年7月8日、
山形県の西吾妻連峰で撮影したもの。
花も良いが蕾もピンクで可愛い、湿原では他の草に紛れて
見逃しやすい。ツツジ科ツルコケモモ属の常緑矮小低木
小さくても木である。
ウメバチソウの群生、湿原の白い点々は、ほとんどウメバチソウ
だった
イソノキの実、駒止湿原花パンフによれば、イソノキという
落葉低木らしいが、図鑑によると主に温帯に分布する植物と
書いてある。
クロウメモドキ科クロウメモドキ属で樹高は1~3メートル
花期は6~7月で葉のわきに緑がかった黄色の小さな花を
多数つける。秋に小粒で丸形の果実がつき、熟すと黒くなる
葉の形は、先近くが幅広くなる舟形と書いてある。
私は初めて眼にする木であった。
大谷地の風景
大谷地の風景
ヤマドリゼンマイとエゾリンドウ
ミズギクの残り花、後で調べたら駒止湿原のミズギクは
オゼミズギクだそうである(小林隆著 会津の花により)
ミズギクの残り花3
紺碧の空と白樺と
雲一つ無い青空を見上げると、郷土の歌人、石川啄木の
歌を思い出す。
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸われし
十五の心
注 不来方(こずかた)とは盛岡城の事
盛岡城跡の草原に寝ころんで、空を見上げたら
15歳の私の心は、空に吸い込まれてしまった
と歌っているのだが、どことなく寂しさを感じるのは
私だけだろうか
大谷地の風景6
大谷地の風景、すでにウルシが真っ赤だ
その4につづく