ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「白いラビリンス」/ブリュー・ミュージアム 軽井沢/佐久:ヤナギダ店長コラム

2015年12月20日 06時13分47秒 | owarai
【コラム:】
雪というのは、外からながめ
ているぶんには、きれいだと
思う。でも、ひとりで立ち
向かうのはつらい。

白さもつらい。

寒かった。手がかじかんで、
自転車のハンドルにそのま
ま凍りつきそうだった。

耳が切れるように痛い、冬
の寒さも考えず、手袋もせず、
毛糸の帽子もかぶらず、飛び
出した自分があさはかに思え
た。

夜中の電話が迷惑なのは承知
だが、それ以上に熱く突き
上げる思いで、いっぱいだっ
た。

断られるのも、わかっていた。

夜中の訪問をOKするとは思え
なかった。それでも、話の途中
で電話を切られるとは思っても
みなかった。

・・・それだけの私だったの
     だろうか・・・・

さまざまな想いが交錯する。雪
に変った空模様に、しばらくは
酔っていた自分がいたけれど、

ずっと立ち向かっているのは悲しく
つらい。自転車がどこを走っている
のかさえ、わからなくなった。

私には、うちひしがれたクリスマス
になった。

しかし、今夜、おさえ切れぬ想いで
彼のそばまで行き、電話をしたのだ
った。

雪は時として、残酷だ。白くすべて
を覆って、今までの経過や、自分の
想いまで、閉じこめてしまうようで
・・・・。

白い雪が、顔にたたきつけるように
降る。自宅がやっと近くに見えて、
自転車を降りた。街灯に照らされ
て、舞う雪はきれいだった。

寒さを忘れてしばらくながめてい
ると、涙がこみ上げそうになった。

・・もう、会えない。だぶん・・・

彼は、白い雪のベールにはばまれ
て、遠くへ行ってしまった。

ほんの小さな記憶だけれど、かけ
がえのない思い出が、粉々になっ
て舞っていくようだった。

そして、白く、白く、包みこんで
しまう。

*

『白いラビリンス』
熱い想いを冷ますのを 通り
越し そのまま

フリージングしてしまうような
雪もあるのだ

白さは 闇の夜を 浮き立たせ
赤裸々に

悲しみまで 暴いて 時として
残酷だ

幼い日 あどけなく 白く 無垢
だった 雪の世界は

大人になって さまざまな想いで
見上げ 眺め

ただことでない 白い吐く息も 
つかせる

ただ あらがいようのない 白い世
界は

すべてものを 均一にする 威力を
持っている

都会の雑多な色合いも 人々の 喧騒
も 営みも

白いという まっさらな 色なき色と
音なき音で

時に残酷に 時にあたたかく 均一
平等に戻す

野沢93番地十二町
ぴんころ地蔵通側
~柳田二助商店~
℡0267-62-0220

『創業120年』