ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「目の前に、一軒のホテルがあった」 優しいひと

2022年01月07日 09時03分20秒 | owarai
辛うじて立てる岩場まできて
から、わたしは履いていた靴
を脱いで、谷底に向かって、
投げてみた。片方ずつ。両方
とも。

靴は闇のなかに吸い込まれて、
そこから返ってくる音はなか
った。靴を投げたあと、わたし
はゆっくりと自分の身を投げた。
・・・

 死に損なったわたしは、不完
全な死体として生き続けた。

五年かかって大学を卒業した
あと、大阪にある旅行代理店
に就職し、二十九のとき、お見
合いで結婚をして会社を辞めた。

娘が小学校に通い始めた年、
再就職した職場で優しい人と
知り合った。

わたしには夫と娘がいたし、
優しい人には奥さんと二人の
子どもがいた。

それでもわたしたちは、惹か
れ合う気持ちを抑えることが
できなかった。

「もっと早く出会えていたら」
とわたしたちはどちらも、言わな
かった。その代わりに、

「知り合えて、よかった」
「巡り会えて、よかった」
と言いあった。とても小さな
声で、囁くように。

まるで誰かに聞かれるのを恐れ
ているように、お互いにお互い
をかばい合うように、手と手を
しっかり握りあって。


わたしたちはホテルの一室に
チェックインした。
「こういうところに来たから
といって、何かしなきゃなら
ないってことはないんだよ。

服を着たまま、ふたりでこう
して横になっているだけでも、
僕は安らぐし、あなたがいや
なら今夜は何もしないで、し
ばらくしたら帰ろう」

と優しい人はいった。決して
開けらることのない窓のそば
に置かれた、よそよそしいベッ
トの上で。

わたしが恋に落ちたのは、、ま
さにその瞬間だった。もしも
そのとき、優しい人がわたしを
裸にして、貪るようにわたしの
躰を抱いていたなら、

それで憑き物は落ちてしまい、
わたしは優しい人に、恋を
しなかったかもしれない。

肉体関係を結ぶことなく、安
らぎだけを与え合ったその夜
を堺に、けれどもわたしたち
は、

決して安らぐことのない関係
に、のめり込んでいくことに
なった。
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「潔く、短い爪」

2022年01月07日 08時44分26秒 | owarai
ハンドケア、ネイルケアが定着
してしばらく経ちます。気軽に
入れるネイルケア・サロンが
あっという間に増えました。

指先や爪の先にまで愛情を込め
て手入れをし、神経を行き届か
せるというのは素晴らしいこと。

ただ、どうしてもエレガンスか
ら遠いと思わずにいられないの
が、信じらえないほど長く伸ばし
た爪です。

どう考えても、不潔にしか見え
ないのです。

単に好き嫌いを言っているのは
ありません。長く伸ばした爪に
あれこれと飾りをつけているの

を見ると、まず素朴な疑問として
「手を洗えるのだろうか」と
思わずにいられません。

普通に生活していれば、手が汚れ
たら洗いますし、お料理をしたり、
お洗濯をしたり、シャンプーした
り、長い爪をしてはできないこと
がほとんどでしょう。

「常に人を思いやること」。まわり
に配慮し、まわりと調和した中で
素敵に見えることこそ本当のエレ
ガンスだと思うのです。

そう考えれば、長く握手もできな
いような爪が人にどういう印象を
与えるか・・・自ずと分かるので
はないでしょうか。

欧州の教養あるレディやマダムた
ち、そして日本の皇室の方々まで、
エレガンスの見本になる方は、

どなたの爪も美しく短く切り揃え
られ、自然で健康的な指先を演出
していらっしゃいます。

マニキュアも、限りなく透明に
近いピンクや控えめなベージュ
系をお使いになっています。

体の状態を見るにも、爪は大切
なバロメーターになります。
健康な爪が持つ美しい桜色は、
それだけで最高のネイルアート
だと思います。

エレガントとは、自然であるこ
と。爪を短く切るのは、無理の
ない自然なことではないでしょ
うか?
 

「 泣かない 」

2022年01月07日 08時41分34秒 | owarai

見えるもの
見えないもの
遠いもの
すれ違う苦しさも

やさしさも今はもう
痛いほど知っている
痛いほど知っている
泣かない勇気があれば チャンスを
ください

恋人に出会うまで
ひとりでも平気
いたずらに傷つけ合う
そのほうが不思議
あの胸に帰りたい
あの胸に帰りたい
夢みる勇気があればチャンスを
ください

たえまなく落ちてくる
星くずになりたい
眠れないこの訳を
大切にするから
愛する勇気があればチャンスをください


真剣さは墨が知っていた

2022年01月07日 08時40分07秒 | owarai
書道で、全精神を投入して真剣
に書いた字を、電子顕微鏡で
1万倍ぐらいで拡大してみると、

墨汁の粒子がきれに並んで、
一粒一粒が生き生きして見える
という。

いくら専門家が上手に書いたつもり
でも、精神がこめられていないと
粒子は乱れ、一粒一粒が死んで
いるという。

私たちは人が見ていると一生懸
命にコトに取り組み、だれも見てい
ないと手抜きをする人がいる。

本物で厚みのある人間は、人が
見ていようと見ていまいと、きちん
とやるべきことを行うもの。

ある有名な音楽家は
「一日稽古を休むと自分が気づく、
三日稽古を休むと師匠が気づく、
一週間稽古を休むと観衆が気づく」
といって、

毎日一日も欠かさず稽古をつづけ
ている。

これからの時代はプロの時代である。
だれにも負けない真剣さをぶちこんで
取り組みたいもの。

他人なんか見ていても、見ていなく
てもいいではないか。

天は天眼をもって真剣さを持って
いるヒトを見ているものである。
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「ぼんやりそのまま・・あなたの姿を・・・」

2022年01月07日 08時38分17秒 | owarai
あなたの姿をながめていたら、視線
が合って、今まで学校では見たこと
のない、さわやかな笑顔を返してき
た。

その日から、学校でのあなたの見方
も変わった。

よく見ると、いつも眼鏡の奥で、優
しい瞳がしばたいて、肌も透き通る
ように白く、清潔な感じが好ましか
った。

もっと、眼鏡をはずした時の顔を
じっくり見てみたいと思う私だった。

      ◇

あまりにも好きで
その気持ちを
持ちこたえるのがつらかった

あまりにも好きだと
何も望めないんだね

あまりにも好きで
いっそ嫌いになりたかった
知らないままでいたかった

知らない頃には
もどれないけど

すっと好きで
今も好きで

この好きは
何も望まないから
たぶん強く
守られる
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心配  こころくばり

2022年01月07日 08時35分43秒 | owarai

「心痛はしてはいけない。
が、心配は大いにせよ」
と言う言葉がある。

劇作家の高田保氏が引っ
越し先の空き家に着いて
みると、家の中の清掃が

行き届いているのに感心
した。

早速荷物を納めようと押入
れを開けると、小さな紙包
みがある。

前に住んでいた人の忘れ物
かと見れば、「次に居住され
る奥様へ」と上書きされて
いる。

包みを夫人に開けさせると、
中には上質の障子紙一本と
手作りのぞうきんが数枚入って
いた。

前住者は島崎藤村の未亡人
だった。

心配、つまり心配りの行き届い
た場に遭遇すると、その人の
思いやりがしのばれて心が
温まる。