見つけてくれる人に、
人は動かされる。
自分の部下を「あいつはダメだ」と
言う上司は、人を動かすことが
できません。
上司の仕事は、自分の部下がダメ
かダメでないかを判断することで
はありません。
ほかの人がダメだと言ったとして
も、その部下の才能を何か見つけ
てあげるのが仕事です。
これは、プライベートでも、恋愛
関係でも、まったく同じです。
人間は自分の才能を見つけてくれ
てもらう喜びが、やる気になりま
す。
その見つけられた才能を使う喜び
が、人を動かしていくのです。
人生、いくら扉を叩いても
開かない時もある。
その時は神様の与えてくれた
時間だと思って、
自分の中身を膨らませる
ことね」。
/三輪明宏 歌手1935~
社会の窓という考え方で、全
開に扉が開いていないのに行
動してもうまくいかない。
出生地の長崎原爆で一家破産、
15歳での単身上京など、苦労
人だけに「落ち込むのは余裕
があるからよ」と言う。
「なんとかしなきゃ、の連続
だったから悩んでいる暇なん
てなかった」。
シャンソンの日本語カバー
「メケメケ」で注目を集め、
その美貌は三島由紀夫に
「天上界の美」と賞賛された。
近年、アーティストたちによ
るカバーが絶えない『ヨイト
マケの唄』は1965年発売。
スピリチェアルな発言も多く、
「美輪サマ」を慕う数多くの
「信者」たちの出現は記憶に
新しい。
人の心理には、人に喜んで
もらうことによって、自分も
励まされるという側面があり
ます。
自分一人が喜ぶよりも、大事な人
に喜んでもらうことのほうがもっ
と嬉しいものです。
子どもの頃、おふくろは「障子
貼りの手伝いはお前がいちばん
うまい」と褒めてくれたもので
す。そう言われるのが嬉しくて、
正月の障子貼りの季節になると、
寒い中を一生懸命に手伝ったも
のです。するとおふくろは、
「お陰でこんなにきれいに貼れ
た」と言って喜んでくれたもの
です。
大事な人が喜んでくれたことが
嬉しくて、心にポッと灯がとも
るような気がしたものです。
そのせいか、いまだに私は家の
障子貼りをしています。
誰でも、自分ほど愛しい者はい
ません。本当につらい思いをす
る中でそのことを実感し、人の
情けが身に染みたとき、
他人もきっと自分がいちばん
愛しいはずだと思えるようにな
ってきます。
そのときはじめて、人に喜んで
もらうことが、いかに自分の喜び
であるかが心から実感できるよう
になります。
そんな経験をした人は、仕事の
上でお客様に喜んでもらえるこ
とが、自分の喜びとなることを
知っています。
そうなると苦労もまた、いいも
のです。
「人間、どの道を選ぶにしろ
大いなる成功を収めるには、
運がよくなければならない。
だが、幸運を得るためには、
努力と実力と忍耐が不可欠で
ある。
成功者の幸運は
① 運を逃がさぬ絶え間ない努
力と、
② 運に乗って飛躍できるだけの
実力と、
③ 運がくるまでの苦難に耐える
忍耐の成果なのだ。
世に、努力をし、実力もあり、
忍耐もしたのに、ついぞ運に恵
まれずに人生を終えた不幸な人
も数多い。
しかし、努力と実力と忍耐を欠
いて、幸運だけで大成功した人
物は見当たらない」(堺屋太一著
『豊臣秀長』)
日本史上で最も過激な競争社会、
十六世紀の戦国時代に大成功し
た英傑たち。
その生涯を見るとき、つくづく
思うのは、彼らはみな、大なり
小なり幸運児であったというこ
とである。
だが同時に、彼らはみな凄じ
いほどの努力と並みはずれた
実力と驚くほどの忍耐を経て
いる。
乱世の天下統一の先鞭をつけ
た偉才、織田信長も、それを
受け継いだ豊臣秀吉も、
そして江戸時代の礎を築いた
徳川家康もまた、この例外で
はない。
マキャベリは、運の六〇%は
天運で四〇%は人間の運であ
ると言う。
たとえ悪運であろうとも、知恵
を絞ることによって防ぐことが
できる。それには、勉強と努力
が必要である。