夜明けは やわからに 残酷
小さな時の積み重ねも
消えていきそうな朝がある
愛して刹那(せつな)
一晩が終わる刹那
そして一日が始まる刹那
悲しみ凝縮して そして拡散する
幸福感は 不幸と不幸のはざまに
一瞬よぎり
瞬間 しっかり握らないと
てのひらから逃げていく
そこはかと ままらない想い
かかえても
愛が そのはざまから 見えたなら
それでいい
クールなのかウエットなのか
わからないままで
夢と区別のつかない恋もあるのだと
短くも はかなくも 美しく
蝶の ひとひらの 羽のように
小さな時の積み重ねも
消えていきそうな朝がある
愛して刹那(せつな)
一晩が終わる刹那
そして一日が始まる刹那
悲しみ凝縮して そして拡散する
幸福感は 不幸と不幸のはざまに
一瞬よぎり
瞬間 しっかり握らないと
てのひらから逃げていく
そこはかと ままらない想い
かかえても
愛が そのはざまから 見えたなら
それでいい
クールなのかウエットなのか
わからないままで
夢と区別のつかない恋もあるのだと
短くも はかなくも 美しく
蝶の ひとひらの 羽のように
両親の離婚は―――
ちっとも悲しくなかった、と
言えば、それは嘘になる。
けれど、悲しくて悲しくて
毎日泣き暮らしていたのか
というと、そうでもなかった。
ただ、一度だけ、全身がばら
ばらになるほど激しく、泣いて
しまったことがある。
母が家を出ていってから、二、
三ヶ月が過ぎていた、ある日
曜の朝だった。
騒々しい物音で目が覚めて、
部屋のカーテンをあけたわた
しの目に飛び込んできた風景。
狭い裏庭いっぱいに積み上げ
られていた、鏡台、本棚、書
物用の机と椅子、洋服、バック、
靴、オルゴール、時計・・・
それらはすべて、母の持ち物
だった。
母は家を出ていく時、ほんの
僅かな荷物しか持って出なか
った。
だから、母がいなくなったあ
とも、家の中には母の所有物
が多く残されていた。きっと
そのせいで、わたしはまだ
「母がここにいる」と、感じる
ことができていたのだろう。そ
して、喪失感や寂しさから、救
われていたに違いない。
ねえ、お母さん。いつか、ここ
に戻ってくるよね?わたし、待
ってるよ。
ところがその朝、そんな期待は
木っ端微塵に打ち砕かれた。
母が愛し、慈しみ、使い込んで
きたもの。育ててきたもの。
何もかもがごっちゃにされて、
見るも無残な瓦礫の山と化し
ていた。翌朝、ごみとして
捨てられてしまうために。
それはまるで生きている者
たちのように、悲鳴をあげて
いた。わたしに向かって、
叫んでいた。
「助けて」
「捨てないで」
「連れていって」
「お願い」
その光景を目にした時、全身
から、悲しみが吹き出してきた。
心と同じように物も、痛みを
感じているのだと思った。
捨てられた痛み。愛する人と
離れ離れになった痛み。おそ
らく、わたしはその時初めて、
別れというものを、形あるも
のとして、見ていたのではな
いかと思う。
わたしは泣きながら、パジャマ
姿のまま庭に飛び出して、母
の持ち物の前まで駆け寄って
いった。
何かひとつ、たったひとつ
だけでもいから、救い上げたい。
でも、いったいどれを救えば
いい?
どうやって選べばいい?
これもあれも、母に大切に
していたものばかりなのに。
迷いながらも、手をのばして、
拾い上げて、抱きしめた。
茶色の熊のぬいぐるみ。
胸に赤いボタンがついて
いる――――
それは、幼かったわたしが、
眠る時も、ごはんを食べてい
る時も、テレビを見ている時
も、片時も離さなかった。
まるで友だちのような熊だった。
やがて成長したわたしが手放
したあとも、母は大切にしま
っておいたのだ。自分の宝物
として。
そのぬいぐるみを、わたしは
今も持っている。両腕で、か
ばい続けている。母とわたし
の傷痕の象徴として、
とどどき取り出して、赤いボ
タンに触れてみる。
「また会えたね」
と、呟きながら。
ちっとも悲しくなかった、と
言えば、それは嘘になる。
けれど、悲しくて悲しくて
毎日泣き暮らしていたのか
というと、そうでもなかった。
ただ、一度だけ、全身がばら
ばらになるほど激しく、泣いて
しまったことがある。
母が家を出ていってから、二、
三ヶ月が過ぎていた、ある日
曜の朝だった。
騒々しい物音で目が覚めて、
部屋のカーテンをあけたわた
しの目に飛び込んできた風景。
狭い裏庭いっぱいに積み上げ
られていた、鏡台、本棚、書
物用の机と椅子、洋服、バック、
靴、オルゴール、時計・・・
それらはすべて、母の持ち物
だった。
母は家を出ていく時、ほんの
僅かな荷物しか持って出なか
った。
だから、母がいなくなったあ
とも、家の中には母の所有物
が多く残されていた。きっと
そのせいで、わたしはまだ
「母がここにいる」と、感じる
ことができていたのだろう。そ
して、喪失感や寂しさから、救
われていたに違いない。
ねえ、お母さん。いつか、ここ
に戻ってくるよね?わたし、待
ってるよ。
ところがその朝、そんな期待は
木っ端微塵に打ち砕かれた。
母が愛し、慈しみ、使い込んで
きたもの。育ててきたもの。
何もかもがごっちゃにされて、
見るも無残な瓦礫の山と化し
ていた。翌朝、ごみとして
捨てられてしまうために。
それはまるで生きている者
たちのように、悲鳴をあげて
いた。わたしに向かって、
叫んでいた。
「助けて」
「捨てないで」
「連れていって」
「お願い」
その光景を目にした時、全身
から、悲しみが吹き出してきた。
心と同じように物も、痛みを
感じているのだと思った。
捨てられた痛み。愛する人と
離れ離れになった痛み。おそ
らく、わたしはその時初めて、
別れというものを、形あるも
のとして、見ていたのではな
いかと思う。
わたしは泣きながら、パジャマ
姿のまま庭に飛び出して、母
の持ち物の前まで駆け寄って
いった。
何かひとつ、たったひとつ
だけでもいから、救い上げたい。
でも、いったいどれを救えば
いい?
どうやって選べばいい?
これもあれも、母に大切に
していたものばかりなのに。
迷いながらも、手をのばして、
拾い上げて、抱きしめた。
茶色の熊のぬいぐるみ。
胸に赤いボタンがついて
いる――――
それは、幼かったわたしが、
眠る時も、ごはんを食べてい
る時も、テレビを見ている時
も、片時も離さなかった。
まるで友だちのような熊だった。
やがて成長したわたしが手放
したあとも、母は大切にしま
っておいたのだ。自分の宝物
として。
そのぬいぐるみを、わたしは
今も持っている。両腕で、か
ばい続けている。母とわたし
の傷痕の象徴として、
とどどき取り出して、赤いボ
タンに触れてみる。
「また会えたね」
と、呟きながら。
ゆがんだ不良は落ちこぼれ。
まっすぐな不良はエリート。
ワルの紳士、永ちゃんの東芝
EMIのCD宣伝コピーがバブル
時期にはありました。
※ホームページ
https://www.yanagida-sakushi.com/
まっすぐな不良はエリート。
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タバコを吸うトッぽい仕草とか、
石ころを蹴るやんちゃさとか。
筋肉を鍛えたり。体のどこかに
持っている少年の部分。
※ホームページ
https://www.yanagida-sakushi.com/
石ころを蹴るやんちゃさとか。
筋肉を鍛えたり。体のどこかに
持っている少年の部分。
※ホームページ
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余計な力を入れずリラックスし
て、さり気なく。何かにつけて
これが大切であるとはわかって
いる。わかるけど、青い目の美
人の前だとついつい気合が入っ
てしまう。
欧米の女性は、男の靴下で品定
めをするのでくれぐれも3足千円
の靴下はやめてくれ。
※ホームページ
https://www.yanagida-sakushi.com/
て、さり気なく。何かにつけて
これが大切であるとはわかって
いる。わかるけど、青い目の美
人の前だとついつい気合が入っ
てしまう。
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の靴下はやめてくれ。
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分類上、ワイシャツは下着です。
たいていのオフイスで、男たち
は下着で働いているわけだ。
パンツにこだわるなら、ワイシ
ャツにも気をつかわないと。
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は下着で働いているわけだ。
パンツにこだわるなら、ワイシ
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