1月1日のあなたの、
心の中にいたい。
牛乳は、工場で生まれません。
牧場で育まれる、いのちの飲
み物。だから、時間がかかり
ます。
小学校の時、転勤で仙台にいた
とき隣が牧場で教えてもらいま
した。
今朝飲む一杯をつくるのにも、
3年の歳月がかかっていたこ
と。成牛に種付けし、出産。
生まれた子牛を、エサや環境
に注意を払い、乳が出るまで、
手塩にかけてじっくり育てあ
げる。
こうしてようやく、一杯の牛乳
が生まれるのです。その期間、
およそ3年。酪農家に休みはあ
りません。そのどの一瞬も、手
を抜くことはできません。
この間にかけた労力が、品質や
安心に直結するからです。
豊かな栄養素はもちろん、これ
だけの手間と愛情の込められた
牛乳が、
今日もあたりまえに手に取れる
価格で売られているということ。
あなたに知ってもらえたら、う
れしい。
そう。牛乳は、丁寧に丁寧に
「育まれる」飲み物なのです。
今朝の一杯をいただくのに、
3年かかるのです。
ある女性が「カレシは背が高いの」
というときは標準の身長から考え
て、「大体170センチ以上かなー
?」思い浮かべることができる。
そこに共通の基準があるからだ。
イケメンというルックスだって、
もっと抽象的な優しさだって、
大体のことは想像がつく。それ
は皆にとってオープンとなって
いる基準があるからだ。
古いがキムタクがイケメンだっ
たというのは周知の事実だし、
ヨン様のように優しい人がいい、
と言えば「ああいう優しさね」
と納得できる。
ところが、「カレシはセックス
が上手」と言われても、それが
どの程度の上手さで具体的に何
を指すのかは、よくわからない。
大体カレシのセックスを自慢す
る女なんか、見たことないし、
もしも存在したとしても根掘り
葉掘り聞くわけにはいかない。
勝手に想像を膨らませるしかな
いのだ。
でもその想像だって自分の中の
経験値による物差しが基準とな
る。
だから、もしも「カレシはセッ
クスが上手」と三十歳のA子
さんがのたまったとき、五人
の同い年の女友達が「ふうん
」と聞いたとしても、それぞ
て頭の中で想像している「上
手」は皆全然違うことになる。
一人は「サイズが大きいのね」
と思っているかもしれないし、
「テクニシャンなのね」と勝
手に四十八手を想像している
かもしれないし、
「手先が器用なのかしら?」
と考える人もいるだろう。
その物差しもすべて、その
女性が培ってきた経験による
ものなのだ。
三十人以上経験した女性なら、
あんなこともこんなことも考
えて「上手」ということをと
らえるだろう。
でももし一人の男性しか知ら
なければ、それが基準にとな
ってしまう。そもそも自分の
カレシが上手か下手かもわか
らないかもしれない。
女友達が酒のさかなに「実は
ね・・・・」という前置きの
後に吐露する話しで多いのが、
この「基準」が変わったとい
う告白。
柔らかく表現するなら「やっと
目覚めた」という話しである。
例えば、二十代のときに長い
付き合いをしていた同い年のカ
レシとのセックスがずっと
「スタンダード」だと思ってい
た女性が、たまたま三十代にな
って年上の男性とひょんなこと
からエッチをしてしまったとす
る。
それがもうびっくりするくらい
良くて、「セックスってこんな
イイものだったの!」と開眼し
てしまうという経験。この手
の話しは負け犬からよく聞く。
多分、勝ち犬ならば、その自
分が勝手に誤解していたスタ
ンダードの同い年のカレシと
そのまま結婚しているだろう。
そして、永遠に目覚めること
なく、その夫とのセックスが
基準だと思って余生を生きる
のである。
ところが目覚めちゃった負け
犬はいまさら同い年のカレシ
とのあっさりしたセックスで
は満足できなくなる。
果たして、女にとってどちらが
幸せなのであろうか?
どれだけ君のことを思っていても
口に出さなきゃ伝わらない、
あなたの隣にいたいんです。
あなたの一番になりたいんです
柔らかいとげが刺す。ぷち
んと刺す。ぷちんと刺すが
赤く滲(にじ)む。
それは恋に似ている。
優しさにどうしようもなく
傷ついてゆく恋に似ている。
YouTube
Just The Two of Us - Adikara Fardy (Cover)
https:/
片思いは至福の時間。
あなたがそこにいてくれる
だけでいい・・・・。
それだけを願えるなら、
これほど純粋になれる
時間はないかも知れま
せん。
似ている背中に振り向き、
何を見てもその人を想い
出す。美しいものに心震
え、音楽は心の奥まで響き、
染みる。もしも、あなたが
そこにいてくれたらそれ
だけでいい・・・・・
ただただそう思えるなら、
片思いは手放しがたい
ものかもしれない。
こんなに好きなのに、
どうして好きなだけでは
いられないのでしょう。
恋しさは寂しさによく似て
いて、
逢いたい想いも淋しさに
似ていて、
あなたひとりを見つめていた
くて、
愛する人をひとりじめにしたく
なって。
やがて淋しさからやきもちが
生まれて。
そんな恋の渦巻きに巻きこまれ
そうなとき、
やきもちなんて知らないよ、
と、見上げた空の青さがなんだ
か悲しい。
――――また、会えたね。
あのひとのうしろに隠れる
ようにして、俯(うつむ)き
加減の少年が立っている。
―――驚いた!こんなことって、
あるのね?
―――僕は驚かなかった。全然。
と,あのひとは言う。その時、書棚の
陰から、ひとりの少女が小鹿のよう
に飛び出してきて、わたしの姿に気
づき、はっと姿勢を正す。あのひと
笑顔を向けながら、話しかける。
―――ほら、章子ちゃん。ご挨拶して。
この人が『はるになったら』のお姉さん
だよ。
―――こんにちは、高田章子です。この
子は、弟の登です。
―――ああ、ほんとに、驚いちゃった。
こんなことって、あるのね
―――さっきから、驚いてばかりいる。
そう言って、あのひとは笑う。
―――あなたはどうして、驚かないの?
―――驚かないよ。だって、絶対
会えるってわかってたから。
―――どうして、わかるの、そんなこ
とが、
―――理由なんて、ないよ。ただ、わかっ
ただけ。決まってたんだよ。ここで、
こうしてまた会えるって、最初から
決まってた。
それからあのひとは、わたしの胸
もとに、まっすぐ右手を差し出す。
大きな手のひらだ。わたしは知って
いる。
大きくて、ごつごつしていて、温
かい。
わたしに手紙を書いてくれた手。
電話をかけてくれた手。あの日、
成田で、わたしを抱きしめてくれた
手だ。
そう、これがあのひとの「忘れ物」
だった。
わたしは繰り返す。
強く、強く、もう絶対に離さないと、
自分に言い聞かせながら。