『肩胛骨は翼のなごり』、デイヴィッド アーモンド著、山田 順子訳、東京創元社
<あらすじ>
主人公のマイケルは、家族とともに新しい家に越してくる。彼はサッカーが好きで、作文が上手い少年。環境の変化のせいで多少の不安や寂しさがあっても、本来なら楽しい気持ちでいっぱいのはず。
でも、生れて間もない妹は、生命が危ぶまれるほどの心臓の病気を患っていた。マイケルやお父さん、お母さんにも、その暗雲がのしかかっていた。
主人公のマイケルは、家族とともに新しい家に越してくる。彼はサッカーが好きで、作文が上手い少年。環境の変化のせいで多少の不安や寂しさがあっても、本来なら楽しい気持ちでいっぱいのはず。
でも、生れて間もない妹は、生命が危ぶまれるほどの心臓の病気を患っていた。マイケルやお父さん、お母さんにも、その暗雲がのしかかっていた。
引越し先の家の裏庭には、古ぼけて、今にも崩れそうなガレージがあった。お父さんには、危険だから中に入ってはいけないと止められていたが、マイケルはこっそりと入ってしまう。
そしてガラクタと埃まみれの中から、翼を持った生き物スケリグと出会う。マイケルは、とても衰弱していたスケリグを、新しい友だちの少女ミナとともに命を助けようとした。
そしてガラクタと埃まみれの中から、翼を持った生き物スケリグと出会う。マイケルは、とても衰弱していたスケリグを、新しい友だちの少女ミナとともに命を助けようとした。
<感想>
デイヴィッド アーモンドの処女作で、カーネギー賞とウィットブレッド賞を受賞した英国児童文学の新しい傑作。
主人公マイケルの目を通して描かれる物語は、夢と現実の間にあって、繊細で美しく、まるで澄み切った満月の晩に水面に映った月のように、ときには美しく。風が吹けば、波紋が起きれて消えてしまうようなに、ときにはかなさを感じる作品です。
デイヴィッド アーモンドの処女作で、カーネギー賞とウィットブレッド賞を受賞した英国児童文学の新しい傑作。
主人公マイケルの目を通して描かれる物語は、夢と現実の間にあって、繊細で美しく、まるで澄み切った満月の晩に水面に映った月のように、ときには美しく。風が吹けば、波紋が起きれて消えてしまうようなに、ときにはかなさを感じる作品です。
短い章(多くても4~5ページほど)をいくつも積み立てて構成されていて、すべてを語らずに曖昧な部分を故意に(たぶん)入れている。
こうすることでゆれる少年の心の繊細さ、物語り全体における神秘さをかもし出しています。
こうすることでゆれる少年の心の繊細さ、物語り全体における神秘さをかもし出しています。
なんでもない出来事が、10歳の少年には、大きな不安ともたらすことを気づかされる。
そんなピュアな時が、自分にも有ったんだと思い起こさせてくれた、心洗われる作品でした。
そんなピュアな時が、自分にも有ったんだと思い起こさせてくれた、心洗われる作品でした。