
昨日(9日)の『しんぶん赤旗』(15面)に「『署名連行』捜査を断念 東京・小金井署 守る会 勝利声明」という記事が出ていました。
約2か月前の3月31日、日本共産党後援会の会員3人が「安倍9条改憲NO! 3000万人署名」への協力を呼びかけるため、東京都小金井市緑町の3階建てマンションで、午前10時半ごろからインターホンを鳴らして署名への賛同を訴えながら各戸を訪問。回り終えてしばらくしたころ警官2人が現れ、「住民から通報があった。不法侵入になる」と告げました。
その後、警官が十数人に増え、パトカー3台に護送車1台も到着。「凶悪犯罪」に対するかのような異常な態勢の中、3人は強制的に連行されました。警視庁小金井署で取り調べを受けますが、日本国民救援会三多摩総支部から通報を受けた弁護士らが駆け付け、釈放されました。
このマンションはオートロック未設置で、共用玄関には扉がなく、ドア1枚開けず各戸の玄関先に行き来できる開放的な構造になっていて、管理人も常駐しておらず、部外者の立ち入りが禁止されていると思われる建物ではなく、「住居侵入罪」は成立しません。この不当連行事件は、安倍9条改憲に反対する運動を威圧するものであり、署名という市民の表現活動や参政権(請願権)の行使など憲法が保障する基本的人権を侵害する重大な権力の乱用です。
4月13日、国民救援会総支部や弁護士らが同市で記者発表し、事件の不当性を告発しました。そして、支援者らは「3人を守る会」準備会を立ち上げ、同署への抗議などを行っていくとしています。
5月30日、小金井署は3人の弁護人のもとに、捜査を終結し、書類送検を行わないことを連絡。同時に刑事訴訟法の微罪処分も行わないことを説明しました。
6月6日、「3000万人署名不当連行事件から3人の市民を守る会」は「勝利声明」を発表し、「事実上の警察による捜査断念、中止の宣言であり、全国に広がった支援運動の大勝利です」と表明。市民3人が集めようとしていた署名について「署名を通じて憲法改正についての意思を表明するものであり、まさに国民主権を体現するものに他ならない」と指摘し、警察による弾圧は「民主主義への挑戦であり、断じて許すことができない」と糾弾しました。
思い出した警備公安警察のこと
2~30年前、僕は日本国民救援会岡山県本部で専従職員をしていました。
A君は、県内の金属加工会社で働いていて、日本民主青年同盟(民青)の岡山地区委員をしていました。ある日、A君から相談があり、話を聴きました。
A君は、1人住まいの自宅を訪ねてきた男性と次第に親しくなり、スナックでおごってもらったり風俗店に連れて行ってもらったりする仲になり、民青の地区委員会議の資料などを渡すようになっていったそうです。その男性は、革新系団体の情報収集などを行う「警備」担当の警察官でした。
ところがA君は、あまり熱心には民青同盟の活動に参加しなかったので、入手できる資料が少なく、「警備警官」から、もっと情報を持ってこいと言われていました。
ある日、暗くなってから「警備警官」に呼び出され、暗い川岸で「もっと資料を持ってこい。できなんだらここから突き落とすぞ」とすごまれたそうです。
A君は本気にして、「殺される」とおびえて国民救援会に助けを求めたのでした。
僕は、関係する団体に連絡するとともに、おびえるA君が落ち着くまでの2・3日、車で移動するときには助手席に座ってもらい、行動を共にしていました。
その警備警官、「やってまった!」と、脅迫し過ぎたことを後悔したことでしょう。