もし、京都の365日のうちで、一番好きな日を1日選べ、と言われたら、私は、祇園祭の宵山か、大晦日を選ぶ。
祇園祭の方は、宵山でも、宵々山でも、宵々々山でも、風情にそれほどの差はないから、「この1日」、という意味では、大晦日が一番かもしれない。
それほど、私は、京都の大晦日が好きだ。
- 異様な賑わいをみせる錦市場
- 寺町三条の三嶋亭の前にできる長い行列
- 柊屋や炭屋といった老舗旅館や京都の旧家の前に飾られる、新年を迎えるための古式豊かな飾り
- 神社で行われる大祓(おおはらえ)の儀式
- お寺の除夜の鐘
- 八坂神社のオケラ参り
など、大晦日に繰り広げられる、京都の風物詩絵巻は、実に多彩で、それぞれに趣きがある。
たとえば、大祓の儀式。これは、神道にとって最重要とされる神事の1つだから、どの神社でも行われるはずだから、京都にある神社の数を思うだけで、気が遠くなる。
お寺の除夜の鐘も、シカリ。訓練した大勢の僧侶がつく知恩院の大鐘、など特殊な例を除き、たいていは一般人参加型だから、京都中いたるところのお寺で大変な盛り上がりをみせる。
去年は知恩院、今年は高台寺、という具合に、年々計画されて回られる方も多いし、一晩で、いくつもの有名寺院の除夜の鐘をハシゴすることも、京都ならできる。
いずれにしろ、これほど、「盛りだくさん」な京都の1日、というのは、一年中でも他にない、京都好きにとっては、たまらない1日だ。
(関連ページ)
- 大晦日の矢田寺の様子については、「京都・矢田寺(寺町通り・三条上ル)」
- 大晦日の誓願寺の様子については、「京都・誓願寺(新京極通り・三条下ル)」