今月の名古屋市長選挙において換局つまり市役所内の行政権力スタイルの大きな変化があるかどうかを聞いたとしたら、普通の職員は、河村市長なら換局がおこり、細川市長なら換局はおこらず、ありえないけど太田市長ならまたこれはこれで換局と思うだろう。だけど僕は必ずしもそうとはいえないと思う。
まず河村候補。民主党の選考過程で党本部が河村候補を支持したのは市民の人気が高いからだという。僕は実はそれがあまりピンとこない。実はぼくは市職員のときのかなり以前から河村たかし氏の主張はもっともだと公言してきた。しかし職場の市の職員は河村たかし氏を敵視する人ばかりだ。だから素の市民の意見を知らないからピント来ないのかもしれない。問題は河村市長が市役所の中に飛び込んで、うまくヘゲモニーを握り改革できるかだ。
韓流ドラマの「張禧嬪」の初めのほうの放送で、「清国では朝鮮国は王様より臣下のほうが強いとうわさしている」という発言があった。実際に、王様が何か変わったことをしようとすると、西人派の臣下たちは「前例がない」「国法に反する」といって反対する。王様が引き下がらないと、大臣が王様の宮殿前の庭で座り込んだり、大臣が連名で辞職願を出したりする。はては国立大学の学生を動員してシュプレヒコールを上げさせる。というわけで、王様の思いどおりにはなかなかならない。今の日本の役所も似たようなものだ。でもでも、権限の正統性からいえば、王様に最終権限があるように、省庁の大臣や自治体の首長に役所の権限がある。「張禧嬪」ではついに王様は伝家の宝刀を抜いて、大臣全員を罷免して朝廷の権力を入れ替えた。この王様は3回換局を行った。そのたびに官吏が粛清されて流罪や処刑になったので、後世の人から粛宗と呼ばれる。河村市長もうまく伝家の宝刀のを抜けば換局つまり改革は可能だ。でも使うタイミングを誤れば自爆ということもありうる。また使わなければ、取り込まれて換局できない。だから河村市長誕生が即換局ではない。
そこで、「王の女」の主人公の女官ケトンにならってアドバイスをするとしよう。まず市役所で行われている制度及び慣習で、市民の前に出せば表だって弁明できない不合理な事からマスコミを味方にして取り上げていくことだ。橋下府知事はいまその段階。河村氏が正しいと思っても、職員から屁理屈でも反対する理由が出るものを最初に持ってくると抵抗が強い。それは必要かもしれないがヘゲモニーを握ってから行えばよい。市民を味方にでき市議や職員が抵抗しづらいものから手をつけ、市民の支持が高まったところで大改革をすればよい。
次は細川市長の場合。市職員の中には元役人だから河村氏より職員に甘いかもしれないとの希望を抱いている人も多いだろう。職員の労働組合の自治労名古屋も、民主党支持なのに市長選は自主投票で事実上細川氏を応援しているのもそのためだろう。まあそのとおりで、そうした意味での換局はない。だが別の意味での換局はありうる。通産官僚だった細川氏が市長になった場合、市役所内で自分の手足となって動く幹部職員を必要とするため、国から官僚の派遣を求める可能性がある。これはこれで大きな換局だ。名古屋市はいままで国からの幹部職員の派遣を受けないできたのだから。キャリヤ制度がなく、係長試験の合格時期から年数を積み上げて昇進してきた幹部職員が、国から派遣された自分よりずいぶん若い総務局長や市民経済局長の下で働くのは今までにない体験となるだろう。
細川氏について僕の意見は、彼は通産官僚から即市長候補ではなく地元の中京大学教授から出馬として地元候補のふりをしているが、脱藩官僚で霞が関を飛び出したのなら期待できるがそうではない。中京大学教授は昨年9月からだ。これは僕の推測では、彼は名古屋市長をはじめから目指していたのだが、中央アレルギーのある名古屋政界を意識して、いったん地元の中京大学教授という肩書を取ったのだと思う。姑息だな。中央アレルギーというのは、前の県知事が退任するとき中央から派遣の総務部長を後継に推薦しようとしたが、地元政界が反対して弁護士出身の当時の一宮市長が候補になったことがある。それに細川氏は天下り官僚で、通産省所轄の業界団体の鉄鋼連盟の理事に天下っていた。つまり政官業のステルス利益共同体にどっぷり漬かってきた人物だ。鉄鋼連盟は鉄鋼業界の組織として重厚長大政策の推進派で道路公団改革でも妨害してきた。だから細川氏は官僚的視野の狭さと仲間内利益の追求から細川氏から産業開発的な政策中心となる。でもさ、これからは、景気に左右されずに全市民が安心して生活を続けられる仕組みをつくることが課題なのだよ。
まず河村候補。民主党の選考過程で党本部が河村候補を支持したのは市民の人気が高いからだという。僕は実はそれがあまりピンとこない。実はぼくは市職員のときのかなり以前から河村たかし氏の主張はもっともだと公言してきた。しかし職場の市の職員は河村たかし氏を敵視する人ばかりだ。だから素の市民の意見を知らないからピント来ないのかもしれない。問題は河村市長が市役所の中に飛び込んで、うまくヘゲモニーを握り改革できるかだ。
韓流ドラマの「張禧嬪」の初めのほうの放送で、「清国では朝鮮国は王様より臣下のほうが強いとうわさしている」という発言があった。実際に、王様が何か変わったことをしようとすると、西人派の臣下たちは「前例がない」「国法に反する」といって反対する。王様が引き下がらないと、大臣が王様の宮殿前の庭で座り込んだり、大臣が連名で辞職願を出したりする。はては国立大学の学生を動員してシュプレヒコールを上げさせる。というわけで、王様の思いどおりにはなかなかならない。今の日本の役所も似たようなものだ。でもでも、権限の正統性からいえば、王様に最終権限があるように、省庁の大臣や自治体の首長に役所の権限がある。「張禧嬪」ではついに王様は伝家の宝刀を抜いて、大臣全員を罷免して朝廷の権力を入れ替えた。この王様は3回換局を行った。そのたびに官吏が粛清されて流罪や処刑になったので、後世の人から粛宗と呼ばれる。河村市長もうまく伝家の宝刀のを抜けば換局つまり改革は可能だ。でも使うタイミングを誤れば自爆ということもありうる。また使わなければ、取り込まれて換局できない。だから河村市長誕生が即換局ではない。
そこで、「王の女」の主人公の女官ケトンにならってアドバイスをするとしよう。まず市役所で行われている制度及び慣習で、市民の前に出せば表だって弁明できない不合理な事からマスコミを味方にして取り上げていくことだ。橋下府知事はいまその段階。河村氏が正しいと思っても、職員から屁理屈でも反対する理由が出るものを最初に持ってくると抵抗が強い。それは必要かもしれないがヘゲモニーを握ってから行えばよい。市民を味方にでき市議や職員が抵抗しづらいものから手をつけ、市民の支持が高まったところで大改革をすればよい。
次は細川市長の場合。市職員の中には元役人だから河村氏より職員に甘いかもしれないとの希望を抱いている人も多いだろう。職員の労働組合の自治労名古屋も、民主党支持なのに市長選は自主投票で事実上細川氏を応援しているのもそのためだろう。まあそのとおりで、そうした意味での換局はない。だが別の意味での換局はありうる。通産官僚だった細川氏が市長になった場合、市役所内で自分の手足となって動く幹部職員を必要とするため、国から官僚の派遣を求める可能性がある。これはこれで大きな換局だ。名古屋市はいままで国からの幹部職員の派遣を受けないできたのだから。キャリヤ制度がなく、係長試験の合格時期から年数を積み上げて昇進してきた幹部職員が、国から派遣された自分よりずいぶん若い総務局長や市民経済局長の下で働くのは今までにない体験となるだろう。
細川氏について僕の意見は、彼は通産官僚から即市長候補ではなく地元の中京大学教授から出馬として地元候補のふりをしているが、脱藩官僚で霞が関を飛び出したのなら期待できるがそうではない。中京大学教授は昨年9月からだ。これは僕の推測では、彼は名古屋市長をはじめから目指していたのだが、中央アレルギーのある名古屋政界を意識して、いったん地元の中京大学教授という肩書を取ったのだと思う。姑息だな。中央アレルギーというのは、前の県知事が退任するとき中央から派遣の総務部長を後継に推薦しようとしたが、地元政界が反対して弁護士出身の当時の一宮市長が候補になったことがある。それに細川氏は天下り官僚で、通産省所轄の業界団体の鉄鋼連盟の理事に天下っていた。つまり政官業のステルス利益共同体にどっぷり漬かってきた人物だ。鉄鋼連盟は鉄鋼業界の組織として重厚長大政策の推進派で道路公団改革でも妨害してきた。だから細川氏は官僚的視野の狭さと仲間内利益の追求から細川氏から産業開発的な政策中心となる。でもさ、これからは、景気に左右されずに全市民が安心して生活を続けられる仕組みをつくることが課題なのだよ。