京都の台所・錦市場のアーケード入口に掲げられている画家・伊藤若冲の作品をあしらった懸垂幕です。このような風景を絵に出来るだろうかと迷いつつ、カメラに収めてきたのでした。
錦市場の起こりは平安時代に遡ると言われ、新鮮な野菜や魚介類など140店舗近くが並びます。
観光客らにも人気のスポットですが近年、一躍名を高めたのは、ここには青果商だった伊藤若冲の生家があり、創作活動の場にもしていたことでしょう。
アーケードを歩くと、懸垂幕やシャッター、店舗などあちこちで若冲の絵に出合い、「若冲市場」といってもいいくらいです。
絵にした懸垂幕の上には「錦」と書いた看板があり、看板の向こうには商店が並びますが、左側にあった交通標識だけにとどめました。
若冲の絵の野菜や鳥、タイ、フグなどの色や形は、あまり詳細に気を遣わず描きました。気を遣っても到底及びませんから。
絵の左下に「若冲」とあり、落款印が入っています。昨今、行政文書の押印撤廃が論議されていますが、「絵や書など趣味の世界では、やはりこれがなければ」なんて考えてしまいました。
一番の書き入れ時である歳末。コロナ感染防止で大変でしょうが、千客万来であればいいですね。