この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

空を飛んだ話

2011-05-09 18:06:50 | つれづれ記
わたしが5歳の頃のことである。
空を飛びたいと思って、近所で仲良くしているキョウ坊とつよしを誘った。
キョウ坊は時計屋の息子、つよしは普天間神宮の息子だった。「強」という名前にもかかわらず弱虫ですぐ泣く子だった。泣いているのに涙はひと粒も流れない不思議な子だった。ふたりはわたしの言うことをよく聞いた。
捕まえたシロオビアゲハの羽をむしり肩に糊付けして、それから両手に大きな箱を持って普天間三叉路の通りに立つだけだった。後は強い風が起きるのを待つだけ。

「ほんとに飛べるの?」キョウ坊が聞いた。
これまでに風に舞う小箱をよく見ていた。蝶はその羽でひらひらと天高く飛んでいた。
「大丈夫、もう少し」
そう自信満々で応えた。「よわし」はまったく疑ってなかった。
小一時間待っだろうか。
「○○ちゃん!?」
下校してきた小学校四年生の姉が大声を上げた。駆け寄ってきて一緒にきた友だちと共に肩に貼り付けた蝶の羽を見つけて「何、これ!気持ち悪~い!!」と一蹴された。

記憶は定かではないが、今でも普天間三叉路の上空から街並みを鳥瞰した気がする・・・。
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