この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

バイ菌より怖い除菌剤 パート2

2012-09-27 19:41:34 | 意見がありますけど
かつて書いた「バイ菌より怖い除菌剤」(2010年6月16日)というブログが、検索項目<食器洗った後のスポンジ家庭の医学>の中で、除菌剤支持派の包囲網に遭っている。
以前は企業のサクラと思われる主婦のブログに挟まれていたが、近頃は「知恵袋」や「雑学情報」に囲まれている。どれもテレビ「たけしの家庭の医学」の受け売りのようで、バイ菌は恐ろしい、除菌、除菌を大合唱している。
まぁ、どうぞご勝手にと言いたいが、やはり心ある人に伝えておかなければならないだろう。

「免疫の意味論」(多田富雄)の受け売りであるが。

アレルギーの原因はアレルギーを起こす分子(=アレルゲン)が体内に入ると、粘膜にいるマクロファージに捕食されるが、一部、マクロファージの表面のクラスⅡの組織適合抗原の中に入り込み変化(自己を非自己化)する。そこで二種類のT細胞がこれを発見し免疫反応が始まるという。
ひとつのヘルパーT細胞は抗体合成の指令を出し、もう一方のサプレッサーT細胞はそれを抑制する。この抑制がかからないとアレルギーを起こす抗体IgE(免疫グロブリンE)が生産され、それがアレルギーの原因になるというメカニズムのようである。
IgEの血清中の濃度は1㏄中に百万分の一グラム程度だというが、その反応は激烈で時には死に至るらしい。

小児の気管支喘息の発症率は、戦後間もなく0.8パーセントといわれていたが、現在は3~7パーセントに増加している。花粉症の方は戦前にはほとんど存在しなかったが、現在杉花粉症だけでも8~12パーセントになっている。
多田氏はこのようにアレルギーが増えてきたのは、「衛生状態の改善と抗生物質の普及によって、強力な抗原である雑菌が上気道から駆逐された結果、無菌状態でも強く起こるIgEの生産が高まったからではないか」と考えている。

かつてのわたしたちのまわりは雑菌だらけ。井戸水や水道水も十分に殺菌されていなかったし、川や池で泳いだり、水溜りでおたまじゃくしを捕まえたり、泥んこまみれの手でものを食べたりしていた。そして一様に子どもたちはみんな青っ洟をたらしていた。今さすがにそんな子はいないが。
青っ洟には緑膿菌を含む多数の雑菌がある。このような化膿菌に対してIgG抗体は作られるが、IgE抗体は作られない。むしろ細菌感染はIgE抗体の生産を抑制するというのである。

つまり、これまで共存していた雑菌という本来の敵を失った免疫系が手持ち無沙汰になって過剰反応してしまったと考えられるのである。

以前のブログでも触れたが、われわれの免疫系は雑菌に対しては情報を持っていて十分に対処できるのだが、化学によって産み出された最新の除菌剤の方は免疫系にとってなんら情報がなく百害あって一利なし、なのである。
努々(ゆめゆめ)商業ベースに乗ってしまわないようにご注意、ご注意!

「先進国は、人類始まって以来の無菌に近い状態になった」(多田氏)
われわれはこれ以上の無菌の世界に行こうというのか。むしろ雑菌との共存を図っていくことがより健康を保つことができるという皮肉に、はやく気づくことである。
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