この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

日本のソフトエネルギーは水力発電に決まり!

2020-03-22 14:17:13 | SDGsかな?
わたしたちは2011年の東日本大地震で未曽有の体験をした。津波で多くの人命を失ったし、避難生活でもたくさんの人が亡くなった。福島原発の事故では多くの人々が避難生活を余儀なくされ、今なお自宅に戻れない人がいる。
エネルギー問題を見直す良いきっかけだった。

日本列島は山だらけである。日本列島の70%が山だという。そしてこの山に一年中雨か雪が降っている。降った雨や雪は小さなせせらぎになり、また山中に浸透して麓から湧水となって川に流れ込み大きな流れとなっていく。
水の流れは大きなエネルギーである。無限のエネルギーである。

戦後続々と大きなダムが造られていった。
ところが、1980年~1990年代、日本国中で反ダム旋風が吹きまくった。大新聞でも『ダムはムダ』と書き、ダムは無駄な公共事業の代名詞となってしまった。今でもその後遺症は残っている。水力発電の増強の検討でも、ダムという言葉が出るだけで拒絶反応を起こす人々がいる。
それだけではなく、地形的に財政的に、大規模ダム建設の時代は終わったのも事実である。

では、われわれが次に求めるエネルギーは何だろうか?
太陽エネルギーなどのソフトエネルギーなのか?
「確かに太陽エネルギーの絶対量は大きい。そして、無限に存在する。しかし、この太陽エネルギーは、決定的な弱点を持っている。それは、エネルギーの絶対量は大きいが、単位面積当たりのエネルギー量が薄いことである。太陽光エネルギーの太陽光発電やその仲間の風力発電は、単位面積当たりの薄さに苦しんでいる。」
売電も電力会社が一斉に購入金額を減らしてきた。家の電気代を減らすぐらいしか能がない。

著者は、産官学のシンクタンクJAPIC(一般社団法人日本プロジェクト産業協議会)の水循環委員会の委員長を務めている(2016年現在)。
会では2011年の3.11以前から未来の化石燃料のひっ迫を見据えて、水力発電の増強に関する研究を積み重ねていたが、検討に当たって「新しいダムは建設しない」という前提を設けていた。
「一体、ダムを造らないで水力増強ができるのか?」
それは可能だと言う。

既存のダムを活用する。つまり、すべてのダムの運用を水力発電に変えていくのである。既存ダムを嵩上げしていくというのだ。
国土交通省や地方自治体が管理しているダムは、洪水と利水をあわせ持つ多目的ダムである。多目的ダムの多くは水力発電を行っていない。

治水と利水の多目的ダムは相反する運用が強いられている。治水のためには、なるべく貯水池に水を貯めないで空にして洪水に備える。一方、利水は貯水池に水を貯めて、日照りの渇水に対応することが求められる。
それを水力発電に即応した運用にするためには、洪水に備えて空けていた貯水池に水を貯めてしまう。その貯水池の水量増で水力発電を行う。貯水池に水を貯めれば、貯水池の推移は上昇して、水圧が高まり発電力はさらに増強されていく。では、治水の方はどうするか。大雨が予想される台風の進路やゲリラ豪雨の予測はかなり正確になってきている。予想される地域のダムから事前に放流して貯水池の水位を下げておくのである。

現在あるダムの嵩上げは土木技術的に十分可能である。いくつかの実例もある。10mのダムの嵩上げは、新しい100mのダム建設に匹敵するという。ダム堤体の下部、谷底の1mは水を貯めるには少ないが、ダム上部の1mに水を貯める効果は絶大である。

このように、既存のダムの運用の変更と嵩上げを北海道から沖縄まで実施したとして、試算すると、新たに930万kw、324億kwhの水力発電が可能と出た。
10万kwの原子力発電所の9基分である。
といっても、この水力増強プロジェクトは、大規模な開発事業ではなく、日本列島の小中規模の分散型の開発の合計である。これは、もっと増やせるということである。

原発の核廃棄物の処理は大変だ。どこにも捨てられない。福島原発事故の処理水の処理ですら、すったもんだしている。
また、原発に対して地方自治体へのワイロがニュースにもなった。けっしてコストが低廉なわけはない。
火力発電に至っては、二酸化炭素の排出と海水温度の上昇という二重の罪を犯している。
とりわけエネルギー資源の乏しい日本はいつまでも石油を買い続けるわけにはいかないよね。

自然からの恵み、無限のエネルギーを活用しない道理はないんじゃない!?
(かなり割愛しましたが、詳しくは本書にあたって下さい)

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