≪囲碁の手筋~結城聡氏の場合≫
(2025年1月26日投稿)
本日1月26日の第72回NHK杯3回戦は、山下敬吾九段(黒番)と富士田明彦七段(白番)の対局であった。
解説の武宮正樹九段は、ハードパンチャーの山下九段が戦いを積極的に仕掛けて、オールラウンダーの富士田七段がそれを受けて立つ展開を予想しておられた。
山下九段といえば、『新版 基本手筋事典』の著者であり、NHK杯ではいつも奇抜な布石を打って視聴者を楽しませてくれるプロ棋士である。
その山下九段が期待に応えて、5手目で左上隅の「5の五」に打ち、それに対して富士田七段が右下隅の「5の五」で受けるという“面白い布石”になった。その後は、予想に反して、富士田七段の方が白30手目で、左上隅の黒の「5の五」にツケ(5, 六)て、切って戦いを仕掛けて、意外な展開を見せた。勝負というのは、実際に始まってみないとわからないものである。
さて、今回のブログでも、囲碁の手筋について、次の著作を参考にして考えてみたい。
〇結城聡『囲碁 結城聡の手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年
著者の結城聡九段は、昨年12月1日の第72回NHK杯2回戦で、河野臨九段(黒番)と対局されていた。解説のレドモンド九段は、結城九段の棋風を評して、碁盤全体をつかった攻めに特徴があると言われた。確かに、石の働きを追求する棋風で、“武闘派”とも呼ばれ、攻めの得意な棋士が結城聡九段である。
その棋風が本書にも現われている。
とりわけ、
・第4章 手筋を使いこなす目を養う 部分より大局を見る
・第5章 上達を実感する総合問題 どの手が悪いか
これら2章の問題は、全局的観点から出題された問題で、他の手筋の問題集とは一味違う問題となっている。
ともあれ、本書では、初級から上級までの人が有段になっても通用し、手筋を正しく使う考え方が身につくことに主眼を置いて構成したという。手筋は石の働きを効果的に発揮する打ち方のことであるとする。
手筋に関していえば、
①必要な石と不要な石を判定する。
②強い石と弱い石、強い場所と弱い場所を判断する。
③無意識に打っている俗筋に気付く。
この三つを念頭に置いて、正しい手筋を打つように心掛けることが大切だと強調している。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、8頁~9頁)
【結城聡氏のプロフィール】
・兵庫県神戸市出身。昭和47年生まれ。関西棋院に所属。
・佐藤直男九段門下。昭和59年3月に入段し、平成9年4月に九段へ昇段。
・第36期天元位、第51期十段位、NHK杯5回優勝、テレビ囲碁アジア選手権戦準優勝。
・2007年度には、NHK囲碁講座の講師を務める。
【結城聡『囲碁 結城聡の手筋入門 初級から初段まで』(成美堂出版)はこちらから】
さて、今回の執筆項目は次のようになる。
【手筋を正しく打つ三つのポイント】
・手筋は石の働きを効果的に発揮する打ち方のこと。
そのテクニックは初級、上級、有段とレベルが上がるにしたがって正確になっていくが、手筋を正しく使う目のつけどころがどこにあるか分かっていないという点では、級位者も有段者も五十歩百歩。
・本書では、初級から上級までの人が有段になっても通用し、手筋を正しく使う考え方が身につくことに主眼を置いて構成したという。
そのポイントや目のつけどころさえ理解できれば、有利に戦いを進められるようになり、さまざまな局面で応用できる。
・布石、中盤の戦い、手筋など分野は違っていても、効率的に石を働かせるという点では同じ。
・手筋に関していえば、
①必要な石と不要な石を判定する。
②強い石と弱い石、強い場所と弱い場所を判断する。
③無意識に打っている俗筋に気付く。
※この三つを念頭に置いて、正しい手筋を打つように心掛けることが大切。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、8頁~9頁)
・アマの人は往々にして石を最大限に発揮する打ち方である手筋が打てないため、それを戒める格言が多く作られている。
その中でも多いのが悪手を打っているという自覚のないまま、無意識に打ってしまう俗筋に関する格言である。
「アタリアタリのヘボ碁かな」
この格言もその一つ。
「分かっちゃいるけど止められない」という歌の文句と同じで、悪手と分かっていても、手が出てしまうのがアタリアタリの俗筋。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、44頁)
黒の番
〇切りがサバキの筋
【正解図】サバキ成功
・黒▲とツケたあと、黒1と切るのが実戦でよく使うサバキの筋となる。
・白2には、黒3、5とサバける。
※白4で6なら、黒aとカナメの白二子を取る。
【失敗図】黒苦戦
・黒1は白2。
※黒1でaも白bで失敗。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、83頁~84頁)
黒の番
〇ツケが戦いの手筋
【正解図】左下の白石も弱くなった
・黒1のツケが黒2をにらんで整形する筋。
・白2が省けず、黒3から7までサバける。
※白2でaは黒2、白b、黒cが読み筋。
【失敗図】黒3と守ってもまだ弱石
・黒1は筋違い。
・白aに備えて、黒3と守っても、まだ弱い石。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、89頁~90頁)
黒の番
〇サガリが急所
【正解図】攻め合いに勝つ急所
・黒1が攻め合いに勝つ急所。
・白2には黒3のハネ一本から5と押さえて、一手勝ちに持ち込む。
【失敗図】筋違い
・黒1のハネは筋違い。
・白2、4とダメを詰められて、黒攻め合い負け。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、113頁~114頁)
黒の番
〇隅の急所を攻める
【正解図】黒攻め合い勝ち
・黒1が「隅の急所、二の一」を攻める筋、白2に黒3、5。
※なお、黒1で4も「隅の急所、二の一」であるが、白aで黒取られ。
【失敗図】コウと無条件では大差
・黒1、3は白4のコウ。
※コウと無条件では大差。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、127頁~128頁)
第4章 部分より大局を見る
黒の番
・強い石か弱い石かを判断することは、序盤、中盤にかかわらず、有利に戦いを進める基本となる。
・とすれば、黒A、B、Cのうち、どこに先着するのが最善か。
【テーマ図】
〇弱石の強化が急務
【正解図】弱い黒三子を補強する
※右上の黒三子は根拠を確保していない弱石。
・黒1と隅に食い込み、白2に黒3、5と補強するのが盤中最大。
※この一団を強くしておけば、黒aの狙いやbの価値が高くなってくる。
【変化図】根拠を確保しながら地を増やす
・また、白2には黒3、5と根拠を確保しながら、隅を黒地にする。
※有利に戦うためには、右上の強化が急務。
【失敗図1】黒三子が根なし草になる 【失敗図1・続】白地がどんどん増える
・黒1は一級の大場だが、白2に先着されると、黒三子が根なし草になり、いっぺんに弱体化する。
※「強い石と弱い石」を判断しないで、目先の大場にとらわれると、不利な戦いを強要される。
・つづいて、黒3なら白4、6と攻めながら、隊列を整えられてしまう。
・黒7は白8が先手。
・白aに備えて黒9が省けず、白10と好形になり、白地がどんどん増えてくる。
➡黒苦戦はあきらか。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、145頁~147頁)
第4章 部分より大局を見る
黒の番
・私の黒番。白1と生きたところ。
・まだ下辺の一団をイジメる狙いはあるが、まずは右辺一帯で競り勝つために、弱い黒▲三子の補強が急務。
・黒A、B、Cのどれが整形の筋と形だろうか。
【問題18】ツケ切りの筋
【失敗図1】黒は重い姿
・黒1のコスミは筋違い。
・白2とハイコまれて、黒3を省きにくく、黒の一団はゆとりのない重い姿。
・これでは大した補強にならず、白4と黒二子に迫られて、上辺の白地も増えてくる。
【失敗図2】黒の形がくずれる
・黒1の飛びは早逃げの手法であるが、白2のナラビが急所攻めとなり、黒3と受けるようでは、黒の形がくずれてしまう。
・さらに、白4に黒5を強要されて、フユカイきわまりない展開。
※失敗図1の黒1は筋違い。
失敗図2の黒1は右下の白石と競い合っているこの局面では、ふさわしくない戦い方。
【正解図】サバキの基本手筋
※右上の白四子は強い石。
右下白八子はまだ弱い石。
・そんなケースでは、黒1、3とツケ切って、弱い黒三子を補強するのが、適切な判断となる。
※強い白四子にツケ切ることで相手を強化しても、さほど惜しくないという判断に、基づいている。
【正解図・続】堅固な形 白8ツグ(黒a)
・白は4、6が最善。
・黒7のアテを決めて、9と飛び出し、堅固な形にして、右下の白石へのプレッシャーを強めていく。
※正解図の黒1、3のツケ切りは実戦によく現れる整形の基本テクニック。
ツケ切りは、自分の石を強くするためのテクニックで、相手の石を強くしても良いケースに使う。
・白は、正解図の4とカカエるのがふつう。
【変化図1】白1、3は悪い
・白1、3などの反撃は、黒4とノビられて、白地が減ってしまうからである。
【変化図2】黒1、3は重複形
・さかのぼって、黒1、白2の時、黒3と引くのも、白4とノビコまれて、黒石が働きの乏しい重複形となる。
※やはり、白2には黒aの切りがサバキの筋で、黒1とaは二手ワンセットの整形手筋。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、183頁~186頁)
第4章 部分より大局を見る
黒の番
・アマ有段者の実戦を題材にした。
・白1とツメたところ。
※この局面は黒▲の価値を判定するのが大切。
黒▲がカナメ石なら黒Aと動き出す。そうでないなら、黒BやCの大場に先着する。
【問題19】
〇黒▲はカナメ石だ
【失敗図1】時期尚早
・黒1は右上の黒地を固める好点であるが、時期尚早。
・白2とカナメの黒▲を取られると、のちに白aの三々も打ちやすくなる。
【失敗図2】やはり白2が大きい
・戦いの鉄則にしたがうなら、上辺よりも黒1のほうが価値が高い。
・逆に、白1に先着されると隅が白地になり、左辺の黒二子へのイジメが残るから。
・しかし、黒1にも白2とカナメの黒▲を取り切る一手。
・すると黒3のスベリが白二子の根拠を脅かす好点となる。
※黒1、3の連打も魅力的だが、白2と黒▲を取られては次善策。
【正解図】右下の白四子が弱い石になる
・ここは黒▲のカナメ石を黒1と動き出すのが、最強最善の戦い方となる。
・黒石は決して強い石ではないが、黒1と飛べば上下の白石を分断して、白も弱い石になるから。
※今や右下の白四子も強い石ではない。つぎに白の応手はaかb。
【正解図・続】黒は大威張り
・白2が本線の戦い方。
・弱くなった右下の白四子を補強しながら競り合う手法だから。
・黒は3の飛びマゲから、5、7と中央に出ていくことになる。
※こうなれば大威張りの戦い。
【参考図1】ノゾキはこわくない
・正解図黒7のあと、白1のノゾキをおそれる人は多いもの。
・黒は当然ながら警戒しなければならないが、今は無理筋。
・白3、5に黒6、8とツケ切って、カナメの白二子を取ることができる。
・つぎに白aなら黒b、白cなら黒dである。
【参考図2】白1もこわくない
・白1から5も無理筋。
・黒6、8のあと、黒aの逆襲が狙い。
【変化図】黒の楽な戦い
・白2の飛びには黒3、5と中央に出て、黒の楽な戦い。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、187頁~190頁)
【問題20】 生ノゾキ対策(初段レベル)
黒の番
・1の所は双方の根拠に関する要点。
・黒は1と強くすれば、有利に戦いを進めることができる。
・白2、4の生ノゾキに対して、黒はAとBのどちらが最善だろうか。
〇出切りが鋭い
【失敗図】ツギは利かされ
・黒1とツグのは利かされ。
・白2とサガられて、黒は絶好のチャンスを逃している。
【正解図】今が出切るタイミング
・今が黒1、3と出切るタイミングとなる。
・黒は利かされを避け、黒aとツグ前に白の弱点を突いて反撃するのが戦いの時機。
【正解図・続】黒有利は明白
・あとは白4から10まで生きた時、黒11とツグことができ、のちに黒aが先手となる。
・また、白10でaなら黒bとcのどちらでも、黒有利の戦いは明白。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、191頁~192頁)
第5章 どの手が悪いか
●誰もが打つ俗手をさがす
・本章はアマ有段者の実戦を数手示して「どの手が悪いか、どの手が俗手や筋違いか」を発見してもらう総合問題。
・有段者と言えども、初級者と同じような俗手や愚形が飛び出すことに気付くはず。
・第1章で指摘した「三つの目の付けどころ」を理解できていれば、俗手を見つけるのは容易。
【問題1】 黒不満の布石(3級レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・アマ有段者の実戦。
黒1、3のツケ引きから白6まで黒不満の布石。手順中、一番悪いのはどの手か。
【1図】相手の弱い石にツケると強くなる
※黒1のツケは利敵打法
・黒1とツケると、弱い白石△が強くなる。
・白2、4とツガれると白石が強くなり、左辺の黒二子に悪影響が及ぶ。
・黒5に白6とケイマで出られて、黒不満の布石。
※黒1、3のツケ引きは弱い白石△を強化する俗っぽい打ち方。
【2図】黒1が有力
・この布石では白aのカカリを防いで、黒1と右上一帯を固めておくのが有力な一策。
・まず自分の陣地を固めて、のちに黒b、白c、黒dの攻めを狙う
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、197頁~198頁)
【問題4】 戦いの鉄則に反する(1級レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・アマ有段者の実戦進行。
・黒1から11までの手順中、戦いの鉄則に反する悪い手がある。それはどれだろうか。
※ツケ引きが悪い
【1図】黒石が重くなり、白石が強くなる
・黒1、3は戦いの鉄則に違反する筋の悪い打ち方。
・白4とカケツガれて白石を強化し、自分の黒石は重い格好になってしまうから。
※黒1、3は見た目以上にひどい俗筋。
・白6から黒11のあと、白a、黒b、白cと攻められて、黒が一方的に被告になってしまう。
【2図】互いに順当な競い合い
・単に黒1と飛ぶのが戦いの筋と形。
・あとは白10、黒11まで競い合い、黒はaと置く筋を狙いながら戦う。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、203頁~204頁)
【問題9】 大局を見ない悪手(初段レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・黒1のカケから5の三々打ち込みまで進んだ。
※有段者らしい石運びだが、一手だけこの布陣にふさわしくない判断ミスがある。
大局を見ない悪手はどれだろうか。
※勢力や厚みを地にするな
【1図】黒1は勢力を囲う打ち方
※全局を眺めると、黒は右辺に強力な勢力を作っている。
一方、白は左辺一帯に大模様を張って対抗している。
・こんな大模様対抗布石の時、黒1、3と右上を黒地にすると、必然的に左上一帯の白模様が大きくなる。
※黒1は「勢力を地に囲うな」の鉄則に反する打ち方。
大局を見ない判断ミスをしている。
・これでは、黒5と三々に入っても、黒不満。
【2図】黒が好機を逃す
・続いて、白1から黒12までアマの実戦進行。
・つぎに白aあたりに打てば満点。
あとの中盤戦が勝負を分けることになる。
【3図】黒1が勢力を生かす筋
※右辺一帯は黒の勢力に比べ、白が位の低い効率の悪い地を作っている。
・したがって、黒1と打ち込みさえすれば、右上の黒勢力が存分に働き、黒リードの中盤戦に持ち込むことができた。
・つぎに白はa、b、cの三通り。
【4図】左辺の白模様を破壊する
・白2のコスミは黒aのワタリを拒否して戦う基本の筋と形。
・ここで、黒は3、5と飛び、黒7とカカる構図が描ければ、満点の戦い方。
・黒7と左辺の白の陣地を破壊して、好調の戦い。
【5図】黒には何の不満もない
・また、白2には黒3とさえぎって戦う。
・白4に黒5、7と追撃して、こんどは黒9と左辺を割って戦う。
※今や左上一帯は黒の強い場所。
・白8まで飛んだ白四子は根なし草。
※この弱石をにらみながら、左上で競い合い、黒有利の戦いに持ち込むことができる。
【6図】黒1と打ち込めば有利に戦える
・白2の飛びにも、黒3、5と積極的に戦うのが最強。
・やはり、白6に黒7とカカって左辺の白陣を破壊し、黒有利の戦いに持ち込むことができる。
※ほかに、黒3ではaとワタる堅実な戦い方も一策。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、221頁~224頁)
(2025年1月26日投稿)
【はじめに】
本日1月26日の第72回NHK杯3回戦は、山下敬吾九段(黒番)と富士田明彦七段(白番)の対局であった。
解説の武宮正樹九段は、ハードパンチャーの山下九段が戦いを積極的に仕掛けて、オールラウンダーの富士田七段がそれを受けて立つ展開を予想しておられた。
山下九段といえば、『新版 基本手筋事典』の著者であり、NHK杯ではいつも奇抜な布石を打って視聴者を楽しませてくれるプロ棋士である。
その山下九段が期待に応えて、5手目で左上隅の「5の五」に打ち、それに対して富士田七段が右下隅の「5の五」で受けるという“面白い布石”になった。その後は、予想に反して、富士田七段の方が白30手目で、左上隅の黒の「5の五」にツケ(5, 六)て、切って戦いを仕掛けて、意外な展開を見せた。勝負というのは、実際に始まってみないとわからないものである。
さて、今回のブログでも、囲碁の手筋について、次の著作を参考にして考えてみたい。
〇結城聡『囲碁 結城聡の手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年
著者の結城聡九段は、昨年12月1日の第72回NHK杯2回戦で、河野臨九段(黒番)と対局されていた。解説のレドモンド九段は、結城九段の棋風を評して、碁盤全体をつかった攻めに特徴があると言われた。確かに、石の働きを追求する棋風で、“武闘派”とも呼ばれ、攻めの得意な棋士が結城聡九段である。
その棋風が本書にも現われている。
とりわけ、
・第4章 手筋を使いこなす目を養う 部分より大局を見る
・第5章 上達を実感する総合問題 どの手が悪いか
これら2章の問題は、全局的観点から出題された問題で、他の手筋の問題集とは一味違う問題となっている。
ともあれ、本書では、初級から上級までの人が有段になっても通用し、手筋を正しく使う考え方が身につくことに主眼を置いて構成したという。手筋は石の働きを効果的に発揮する打ち方のことであるとする。
手筋に関していえば、
①必要な石と不要な石を判定する。
②強い石と弱い石、強い場所と弱い場所を判断する。
③無意識に打っている俗筋に気付く。
この三つを念頭に置いて、正しい手筋を打つように心掛けることが大切だと強調している。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、8頁~9頁)
【結城聡氏のプロフィール】
・兵庫県神戸市出身。昭和47年生まれ。関西棋院に所属。
・佐藤直男九段門下。昭和59年3月に入段し、平成9年4月に九段へ昇段。
・第36期天元位、第51期十段位、NHK杯5回優勝、テレビ囲碁アジア選手権戦準優勝。
・2007年度には、NHK囲碁講座の講師を務める。
【結城聡『囲碁 結城聡の手筋入門 初級から初段まで』(成美堂出版)はこちらから】
〇結城聡『囲碁 結城聡の手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年
本書の目次は次のようになっている。
【目次】
はじめに
〇あなたの手筋理解度チェック表
第1章 上達の基本的な考え方 手筋を正しく打つ三つのポイント
第2章 A、B二択問題からスタート 手筋か俗筋かを見抜く
第3章 戦いの手筋、攻め合いの筋と形をマスターする問題 接触戦に強くなる
第4章 手筋を使いこなす目を養う 部分より大局を見る
第5章 上達を実感する総合問題 どの手が悪いか
さて、今回の執筆項目は次のようになる。
・氏のプロフィール
・第1章 手筋を正しく打つ三つのポイント
・第2章 【問題29】実戦でよく使う筋(1級レベル)
・第2章 【問題36】戦いの基本手筋(1級レベル)
・第3章 【問題8】ダメヅマリ攻防の急所(5級レベル)
・第3章 【問題21】隅の急所をめぐる攻防(1級レベル)
・第4章 【問題3】 強い石と弱い石(5級レベル)
・第4章 【問題18】 黒▲三子を補強する(初段レベル)
・第4章 【問題19】 黒▲の価値を判定する(初段レベル)
・第4章 【問題20】 生ノゾキ対策(初段レベル)
・第5章 【問題1】 黒不満の布石(3級レベル)
・第5章 【問題4】 戦いの鉄則に反する(1級レベル)
・第5章 【問題9】 大局を見ない悪手(初段レベル)
第1章 手筋を正しく打つ三つのポイント
【手筋を正しく打つ三つのポイント】
・手筋は石の働きを効果的に発揮する打ち方のこと。
そのテクニックは初級、上級、有段とレベルが上がるにしたがって正確になっていくが、手筋を正しく使う目のつけどころがどこにあるか分かっていないという点では、級位者も有段者も五十歩百歩。
・本書では、初級から上級までの人が有段になっても通用し、手筋を正しく使う考え方が身につくことに主眼を置いて構成したという。
そのポイントや目のつけどころさえ理解できれば、有利に戦いを進められるようになり、さまざまな局面で応用できる。
・布石、中盤の戦い、手筋など分野は違っていても、効率的に石を働かせるという点では同じ。
・手筋に関していえば、
①必要な石と不要な石を判定する。
②強い石と弱い石、強い場所と弱い場所を判断する。
③無意識に打っている俗筋に気付く。
※この三つを念頭に置いて、正しい手筋を打つように心掛けることが大切。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、8頁~9頁)
・アマの人は往々にして石を最大限に発揮する打ち方である手筋が打てないため、それを戒める格言が多く作られている。
その中でも多いのが悪手を打っているという自覚のないまま、無意識に打ってしまう俗筋に関する格言である。
「アタリアタリのヘボ碁かな」
この格言もその一つ。
「分かっちゃいるけど止められない」という歌の文句と同じで、悪手と分かっていても、手が出てしまうのがアタリアタリの俗筋。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、44頁)
第2章 【問題29】実戦でよく使う筋(1級レベル)
黒の番
〇切りがサバキの筋
【正解図】サバキ成功
・黒▲とツケたあと、黒1と切るのが実戦でよく使うサバキの筋となる。
・白2には、黒3、5とサバける。
※白4で6なら、黒aとカナメの白二子を取る。
【失敗図】黒苦戦
・黒1は白2。
※黒1でaも白bで失敗。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、83頁~84頁)
第2章 【問題36】戦いの基本手筋(1級レベル)
黒の番
〇ツケが戦いの手筋
【正解図】左下の白石も弱くなった
・黒1のツケが黒2をにらんで整形する筋。
・白2が省けず、黒3から7までサバける。
※白2でaは黒2、白b、黒cが読み筋。
【失敗図】黒3と守ってもまだ弱石
・黒1は筋違い。
・白aに備えて、黒3と守っても、まだ弱い石。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、89頁~90頁)
第3章 【問題8】ダメヅマリ攻防の急所(5級レベル)
黒の番
〇サガリが急所
【正解図】攻め合いに勝つ急所
・黒1が攻め合いに勝つ急所。
・白2には黒3のハネ一本から5と押さえて、一手勝ちに持ち込む。
【失敗図】筋違い
・黒1のハネは筋違い。
・白2、4とダメを詰められて、黒攻め合い負け。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、113頁~114頁)
第3章 【問題21】隅の急所をめぐる攻防(1級レベル)
黒の番
〇隅の急所を攻める
【正解図】黒攻め合い勝ち
・黒1が「隅の急所、二の一」を攻める筋、白2に黒3、5。
※なお、黒1で4も「隅の急所、二の一」であるが、白aで黒取られ。
【失敗図】コウと無条件では大差
・黒1、3は白4のコウ。
※コウと無条件では大差。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、127頁~128頁)
第4章 部分より大局を見る
【問題3】 強い石と弱い石(5級レベル)
黒の番
・強い石か弱い石かを判断することは、序盤、中盤にかかわらず、有利に戦いを進める基本となる。
・とすれば、黒A、B、Cのうち、どこに先着するのが最善か。
【テーマ図】
〇弱石の強化が急務
【正解図】弱い黒三子を補強する
※右上の黒三子は根拠を確保していない弱石。
・黒1と隅に食い込み、白2に黒3、5と補強するのが盤中最大。
※この一団を強くしておけば、黒aの狙いやbの価値が高くなってくる。
【変化図】根拠を確保しながら地を増やす
・また、白2には黒3、5と根拠を確保しながら、隅を黒地にする。
※有利に戦うためには、右上の強化が急務。
【失敗図1】黒三子が根なし草になる 【失敗図1・続】白地がどんどん増える
・黒1は一級の大場だが、白2に先着されると、黒三子が根なし草になり、いっぺんに弱体化する。
※「強い石と弱い石」を判断しないで、目先の大場にとらわれると、不利な戦いを強要される。
・つづいて、黒3なら白4、6と攻めながら、隊列を整えられてしまう。
・黒7は白8が先手。
・白aに備えて黒9が省けず、白10と好形になり、白地がどんどん増えてくる。
➡黒苦戦はあきらか。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、145頁~147頁)
第4章 部分より大局を見る
【問題18】 黒▲三子を補強する(初段レベル)
黒の番
・私の黒番。白1と生きたところ。
・まだ下辺の一団をイジメる狙いはあるが、まずは右辺一帯で競り勝つために、弱い黒▲三子の補強が急務。
・黒A、B、Cのどれが整形の筋と形だろうか。
【問題18】ツケ切りの筋
【失敗図1】黒は重い姿
・黒1のコスミは筋違い。
・白2とハイコまれて、黒3を省きにくく、黒の一団はゆとりのない重い姿。
・これでは大した補強にならず、白4と黒二子に迫られて、上辺の白地も増えてくる。
【失敗図2】黒の形がくずれる
・黒1の飛びは早逃げの手法であるが、白2のナラビが急所攻めとなり、黒3と受けるようでは、黒の形がくずれてしまう。
・さらに、白4に黒5を強要されて、フユカイきわまりない展開。
※失敗図1の黒1は筋違い。
失敗図2の黒1は右下の白石と競い合っているこの局面では、ふさわしくない戦い方。
【正解図】サバキの基本手筋
※右上の白四子は強い石。
右下白八子はまだ弱い石。
・そんなケースでは、黒1、3とツケ切って、弱い黒三子を補強するのが、適切な判断となる。
※強い白四子にツケ切ることで相手を強化しても、さほど惜しくないという判断に、基づいている。
【正解図・続】堅固な形 白8ツグ(黒a)
・白は4、6が最善。
・黒7のアテを決めて、9と飛び出し、堅固な形にして、右下の白石へのプレッシャーを強めていく。
※正解図の黒1、3のツケ切りは実戦によく現れる整形の基本テクニック。
ツケ切りは、自分の石を強くするためのテクニックで、相手の石を強くしても良いケースに使う。
・白は、正解図の4とカカエるのがふつう。
【変化図1】白1、3は悪い
・白1、3などの反撃は、黒4とノビられて、白地が減ってしまうからである。
【変化図2】黒1、3は重複形
・さかのぼって、黒1、白2の時、黒3と引くのも、白4とノビコまれて、黒石が働きの乏しい重複形となる。
※やはり、白2には黒aの切りがサバキの筋で、黒1とaは二手ワンセットの整形手筋。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、183頁~186頁)
第4章 部分より大局を見る
【問題19】 黒▲の価値を判定する(初段レベル)
黒の番
・アマ有段者の実戦を題材にした。
・白1とツメたところ。
※この局面は黒▲の価値を判定するのが大切。
黒▲がカナメ石なら黒Aと動き出す。そうでないなら、黒BやCの大場に先着する。
【問題19】
〇黒▲はカナメ石だ
【失敗図1】時期尚早
・黒1は右上の黒地を固める好点であるが、時期尚早。
・白2とカナメの黒▲を取られると、のちに白aの三々も打ちやすくなる。
【失敗図2】やはり白2が大きい
・戦いの鉄則にしたがうなら、上辺よりも黒1のほうが価値が高い。
・逆に、白1に先着されると隅が白地になり、左辺の黒二子へのイジメが残るから。
・しかし、黒1にも白2とカナメの黒▲を取り切る一手。
・すると黒3のスベリが白二子の根拠を脅かす好点となる。
※黒1、3の連打も魅力的だが、白2と黒▲を取られては次善策。
【正解図】右下の白四子が弱い石になる
・ここは黒▲のカナメ石を黒1と動き出すのが、最強最善の戦い方となる。
・黒石は決して強い石ではないが、黒1と飛べば上下の白石を分断して、白も弱い石になるから。
※今や右下の白四子も強い石ではない。つぎに白の応手はaかb。
【正解図・続】黒は大威張り
・白2が本線の戦い方。
・弱くなった右下の白四子を補強しながら競り合う手法だから。
・黒は3の飛びマゲから、5、7と中央に出ていくことになる。
※こうなれば大威張りの戦い。
【参考図1】ノゾキはこわくない
・正解図黒7のあと、白1のノゾキをおそれる人は多いもの。
・黒は当然ながら警戒しなければならないが、今は無理筋。
・白3、5に黒6、8とツケ切って、カナメの白二子を取ることができる。
・つぎに白aなら黒b、白cなら黒dである。
【参考図2】白1もこわくない
・白1から5も無理筋。
・黒6、8のあと、黒aの逆襲が狙い。
【変化図】黒の楽な戦い
・白2の飛びには黒3、5と中央に出て、黒の楽な戦い。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、187頁~190頁)
第4章 部分より大局を見る【問題20】 生ノゾキ対策(初段レベル)
【問題20】 生ノゾキ対策(初段レベル)
黒の番
・1の所は双方の根拠に関する要点。
・黒は1と強くすれば、有利に戦いを進めることができる。
・白2、4の生ノゾキに対して、黒はAとBのどちらが最善だろうか。
〇出切りが鋭い
【失敗図】ツギは利かされ
・黒1とツグのは利かされ。
・白2とサガられて、黒は絶好のチャンスを逃している。
【正解図】今が出切るタイミング
・今が黒1、3と出切るタイミングとなる。
・黒は利かされを避け、黒aとツグ前に白の弱点を突いて反撃するのが戦いの時機。
【正解図・続】黒有利は明白
・あとは白4から10まで生きた時、黒11とツグことができ、のちに黒aが先手となる。
・また、白10でaなら黒bとcのどちらでも、黒有利の戦いは明白。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、191頁~192頁)
第5章 どの手が悪いか【問題1】 黒不満の布石(3級レベル)
第5章 どの手が悪いか
●誰もが打つ俗手をさがす
・本章はアマ有段者の実戦を数手示して「どの手が悪いか、どの手が俗手や筋違いか」を発見してもらう総合問題。
・有段者と言えども、初級者と同じような俗手や愚形が飛び出すことに気付くはず。
・第1章で指摘した「三つの目の付けどころ」を理解できていれば、俗手を見つけるのは容易。
【問題1】 黒不満の布石(3級レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・アマ有段者の実戦。
黒1、3のツケ引きから白6まで黒不満の布石。手順中、一番悪いのはどの手か。
【1図】相手の弱い石にツケると強くなる
※黒1のツケは利敵打法
・黒1とツケると、弱い白石△が強くなる。
・白2、4とツガれると白石が強くなり、左辺の黒二子に悪影響が及ぶ。
・黒5に白6とケイマで出られて、黒不満の布石。
※黒1、3のツケ引きは弱い白石△を強化する俗っぽい打ち方。
【2図】黒1が有力
・この布石では白aのカカリを防いで、黒1と右上一帯を固めておくのが有力な一策。
・まず自分の陣地を固めて、のちに黒b、白c、黒dの攻めを狙う
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、197頁~198頁)
第5章 どの手が悪いか【問題4】 戦いの鉄則に反する(1級レベル)
【問題4】 戦いの鉄則に反する(1級レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・アマ有段者の実戦進行。
・黒1から11までの手順中、戦いの鉄則に反する悪い手がある。それはどれだろうか。
※ツケ引きが悪い
【1図】黒石が重くなり、白石が強くなる
・黒1、3は戦いの鉄則に違反する筋の悪い打ち方。
・白4とカケツガれて白石を強化し、自分の黒石は重い格好になってしまうから。
※黒1、3は見た目以上にひどい俗筋。
・白6から黒11のあと、白a、黒b、白cと攻められて、黒が一方的に被告になってしまう。
【2図】互いに順当な競い合い
・単に黒1と飛ぶのが戦いの筋と形。
・あとは白10、黒11まで競い合い、黒はaと置く筋を狙いながら戦う。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、203頁~204頁)
第5章 どの手が悪いか【問題9】 大局を見ない悪手(初段レベル)
【問題9】 大局を見ない悪手(初段レベル)
【テーマ図】
俗手さがし
・黒1のカケから5の三々打ち込みまで進んだ。
※有段者らしい石運びだが、一手だけこの布陣にふさわしくない判断ミスがある。
大局を見ない悪手はどれだろうか。
※勢力や厚みを地にするな
【1図】黒1は勢力を囲う打ち方
※全局を眺めると、黒は右辺に強力な勢力を作っている。
一方、白は左辺一帯に大模様を張って対抗している。
・こんな大模様対抗布石の時、黒1、3と右上を黒地にすると、必然的に左上一帯の白模様が大きくなる。
※黒1は「勢力を地に囲うな」の鉄則に反する打ち方。
大局を見ない判断ミスをしている。
・これでは、黒5と三々に入っても、黒不満。
【2図】黒が好機を逃す
・続いて、白1から黒12までアマの実戦進行。
・つぎに白aあたりに打てば満点。
あとの中盤戦が勝負を分けることになる。
【3図】黒1が勢力を生かす筋
※右辺一帯は黒の勢力に比べ、白が位の低い効率の悪い地を作っている。
・したがって、黒1と打ち込みさえすれば、右上の黒勢力が存分に働き、黒リードの中盤戦に持ち込むことができた。
・つぎに白はa、b、cの三通り。
【4図】左辺の白模様を破壊する
・白2のコスミは黒aのワタリを拒否して戦う基本の筋と形。
・ここで、黒は3、5と飛び、黒7とカカる構図が描ければ、満点の戦い方。
・黒7と左辺の白の陣地を破壊して、好調の戦い。
【5図】黒には何の不満もない
・また、白2には黒3とさえぎって戦う。
・白4に黒5、7と追撃して、こんどは黒9と左辺を割って戦う。
※今や左上一帯は黒の強い場所。
・白8まで飛んだ白四子は根なし草。
※この弱石をにらみながら、左上で競い合い、黒有利の戦いに持ち込むことができる。
【6図】黒1と打ち込めば有利に戦える
・白2の飛びにも、黒3、5と積極的に戦うのが最強。
・やはり、白6に黒7とカカって左辺の白陣を破壊し、黒有利の戦いに持ち込むことができる。
※ほかに、黒3ではaとワタる堅実な戦い方も一策。
(結城聡『囲碁 手筋入門 初級から初段まで』成美堂出版、2014年、221頁~224頁)
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