その男の子Y君は友人に抱かれて口をモグモグするばかりだった。歳を聞くと3歳とのこと。顔形はその通りだったけれど、体が小さく自分で歩くことはできずただ抱っこだけだから、1歳?としか見えない。
ある施設に手伝いに行った時のこと。その子のお母さんは何か探し物をしていたので友人が預かっていたのだけれど、私は他のことをしながら、Y君の様子を見るばかり。「♪・・・階段昇ってピーコピコ♪」と指をY君の肩まで昇らせてくすぐるとニコッと楽しそうな顔をした。私も一緒にニコッとしたけれど、健常児ではない不自由な体で発達もかなり遅れているY君を見た時に、私はY君を素直に受け入れることが出来なかった。Y君のお母さんの気持ちを考えると(私の思い過ごしかもしれないけれど)とてもつらくなった。
私はY君に手を差し伸べることもなく抱っこをしてあげることも出来なかった。
ごめんなさい!
世の中には、健常者ばかりいるわけではないことがハッキリわかり、平常心でY君みたいな子供を受け入れるようにならなければと思った。