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ドラマ『ザ・クラウン』シーズン3

2022年11月10日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介] 

英国王室の内実を描くシリーズのシーズン3。

1964年から1977年までのエリザベス女王の御世を描く。

1 疑惑
1964年、ハロルド・ウィルソン率いる労働党が政権をとる。
ウィルソンがKGBのスパイであるという疑惑にエリザベスは悩まされる。
チャーチルが死亡し、国葬が行われる。

2 切り札
1965年、イギリスはアメリカからの財政援助を必要とするが、
ジョンソン大統領は拒む。
アメリカ旅行中のマーガレット王女はホワイトハウスに招かれ、
ジョンソンと意気投合し、援助を引き出す。
王女は更なる公務の分担を望むが、エリザベスは断る。

3 悲劇の波紋
1966年、南ウェールズの炭鉱町の崩落事故で、
多くの子供たちが犠牲になる。
エリザベスは現地訪問を控えてマスコミの批判を浴びる。
エリザベスは自分には「共感」が欠落していることをウィルソンに告白する。

4 母と息子
1967年、ギリシャでクーデターが迫り、
修道女をしていたフィリップの母アリス王女が、英国に呼び寄せられる。
フィリップは王室を取材したテレビドキュメンタリーを主導するが、
番組は酷評される。
アン王女は、新聞記者に祖母アリスを会わせて
王族のイメージを修復する。
フィリップとアリスは和解する。

5 クーデター
イギリスは貿易赤字と財政赤字に苦しみ、
ウィルソンはフィリップの叔父の国防参謀総長ルイス・マウントバッテンを更迭する。
1968年、デイリー・ミラー紙社長ら保守派はクーデターを企み、
マウントバッテンを首相にしようとする。
その鍵を握るのが女王だが、
アメリカやフランスを訪問していたエリザベスは
ウィルソンから連絡を受けて帰国し、
マウントバッテンを叱責して、姉のアリス王女を見舞うよう示唆する。

 6 ウェールズ公
チャールズのプリンス・オブ・ウェールズ叙任式を前にして、
ウェールズ語を学ばせるために現地の大学に送り込む。
チャールズはウェールズ独立を唱える活動家の教授に学ぶ。
叙任式でチャールズは、
ウェールズの独自性を支持するスピーチをウェールズ語で行い、
エリザベスを怒らせる。

7 月の正体
1969年、アポロ11号が月に着陸し、
触発されたフィリップは自分の人生に何も功績がないことに苛立つ。
フィリップは宇宙飛行士たちと面談するが、心は充たされない。
司祭のロビン・ウッズは、ウィンザー城内で信仰と哲学の研鑽の場を用意し、
悩める聖職者たちの集まりにフィリップを誘う。
フィリップは宇宙飛行士に失望した後、
心を開き、信仰の喪失を告白し、救いを求める。

8 宙ぶらりんの男
チャールズ、カミラ・シャンド、アンドリュー・パーカー・ボウルズの三角関係と、
ボウルズとアン王女の交際が描かれる。
1970年、保守党のエドワード・ヒースが組閣する。
死期の近いウィンザー公(エリザベスの伯父で、王の座から降りた人)
をエリザベスが訪ね、
チャールズからの手紙を渡される。
チャールズとウィンザー公は、似た境遇で共感していた。

9 もつれた糸
ウィンザー公の葬儀が行われる。
1974年、炭鉱夫のストライキが続き、
ヒース首相は計画停電で対抗する。
マウントバッテンと王太后は
チャールズを海外に赴任させてカミラから引き離し、
カミラをボウルズと結婚させる。

10 心の叫び 
マーガレット王女とアンソニーの結婚生活は破綻し、
王女は自殺を図り未遂に終わる。
1976年、政権に返り咲いていたウィルソンは
アルツハイマー病を患い辞職する。
エリザベスは即位25周年を迎える。

                                                               2シーズンごとに配役が変更され、
エリザベス女王はオリヴィア・コールマンが演ずる。


シーズン2までのクレア・フォイほどの美人ではないので、
最初違和感があるが、
演技力でカバーする。
ゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門の
主演女優賞を受賞。
女王の俳優の交代は、見事に演出されていた。


フィリップをトビアス・メンジーズ
チャールズ皇太子をジョシュ・オコーナー
マーガレット王女をヘレナ・ボナム=カーター
ハロルド・ウィルソンをジェイソン・ワトキンスらが演ずる。

どの挿話も、
あまりにもリアルな人間ドラマなので、
本当ではないかと思わせるが、
実際は創作である。

女王としてのエリザベスの重責、
サブであることに鬱屈するフィリップやマーガレット、
そしてチャールズの心理が、真実味を持って迫る。
時の首相とエリザベスとの交流も見事で、
特にウィルソンの人間味が魅力的。
宇宙飛行士を招いたフィリップが、
高邁なパイロットの話を聞けるかと思えば、
そのあまりの俗物ぶりに戸惑うなど、
興味津々。
この時のフィリップの苦悩が胸に迫る。

ピーター・モーガンによる脚本が、
重厚で素晴らしく、
複数の監督による演出も見事。
史上最高のドラマシリーズの質の高さをキープする。



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