徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

es エス

2007年05月07日 | ★★★



es  エス
おすすめ度
原題:Das Experiment
製作:2001年 ドイツ
製作:マーク・コンラド
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:マリオ・ジョルダーノ ドン・ボーリンガー クリストフ・ダルンスタット
出演:モーリッツ・ブライブトロイ クリスチャン・ベルケル オリバー・ストコフスキー ユストゥス・フォン・ドーナニー ティモ・ディールケス 

1971年に行われたアメリカのスタンフォード監獄実験を題材に描かれた作品「es」です。

タクシー運転手のタレク(モーリッツ・ブライプトライ)は、新聞広告で募集されていた模擬刑務所での心理実験に応募します。条件は拘束時間2週間、報酬4000マルク、応募資格不問、実施場所大学内模擬刑務所というものでした。そこで20人の男性を「看守」と「囚人」に分け、それぞれ与えられた役になり切るという生活がスタートするのです。

実験1日目、全員軽い気持ちで始めた実験でしたが、看守役は囚人役を従わせる事を楽しみ始めるようになります。実験2日目、タレクを中心に囚人が大騒ぎをしている中で看守ベルス(ユストゥス・フォン・ドーナニー)が場を仕切り始め、実験は次第にエスカレートしていきます。日を追うごとに囚人の精神は不安定になり、実験助手のユッタ(アンドレア・サヴァツキー)は、危機感を抱き始めていきます。そしてついに事件は起こってしまうのです。

この作品、基本的にフィクションです。実際の実験も予定より早く打ち切られましたが、死者が出るまでの惨事ではありません。個人的にはあのラストシーンはちょっと、いただけませんでしたが。演出過多な印象が強い作品でした。

何にせよ、あのような騒動は実際に起こった紛れも無い事実なんですよね…。人の適応能力は思いのほか高いと言う事なのでしょうか??「看守役」の彼らは何故あんなにも「正気」を失ってしまったのでしょうか?戦争で多くの兵士が血を流します。これも「任務」による「殺人」ですよね。置かれる立場により、「任務」という名の下に人間の心理は大きく変化していくんですね。

下手なホラーよりよほど恐ろしい事実です。

es@映画生活
前田有一の超映画批評



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