オリバー・ツイスト
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原題:Oliver Twist
制作:2005年 フランス・イギリス・チェコ
制作:ロベール・ベンムッサ アラン・サルド
監督:ロマン・ポランスキー
原作:チャールズ・ディケンズ
脚本:ロナルド・ハーウッド
出演:ベン・キングズレー バーニー・クラーク ジェイミー・フォアマン ハリー・イーデン リアン・ロウ エドワード・ハードウィック
チャールズ・ディケンズの同名小説を映画化した「オリバー・ツイスト」です。19世紀のイギリスを舞台に天涯孤独のオリバー少年が苦難の中、ひた向きに健気に生きる姿を描いた作品です。
救貧院で暮らす孤児オリバー(バーニー・クラーク)。ここでは、全ての子供たちが教区吏から虐待を受けています。ある日オリバーはクジ引きで、孤児代表として粥を哀願します。これを問題視した教区吏は、オリバーを葬儀屋に働きに出します。しかし、そこでも虐待を受けたオリバーは我慢できずロンドンへと逃げ出します。
ロンドンに着き、疲れきったオリバーに手を差し伸べたのはドジャー少年(ハリー・イーデン)でした。彼はオリバーをフェイギン(ベン・キングズレー)の元へ連れて行きます。そこは窃盗団のアジトだったのです。フェイギンはオリバーに盗みをするように仕込もうとしますが、オリバーはその荒んだ生活に染まりませんでした。
そんなある日、ふとしたことがきっかけでオリバーは紳士ブラウンロー(エドワード・ハードウィック)に保護されます。優しく温かく接してくれるブラウンローの屋敷で、オリバーはようやく穏やかな生活を手に入れますが、その生活は長く続くことはありませんでした。オリバーは再びフェイギン一味に捕われてしまうのです。
ポランスキーの作品はいつも「リアリティの追求」が徹底してますよね。この作品もセットと衣装の完成度が高くて見応えがありました。産業革命で資本主義化が進んだイギリスの児童労働問題や貧富の差など庶民の生活実態なども描かれていて何気に勉強になりました。
主人公のオリバー演じるバーニー・クラークの印象が薄いぶん、脇を固める演者の濃さが際立ってます(笑)凝り倒したメイクと役作りで一瞬誰だか分からないベン・キングズレー、実力派のジェイミー・フォアマン、今後の活躍が楽しみなハリー・イーデンなどなど華のある達者な役者さんがすごくいい風味です。
肝心のオリバー君がふわっふわしてて。「もっとがんばれ!」と言いたくなります(笑)原作もこんな感じらしいので仕方ないですが、お陰で私はもやもやしてしまいました。
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