カリガリ博士
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原題:Das Kabinett des Doktor Caligari
製作:1919年 ドイツ
監督:ローベルト・ヴィーネ
脚本:ハンス・ヤノヴィッツ カール・マイヤー
出演:ヴェルナー・クラウス コンラート・ファイト フリードリッヒ・フェーエル リル・ダゴファー
芸術続きで(ちと強引??)1919年に制作された、ドイツ表現主義を代表するサイレント映画「カリガリ博士」です。
物語は1人の男が「恐怖体験」を語る回想シーンから始まります。
フランシス( フリードリッヒ・フェーエル)は、友人のアランと、村のカーニバルに出かけます。彼らはポスターに誘われ、カリガリ博士(ヴェルナー・クラウス)が主催する見世物小屋に入場します。小屋の中ではカリガリ博士が、23年間箱の中で眠り続けている、眠り男チェザーレ(コンラート・ファイト)を紹介していました。博士は、チェザーレにどんな事を尋ねても質問に答えられると言います。そこで、アランがちょっとした悪戯心で「自分の寿命はいつまで?」と尋ます。するとチェザーレは「明日の夜明けまで」と答えるのでした。その回答に驚いた2人は急いで見せ物小屋を後にします。そして翌朝、フランシスは村人から、アランが何者かに殺されたことを知らされます。この村ではつい最近も役場の職員が殺されたばかり。騒ぎは大きくなり、連続殺人事件に発展します。平和だった村は一気に緊張が走ります。
今さら言うまでもない名作中の名作ですねっ。
映画界だけに留まらず、これまでどれだけのクリエイターに影響を及ぼしたかしれない伝説の作品です。
まず驚かされるのはその芸術性。
この作品が製作された頃のドイツの美術・工芸・写真・デザイン・建築における水準は世界のトップクラス。バウハウスの設立(1919年)なんかはその象徴とも言えます。全て書き割りによるデフォルメされたセットは本当に素晴らしく、まるで騙し絵を見ているような不思議な感覚に陥ります。メイクや特殊効果を駆使した演出も秀逸です。また、ストーリーも画期的。今ではサスペンスの定番になっている「どんでん返し」。この作品にもあっと驚く仕掛けが用意されています。
目からうろこが連続のこの作品、機会があれば是非!
ちなみに、この作品と並んで必ず名前の挙がるのが「メトロポリス」。
実はまだ観た事がありません。
セルでもこの作品だけない事が多くて…。
うーん。是非観てみたい。
・カリガリ博士@映画生活
・前田有一の超映画批評