今宵、フィッツジェラルド劇場へ
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原題:A Prairie Home Companion
製作:2006年 アメリカ
製作:ロバート・アルトマン 他
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ギャリソン・キーラー
出演:メリル・ストリープ リリー・トムリン ギャリソン・キーラー ケヴィン・クライン
キャッチコピー:最後のラジオショウが終わるとき、新しいドアが開く
ロバート・アルトマン監督の遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」です。
ラジオ局WLTが放送する音楽番組「プレーリー・ホーム・コンパニオン」の収録が行われようとしています。30年以上続いたこの番組が今夜終了してしまいます。保安係のガイ・ノワール(ケヴィン・クライン)は行つけのダイナーから劇場へ、ジョンソン・ガールズのロンダ(リリー・トムリン)とヨランダ(メリル・ストリープ )は、ヨランダの娘ローラ(リンジー・ローハン -)を連れて楽屋に到着します。司会のギャリソン(本人)は、オンエア直前になっても、ギタリストとのおしゃべりをやめる気配をいっこうに見せず、ステージマネージャー助手のモリー(マヤ・ルドルフ )はやきもきしています。そんななか、舞台の幕が上がり、いよいよ最後の放送が始まります…。
DVDにはロバート・アルトマンとケヴィン・クラインのコメンタリーが収録されていて、いろいろな裏話が聞けて面白かったです。
「プレーリー・ホーム・コンパニオン」は現在も放送されている人気ラジオ番組で、司会をつとめるギャリソン・キーラーがこの作品の脚本を手掛けています。「ロバート・アルトマンのような監督に撮って欲しい」という彼の希望が共通の知人を介して実現した作品なんだそうです。ちなみに映画に登場するガイ・ノワールや、カウボーイ姿の仲良しデュオ、ダスティ&レフティは、ギャリソン・キーラーがラジオ番組中で演じているキャラクター。ラジオのリスナーであれば、更にこの作品を楽しむ事が出来そうです。
歌謡ショーはもちろん、舞台裏で繰り広げられる、それぞれのドラマが素晴らしく臨場感たっぷり!アルトマンならではの切り口で描かれる登場人物は本当に魅力的です。
一時代が終わると同時に新しい時代がはじまる。舞台を愛する人たちを優しく包み込むような目線で描かれた群像劇。観終わった後の余韻がなんとも言えない心温まる作品です。
・今宵、フィッツジェラルド劇場で@映画生活
・前田有一の超映画批評