徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

けんかえれじい

2008年06月21日 | ★★★




けんかえれじい
おすすめ度
製作:1966年 日本
監督:鈴木清順
脚本:新藤兼人
出演:高橋英樹 浅野順子 川津祐介 片岡光雄 恩田清二郎 宮城千賀子

鈴木隆の同名小説を映画化した、鈴木清順監督の「けんかえれじい」です。

岡山の旧制中学の生徒、南部麒六(なんぶきろく 高橋英樹)はおっとりとした学生でしたが、下宿先の憧れの女性、道子(浅野順子)を馬鹿にした上級生たちとケンカになり、上級生を叩きのめしてしまいます。その様子を見ていた同校OBでケンカの達人・スッポン(川津祐介)は、麒六のケンカの才能を見込んで、ケンカの極意を伝授します。麒六はたちまち学校の不良たちを制圧し、学校最大の勢力OSMS団(岡山セカンドミドルスクール団)の副団長になります。しかし、学校に軍事教練にやってきた教官と衝突し、岡山を出て親戚を頼り会津若松へ向かいます。


高橋英樹がひたすら喧嘩をする映画です(笑)。
今から40年前の作品なのに、高橋氏の印象は全く変わらない。
スターってすごいですね。
ちなみに後ろのイイ面構えの彼は「青春残酷物語」で主演をつとめた川津祐介。

異常にテンションの高い作品です。
あまりのむちゃくちゃぶりに思わず顔の筋肉が弛んでしまいます。

岡山、会津若松と暴れ続ける麒六ですが、物語の終盤に二・二六事件や北一輝の存在を知ります。そして麒六は新しい「喧嘩の場」を求め東京へ旅立つんですね〜。実は、脚本には最後のくだりはなかったそうで、清順監督が「おもんない」という理由で勝手に付け足したもの。脚本をつとめた新藤兼人は、ちょっぴりおかんむりだったそうですが、私は将来を暗示するようなこのラストは大正解だと思います。(何様? 笑)

やんちゃな主人公と清純なヒロインが登場する、昔の青春映画の王道を堪能できる作品です。


けんかえれじい@映画生活
前田有一の超映画批評



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