セックス・チェック 第二の性
おすすめ度
製作:1968年 日本
監督:増村保造
原作:寺内大吉
脚本:池田一朗
出演:安田道代 緒形拳 小川真由美 滝田裕介 笠原玲子
引き続き増村保造監督作品「セックス・チェック 第二の性」です。
戦争でオリンピック出場を断念せざるを得なかった元天才スプリンター宮路(緒形拳)は、かつてライバルだった峰重(滝田裕介)から勤務している会社の陸上部のコーチを依頼されます。夢破れ、目標の無くなった宮路は酒と女に溺れだらしない生活を送っていました。誰よりも彼の才能を知っている峰重は宮路を自宅に招きコーチになるよう口説きますが、どうしてもその気になれず断るのでした。そればかりか、宮路は昔プロポーズした峰重の妻彰子を無理矢理(小川真由美)乱暴してしまいます。翌日、宮路は、峰重の会社に彰子の事を詫びに行きます。当然峰重は怒り、二度と目の前にあらわれないよう言います。その帰り偶然バスケ部のを練習が目に留まり、コーチに楯突いている鋭い瞳を持つ南雲ひろ子(安田道代)を見つけます。強いインスピレーションを感じた宮路は彼女をスプリンターとして育ててみたいと思うのでした。一度は断ったコーチの仕事でしたが、宮路はその足で再度峰重の元へ行きコーチをしたいと申し出ますが、彼のコーチ就任と同時に峰重は会社を去りました。毎日猛訓練をつづけてる宮路は、ひろ子が好記録を出すためには、女の中に潜んでいる男の能力をゆり起すこと、徹底的にエゴイストになることをアドバイスします。ひろ子は毎朝、ひげ剃り、言葉遣いも変え男性になり切ろうと努めます。そして第一回の記録会の日、日本記録にせまる好記録を出します。いよいよ自分の夢をひろ子に馳せる宮路でしたが、その前にセックス・チェックを受ける事になりました。そこでひろ子は衝撃的な診断を受けるのでした。
続けてパンチが効いています。
ヒロインは「痴人の愛」の安田道代。
今回はちょっと影のある地味めな女性を演じています。
タイトルだけ聞くと官能作品ちっくですが、立派なスポ根ドラマです。
今から40年前にインターセクシャルというテーマをとりあげているんですね。
当時としては随分すすんでいたのではないでしょうか。
今回もエキセントリックキャラが大活躍!
宮路を演じる緒形拳がすごいんです。
「今日からお前は男になれ!」
「毎日髭を剃れ!」
「男言葉を使え!」
「俺が女にしてやる!」
などなど名言が満載です。
無茶苦茶なんだけど「あの」緒形拳が言うのを聞いてたら「そ、そうですか…。」と言わざるを得ないテンションです。
今回も、様々な人物の愛憎渦巻くハードなドラマとなっています。
観た後決して清清しくはなれませんが、一度観たら忘れられない作品です。
・前田有一の超映画批評