「シャドウゲイト」というゲームがある。
このゲームの主人公「しんのゆうしゃ」はとても死にやすいことで有名で、
スペランカーに次ぐ最弱の主人公として名高い。
そのことを痛快に語る「無駄にシャドウゲイト」というFLASHが何年も前に出ているが、
今でもたまにそれを見ている。何気に曲もノリが良く小気味よい。
→「無駄にシャドウゲイト」
通説としても、FLASHネタとしても、
シャドウゲイトを知る人間にとっては、
「しんのゆうしゃ」は弱い主人公である、と、実に広く認知されていると思う。
だが、ちょっと待ってほしい。
果たして、しんのゆうしゃは、本当に弱いのだろうか…!?
ここでは、シャドウゲイトのゲームシーンを回想し、
モンスターとの戦闘から、しんのゆうしゃの強さを検証してみることにする。
ちなみに、ネタバレを含んでしまうため、未プレイの方はご注意を。
では、
「しんのゆうしゃ」の戦いのうち、代表的なものを5つピックアップし、
皆様に「しんのゆうしゃ」がいかに「勇者」であるかを、お伝えいたしましょう!
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BATTLE1. 鬼
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この「鬼」との戦いは、
しんのゆうしゃの強さを示す、象徴的なモンスターであると言える。
こいつの攻撃を食らうと、しんのゆうしゃは死んでしまう…と、
一般の方には認識されてしまっているようだが、それは誤解である。
実は、攻撃を食らって死んでいるわけではないのだ。
こいつの攻撃手段(?)は、この絵にもある「橋をはずす」である。
さしもの しんのゆうしゃと言えど、足場が無くてはどうしようもない。
谷に落下してしまえば、どんな勇者であれ、死は免れないだろう。
そう、鬼によって殺されてしまうパターンと言うのは…戦っていないのだ!
決して、しんのゆうしゃが弱いから死んでいるわけではないのだ!
逆に、鬼は「しんのゆうしゃ」との直接戦闘を避けていると言える。
だからこそ、このように卑劣な手段に出るのだ。
正攻法では、しんのゆうしゃには、かなわないと見て…!
その証拠としては…鬼は、見てのとおり巨大だが、
しかし、しんのゆうしゃの手にかかれば、投槍の一撃で仕留めることができる。
おお、なんと強いんだ、しんのゆうしゃ!!
正確に言うなれば、気絶をさせるにとどまったが、
それは、FFで言うところの「戦闘不能」状態であり、つまり倒したということだ。
のちに再登場するが、その時は、戦う必要すらない。
しんのゆうしゃは、レナニゼカの呪文により風になって、
鬼を相手にすらせず、通り過ぎるのだ。
逃げている?
とんでもない!
これは、いわばトヘロスなのだ。
魔王ワーロックを倒す使命を帯びた しんのゆうしゃ には、
一撃で倒せるようなザコを相手に時間をかけている暇は無いのだ!
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BATTLE2. サイクロプス
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サイクロプスの倒し方は、パチンコで小石を飛ばして攻撃である。
そのあまりの倒し方のショボさから、
「しんのゆうしゃ」の勇者性に疑問を抱く方も少なくない。
だが、ちょっと待って欲しい。
サイクロプスといえば、言わずもがな、
人間より遥かに巨大な、一つ目の巨人である。
ましてや、そんな巨人が、ここでは武装までしている。
むしろ、サイクロプスを小石で倒したことを賞賛すべきではあるまいか?
ショボイ武器でも巨人を撃破できる勇者…!
鬼との戦いで、その攻撃力を見せ付けたしんのゆうしゃ、
サイクロプスとの戦いでも、その実力をいかんなく発揮しているのだ。
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BATTLE3. スフィンクス
スフィンクスを見た時の、しんのゆうしゃ の発言は、
「どうしよう?どうしたらいいんだ?」
であり、情けないセリフに聞こえるかも知れない。
しかし、これを聞いて「情けない」と言ってしまうのは早計である。
このスフィンクスの画像は、
このようなものだ。
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す…すふぃんくす…!?
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こんな顔で直視されたら、
「どうしよう?どうしたらいいんだ?」
としか言いようがないと思う。
ついでに、スフィンクスに負けることはない。
ゆえに、しんのゆうしゃの弱さの証明にはならない。
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BATTLE4. 狼女
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「おっ いいおんな…」という
しんのゆうしゃの名台詞を作り出した狼女。
近づくと、それだけで「しんのゆうしゃ」はやられてしまう。
だが、これは「しんのゆうしゃ」が弱いのではない。
「いいおんな」と思って近づいたら、突然、狼に変身して襲い掛かってくるのだ。
つまり、不意打ち。
明らかなる不意打ちなのだ。
油断だったとしかいいようがなく、それでは負けても仕方が無い。
では、なぜ油断していたのかと言うと、
それには、ちゃんとした理由がある。
「おっ いいおんな…」発言だ。
「英雄色を好む」という諺もあるとおり、
つまり、しんのゆうしゃは、いいおんなに弱かったのだ。
だから油断してしまったのだ。
つまりこの勝敗は、油断していたときのものであり、実力を測るに値するものではない。
ゆえにこれは、しんのゆうしゃを弱いと見なす理由にはならない。
むしろ、英雄色を好む、すなわち、この「おっ いいおんな…」発言はむしろ、
しんのゆうしゃ が真に英雄であることの証左であると見るべきであろう。
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BATTLE5. 幽霊
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幽霊と戦おうとすると、
しんのゆうしゃは、「こわくてちかづけない」と言って、
戦いを拒否してしまう。
怖いって…お前、勇者だろ!
などと言いたい方、その気持ちはよくわかる。
よくわかるが、それは間違っている。
その心は、しんのゆうしゃが「勇者」であることに起因する。
わかりやすく説明しよう。
「勇者」と言えば、やはり有名なのはドラクエだろう。
そして、ドラクエのマンガと言えば、「ダイの大冒険」などが有名だ。
その「ダイの大冒険」に登場する、
"北の勇者"ノヴァが、こんな発言をしているのだ。
「真の勇者とは自らよりもむしろ…!!
みんなに勇気を沸き起こさせてくれるものなんだ……!!」
そう、真の勇者とは、自らが勇気を持つ者のことではない…!
「勇気」の力を持つ者は、作中でも、勇者ダイではなく、ポップの方だった。
勇者ダイが持っていた力は、「純粋さ」だったのだ。
勇者が持つべき力は「純粋さ」なのだ。
つまり、「こわくてちかづけない」と正直に言っている しんのゆうしゃは、
「純粋さ」があると言って過言ではないだろう。
そう、純粋さ…つまり勇者の力だ!!
だから、
「こわくてちかづけない」発言は、「しんのゆうしゃ」の勇者性を何ら貶めるものではなく、
むしろ勇者であることの証ではあるまいか。
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いかがだっただろうか。
戦闘能力だけではなく、その性質までもが、
全て勇者の素質に満ち溢れていた、「しんのゆうしゃ」の戦いぶりは。
これをもってして、
未だ「しんのゆうしゃ」は最弱の主人公と言えるだろうか?
否、言えようはずもない。
さあ、道は開かれた!
これまで、シャドウゲイトの「しんのゆうしゃ」を弱いと思い込んでいた方々、
これを機に、その真実に気づき、考えを改めていただければ幸いである。
さあ、今こそ言おう、そして広めよう。
シャドウゲイトの主人公「しんのゆうしゃ」は、
決して最弱の主人公ではなく、まさに真の勇者なのであった、と…!
その説は間違いではなさそうだ。
サイクロプスの件でパチンコと小石だけで倒してしまう勇者。
「ふしぎな ちからが くわわる くわわる!!」パチンコが特殊な効果を持っているようにも見えるが、そのあとに続く
『「ひとつめの かいぶつを たおせ!!」
むいしきの うちに こうさけび いしを はなった!!』とあり、
「使いこなせなかった力を無意識の中でマスターして戦った」と某霊界探偵も言っているように、勇者は実は強かった事が伺える。
パチンコを使ったときに、
ふしぎな ちからが くわわる くわわる!!
この文章だけであれば、確率変動が起きたと考えることもできますが、
何度やっても結果が同じですので、やはり技をマスターしたと考えるべきでしょう。
そう、ロマサガ2のピコーンと来るアレのように。
恐るべき天才性と身体能力です。
しかし、サイクロプス撃破後も、井戸のロープを触らないよう注意が必要です。
「しんのゆうしゃ」が、その身体能力の高さ…あまりに反射神経が鋭すぎたために、
ロープに反応してしまい、ロープを追って井戸に落下してしまいます。
凡人であればこのような悲劇が起き得なかったのに…!
やはり、しんのゆうしゃの強さは、疑うべくもないようです。
スフィンクス、あんなオッサン顔なのに唇に色がついてて地味に笑けました。
微妙な表情に定評のあるスフィンクスには、
飛び道具に定業のある「しんのゆうしゃ」でも太刀打ちできません。
なんせ微妙な表情ですから。
シャドウゲイト、面白いですが、オススメはできません!
でも面白いです。文章を噛みしめつつの文系プレイ推奨です。
すぐ死ぬゲームだとわかってプレイすれば、なんとか。
ゆえに、しんのゆうしゃは戦闘能力は強いが、頭が弱いのでしょう。