カツオ漁で有名な高知県中土佐町久礼。
ここには、世界一カツオの美味い大正町市場がある。
わずか50メートルほどの小さな商店街に、
夏の終わりになると、
「メジカのシンコあります」
という看板がぶら下がる。
夏の終わりから秋のはじめの短い季節にしか、
食べられないメジカ(ソウダカツオ)のシンコ。
元々は漁師町でしか食べられていなかったシンコも、
もちもちとした独特の食感が評判を呼び、
いまや、町外からも大勢の人が集まる
大正町市場の夏の風物詩にもなった。
生で食べられるのは、小さな時だけ。
メジカカツオは大きくなると、身に虫などがいることが多く、加熱が必須になってくる。
夏に身をつける「ブジュカン」と
呼ばれる柑橘類の皮をすって、
香りを立たせ、果汁を絞って回しかけると、
まるで酢締めをしたようになる。
高知には、柑橘類を醤油に絞って、
魚を食べる風習が昔からあるが、
それも、冷蔵庫もなかった時代に、
真夏でもなんとか魚を食いたいという
願いから生まれた先人の知恵なのだろう。
足のとてもはやい魚だけに、大正町市場でさばいてもらって、その場で食べるのが、
誰がなんといっても一番美味いのだ。
お盆よりは少しだけ価格も下がってた。これからどんどん安くなる。